新世界と転生の賢者

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転生体と転生の賢者

学生の本分は勉強
というわけで昨日遊んだ分を取り返す為に今日は一日缶詰の予定だ
もう学生のうちに勉強できる範囲は完璧に記憶してある為今はあらゆる趣味の知識を極めている

『ふうむ・・・学習欲が強いのは良いんじゃがのぅ・・・ここは少し・・・そや!』

「けんちゃーん!けんちゃーん!」

ノックの音と共に母が僕を呼ぶ声が聞こえる

「どうしたの母さん?」
「ママピーンときちゃったの!お小遣いあげるから少し遊んでらっしゃい!」
「え?いや・・・でも・・・」

あまり乗り気じゃない僕に無理矢理お金を渡すと母さんはそのまま僕を外に追いやる

「いってらっしゃーい!」
「い・・・いってきまーす・・・」

母さんにはたまにこういう事がある
普段温厚な分急に豹変するので戸惑うのである

「かといって・・・欲しい物なんてないんだけどなぁ・・・」
『低反発低反発低反発』
「・・・枕でも新調するかな」

特に欲しいというわけではないが買ってしまった枕を片手に商店街をぶらつく

「こんな店あったかな?」

商店街の一角
目立つ事この上ないはずのファンシーショップを目の前に首を傾げる
新装開店か・・・?そんな様子でも無いが
中には見知った人物が巨大な女性と話している

「お!ひろじゃ・・・な・・・」

夏休みに久しぶりにあった友人に声をかけようとした所で急激な眠気に襲われる
たまにある症状だ
この症状の後僕は大抵ベッドで寝ている
たまに病院にいる時もある
当初はナルコレプシーかなにかかと思っていたが
どうにもそうではないらしい
・・・最近よく眠たくな・・・る・・・な・・・
そう思いながら彼は深い眠りにつく
それと同時に彼がいた場所では少女が笑みを浮かべている

「結界が壊れたのもあるが・・・カモがネギしょってきたのぅ・・・」

こちらの魔力に気づいたアリスが咄嗟に目の前の少年の意識を飛ばす

「あんらぁん・・・これはまずいかしらねぇん・・・」

アリスが敵意をこちらに向けてきているが
結界もない公道で魔法なんて使えば大騒ぎだ
勿論こっちから貼ってやる義理は無い
せいぜい人的被害が出ないように配慮する程度だ
前戦った時もそうだがあくまで話し合いに来たのだから

「勘違いしておるようじゃが私は話し合いに来ただけじゃよ」

指先をパチンと鳴らし関係者以外の周りの人間を自宅まで転移させる
記憶も改ざんしておく
私の魔力に対抗できる人間はこの世界にはいないだろう

「まさかこんなにはやく転生するとはのぅ・・・」

眠っている転生体に目をやる
元の人格の下に隠れるように新しい魂が宿っている
まるで仮想空間で生まれた感じだ
体が無い状態で転生したおかげで覚醒しきれていない
このままいけば覚醒する前に消滅する事だろう

「それでぇん?この子をどうする気ぃん?」

アリスが一般人ならちびりそうな顔で唸る

「体が無いとなると・・・作るか・・・その人間の体を・・・後者は方法論じゃから睨むな」

話の途中で結界関係なくぶっ放そうとしているアリスに釘をさす

(まぁあの男ならその人間の体を使おうとするじゃろうがな)
・・・だから私を敵視したのか
あの男とも何度も話し合い、戦ったのであろう
これはあの男の説得も必要になるかもしれない

「そこのお嬢さん」
「あんらぁんお嬢さんだなんてぇん!」

目は凄んだままクネクネする巨大な女性は私でも目に余るものがあるのぅ・・・

「お主・・・人体練成を覚える気は無いかのぅ?」

私が作っても良い所じゃがこの一件
アリスのほうにも思う所があるようじゃしの
後々の禍根を残さないためにも当人に任せるとするぞい


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