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俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件

のりしお

主人公じゃなくても……

 
  「あの!」

  俺は普段家からもあまり出ずにろくに運動もしないため少し走っただけですぐに息切れしてしまったが今はそんなことも忘れて頭に血が上っていた。

 「ハァ……ハァ……ハァ……」

  辺りもだいぶ暗くなって来たこの時間帯に裏路地に女の子を連れて行くなんて悪事が働いてるとしか思えない。

  「チィ……うわぁ……バレちゃったよ」

 かなり低い声音で1人の男がそう言ってきた。

  「おいおい、俺たちの連れに何か用かい?」

  男達の視線は一気に俺に集まると俺は緊張し腕に力が入った。

 俺はこんなヤンキー2人に堂々と喧嘩を挑もうってのか……きっとラノベの主人公ならボコボコにしてヒロインの女の子とチヤホヤするんだろうなぁ。

 俺は裏返りそうな声をなんとか抑え平常を装った。

  「その子は俺の知り合いなんですが……こんな時間に一体何しているのかと」

  俺は正直言うと美代より彼らの方が心配だった、いやもちろん美代のことの方が心配でしょうがないがヤンデレ時の美代を思い出すとどっちが犯罪者になるのかわかったもんじゃないし……。

  とにかく、こいつらも美代も刺激しないようにしなくては……。

  「チッ……知り合いかよ、おい!殴られたくないならどっか行きな」

  1人の男がこちらに近づいてくると威圧をかけるよう袖をまくりバキバキッと手を鳴らした。

  ……ここはかっこ悪いところ見せるわけには行かないけど……。

  はぁ〜嫌だなぁ〜……でも喧嘩が得意なわけじゃないし……。

  「一言だけ言う……」

  「あん?」

  俺は深く息を吸うと大声で叫んだ。

  「俺は殴られても構わないから、その子には……美代には手を出すな!」

  いや、これから殴られるの覚悟で出た言葉がこれです、はい。

  「上等じゃねぇか……よっ!」

  勢いよく飛ばしてきた腕は綺麗に俺の溝に入り俺はその場で跪いた。

  「雪くん!」

  「ぐっ……」

 ……ふっ、まったくかっこ悪いなぁ俺って……。

  ラノベの主人公なら男たちをボコボコにしてかっこいいところ見せるチャンスなのに……俺にはそれができない。

  なんてかっこ悪いんだ。

  すると男は俺の目を見ると「ふん!」と言って俺の顔面を蹴り飛ばしてきた。

  当たりどころが良かったのか悪かったのか分からないが血が流れていくのが見えた。

  ヤベェ……どんどん気が遠のいてく。

  俺は地べたに這いつくばりながらもうつらうつらと美代の方を見ると泣きながら何かを叫び訴えていた。

  ……はぁ、よかった。

  俺はふと微笑んだ。

 美代には……手を出していない……みたいだ……。

 俺はラノベの主人公じゃない……けど。

 俺はラノベの主人公じゃない……だけど!

 「俺はラノベの主人公じゃないけどな!……ハァ……幼馴染1人くらい……守ってやりたいんだよ!!!!!」

 俺は最後の力を振り絞ってそう叫んだ。

 「……もういい、いくぞ!サツがくるそれにこれ以上はまずい」

 ……思いが通じたのかヤンキー達はその場を去っていった。

  「だ、大丈夫?痛くなかった?」

  美代はこちらに駆け寄ってくると俺の頬に手を当てるとすぐに震えた体で俺の事を抱きしめて来た。

 体のあちこちが痛かったが美代に抱きしめられてそんなことなどどうでもよくなってしまった。

  「ど、どうしたの?もしかして俺、くるの遅かった?」

  「遅かったよ!……本当に怖かったんだから」

  震えた声でそう言うとさらに強く抱きしめて来た。

  ちょっと苦しいだなんて言えない……。

  すると妹がこちらに駆け寄って来た。

  「お、お兄ちゃんどしたの?それにひどい怪我……一体何があったの?」

  「だれ?……でもどこかで会ったことが……」

  そっか……記憶が……。

  「あ、えっと……初めまして?お兄ちゃんの妹の雫です」

  妹は丁寧にお辞儀をするとさらにこちらへ寄って来た。

  俺の顔を見ると「痛そう……」と言ってポケットからハンカチを取り出し血を拭いてくれた。

  「それで?一体何があっての?お兄ちゃん」

  「実はーーーー」

  俺は妹に軽く説明しすると……

  「あれ?お兄ちゃんちょっと顔赤くなってるよ?」

  そりゃこんな胸を押し当てられれば赤くなるわ!……ってそっちじゃないか。

  「ん?さっき軽く殴られてな」

  「お兄ちゃん……とてもじゃないけどその怪我でそんなこと言われても……それに合気道習ってんだから余裕だったはずなのに……」

  「そうかもなぁ〜」

  すると妹はこちらをジーっと見つめて来た。

  「……なに?」

  「いつまでくっついてるの?」


  ーーーーーー

  そのあと俺と妹は美代を家の前まで送り届けた。

 美代はその怪我で見送りなんて無理だと言ってたが普段、美代と志保に散々やられてきたからな……。

  彼らの事は美代に任せることにして俺は親に連絡をするとエミがカンカンに怒っているらしい。

  いっそ帰りたくない……最近は2人でアニメ見たりしてるらしい……。

 俺は美代に別れを告げると見えなくなるまで手を振り続けてくれた。

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コメント

  • ノベルバユーザー240181

    かぁー主人公格闘ぐらいラノベで学べるだろ俺それで一回も喧嘩で負けたことない

    0
  • k

    面白かったです。次の話しを期待しています

    0
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