俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件
やっぱりな!……
 
 優しく風が舞い込んだ、身体中が火照っていた俺にとってはとても心地よいもので一度心を落ち着かせるにはちょうど良い。
 迫り来る志保に俺は多少抵抗しつつも……期待していないと言えば嘘になる。
 ……ふふっ、なんか笑えて来た。
 「何が可笑しいの?」
 きっと誰もが思う事だが俺ははっきり言おうと思う、ほとんどのものが曖昧に表現をするだろうが俺はそんな事はしない。
 何が可笑しいかって?
 そりゃどうせキス出来ないことに対してだな。
 「ゆっきく〜ん!」
 うん、知ってた。
 ほらな!!!結局こうなる事は分かってたんだよ!(心の中でほんの僅かに期待してしまった自分が恥ずかしい!)……まぁ分かりきってたけど。
 「ちぃ……どうしてあの脂肪女はいつも私の邪魔をするのかしら?あの狙い澄ましたかのような顔も気に入らないわね」
 美代がこちらに駆けつけてくる様子を見た志保は悔しそうな顔をして俺から離れた。
 「っく……まぁいいわ、あとで絶対雪くんに飲ませるから、楽しみ待ってなさい」
 ネックをロングにして待ってます!
 「お二人ともお取り込み中でしたか?それならごめんなさい……私ってば気がつかなくて」
 いえいえ!とんでもないです!ユンがきてくれなかったら一体どうなっていたのやら、
 「2人とも何をしてたの?」
 美代は表面上笑顔だが所々笑っていないのが伝わった。
 例えば右手に持ってるフォークとか必死に閉じて見せようとしない瞳とか。
 「雪くんとは今後の話をしていたのよ、そう……とっても重要な話をね」
 おい、いつそんな話をしたんだ。
 志保は髪の毛をふさっと上げるとその場を去っていった。
 おい!ちょっと……早く弁解してくれ!俺が美代に殺されるだろ!
 「ゆ・き・く・ん?一体何をしてたのかなぁ?美代きになるなぁ〜」
 俺もお前が手に持ってるフォークが気になってしょうがないよ!
 「大変ですのね……」
 その後なんとか許してもらい、俺たちは黙々と作業に入った。
 3人ともエプロン姿がとても似合っていてさらに髪の毛をポニーテールにまとめあげているのが個人的に一番好ましかった。
 やっぱユンの金髪は一段と綺麗で志保も相変わらずのクール系を持ち美代は短い髪の毛をまとめ上げている所は珍しい絵面だった。
 他の班を見るとみんなで協力しながらワイワイ作っているのに対しうちの班はそれぞれの作業に没頭していた。
 「あの……あんま見られると恥ずかしいのですが」
 しまった、目が勝手にユンの姿を見ようと……。
 「ご、ごめん」
 ほどほどにね、ほどほどに……。
 「どうかな?雪くん……美代可愛い?」
何故ジャガイモの芽を包丁で出しながらこっちに来るのかは謎だったが気にしないでおこう。
  茶髪のショートをポニーテールにまとめあげるのもなかなかのもので美代はまとめあげた髪の毛をチョンチョンと触っていた。
 「う、うん……可愛いと思うよ」
 やべーよ!動揺が止まらん!もしかして俺ってポニーテール好きだったのか……。今度ポニーテール協会でも作るとしよう。
 俺は美代から視線をそらすとそこには顔をむすっとさせた志保の姿が見えた。
 志保も長くて綺麗な黒髮を一つにまとめあげていて縛っている、白色のふわふわなリボンがクールとは違って可愛さを引き立てていた。
 これはギャップ萌えってやつじゃ……てか俺がポニーテール好きなだけなのか!?
 「な、何よ…………ど、どうかしら?別に雪くんの意見なんてこれっぽっちも聞きたくないのだけれど、一応他者の意見も聞くべきだと思うの」
 俺は一つ咳払いをした。
 「い、いいんじゃないかな……似合ってる」
 その変な性格除けば。
 「そ、そう…………やったぁ」
 志保は小さくガッツポーズをしていた……この調子でさっきのことも忘れてくれると助かるのだが……。
 「雪さん、どうですか?」
 ぐはっ!ここで本命の登場なのか!?
 金髪ポニーテールなんて反則だ……しかもユンの場合だと若干横でまとめあげてあるのが犯罪級。
 「ご、ごちそうさま?」
 なんで俺はカレー食う前に完食してるんだよ……。
 「雪くん、雪くん、ほらっ!」
 今度は美代がツインテールに髪をまとめた。
 その後も3人の髪の毛いじりは続き俺たちの班だけ食事が遅れてしまった。
 この後の自由時間が怖い……。
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