俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件

のりしお

またもや修羅場!?……

 
  俺は更衣室で着替えを済ませると海パンの紐をきつく締め外のプールへ向かった。親子で来ている人もいれば俺と同じように友達?と来ているものもいた。

  うわ!まぶし……。

  俺は手で光を遮った。

  プールの水面は太陽の光が反射して無色透明の水が光り輝いていた。多くの人が楽しそうに泳ぎ飛び込みをして注意されている人も目に移った。

  俺はとりあえず進むと他のメンバーを探した。

  ……なんだか下がヌルヌルする、滑らないように注意せねば。

  「雪くんお待たせ〜」

  女子更衣室から可愛らしい水着を着た美代と志保そして妹がこちらに近づいてきた。

  手を振ってくる美代の姿はでかい胸を強く強調しピンク色のビキニに白のフリフリが付いていた。

  やっべ、鼻血でそう……水着って無駄に露出度高いよな……考えた人に深く礼を言いたい。

  ありがとう!

  「待った?」

  「いや、俺も今来たところ」

  もはや、このセリフは社交辞令になってないか?カップルの間ではテンプレだよな、それに本当のことだし。
  
  「お兄ちゃん……どうかな?」

  妹は緑色、一色のビキニでシンプルながらも肩にかかっている紐が少し緩んでいて俺好みだった。

  ……毎回言うけどいやらしい意味じゃないからね?

  「お兄ちゃんの好みだな」

  すると妹はもじもじ、しながら手を下に伸ばし合わせるとゆっくりと口を開け
  
  「そっか……」

  何照れてるの?これはもしや妹ルート?妹ルートですか!?

  「水着なんてどれも変わらないと思うけど、い・ち・お・う聞いておくわ……ど、どうかしら?」

  そう弱々しい声で言う志保の姿は黒と所々、白が混ざったパレオで志保のクールがさらに増していてかなり俺の好みだった。

  あれ?俺のストライクゾーン広すぎね?

  やべぇ……これからはお姉ちゃんって呼ぼうかな?後照れてる姿がめちゃくちゃ可愛い。

  髪の毛を上にサッとあげると胸を強調するためか両手を胸の下に組んだ。

  「な、なんか言いなさいよ……」

  そう言われると俺は目をそらし鼻をかきながら思っていることを正直に言った。

  「し、志保らしくていいと思うぞ」

  俺は目線を合わせずに言うとどうやら志保も下を向いて顔を赤らめていた。

  「そ、そう……ありがと」

  その声は俺には小さすぎて聞こえなかったがきっと感謝しているのだろう。

  すると妹が俺の方によって来て肩をチョンチョンと叩いた。

  「ん、どしたの?トイレ?」

  それならついて行ってやるが……。

  「トイレはムラムラしてるお兄ちゃんが行きなよ」

  どうしてバレたんだ!それにそんなはしたない事を言うなんて……お兄ちゃんちょっとショックだよ?

  「それより何を泳ぐの?クロール?平泳ぎ?」

  そんな決まりはないのだが……さてはプール初めてだな?

  「妹よ誰かと一緒にプールへ来たことあるか?」

  すると妹は首を横に振った。やはりか……。

  「プールは人が多いからあまり泳げないわ、それに特に決まりごとはないのよ、泳ぐも自由だし会話を楽しむのもありね」

  志保はまだ腕を胸の下で組んでいた。そんなに小さくないですよ、自信を持って!

  「そうなんですか……」

  「そうだよ、こうゆうところのプールは自由に泳げるところがいいんだよね〜」

  学校だと何かと規制が多いしな。

  「美代も初めはナンパばっかされて嫌だったけど最近じゃ雪くんと言う夫がいますって言えば大体諦めてくれるし」

  うんうん……っておい、俺は美代の夫じゃないんだが……。

  「ちょっと、何言ってるのかしら?美代は昔からよく寝ぼけているけれど温泉入ってのぼせたのかしら?」

  まずい!珍しく志保が突っかかった!これは嵐の予感……。

  「美代は〜のぼせてもいないし胸も小さくないよ〜」

  そう言いながら美代は志保に近づき胸を押し当てると笑顔で勝ち誇っていた。

  「は?もしかして美代は胸の大きさで価値観が決まるとでも思っているのかしら?それなら大きな勘違いなのだけれど……そもそも日本人は……」

  睨み合う2人からは禍々しいオーラが放たれていた。

  何としても止めなくては!

  「まあまあ、2人とも落ち着いて……」

  すると2人の視線は俺の方に向いた、これはまたもや修羅場なのか!?

  「雪くん……ここではっきりさせようじゃない、そ、その……私と美代のどちらが好きか」

  え?これはもしかして……と言うよりやっぱ修羅場に突入してね?

  「それは美代も気になるよ!雪くんはもちろん美代を選んでくれるけど」

  ちくしょう……妹よ今すぐ救急車に電話をかけておいてくれ……このプールは赤く染まる!

  妹は何か言いたそうな顔をしていたが、それより早くこの場をなんとか切り抜けなくては……。

  「2人ともクレープでも食べないか?俺が奢るぞ?」

  「それはもちろん後でいただくわ」

  「それより早く決めて、美代なの?それとも美代なの?」

  それは選択肢って言わないだろ……。

  「お兄ちゃんはまだ童貞のままでいいと思うのです!」

  「ふぁ!?」

  何を言ってるんだ!どうした妹よ!?この状況が耐えられなくなったのか?

  ところがこの一言は2人の心に響いたらしく一歩引いてくれた。

  「そうね……ここは私のことをさらに必要になってもらうためにも少し待ちましょうか……」

  「珍しく雫ちゃんが叫んだ……そうだよね今日は楽しく遊ばないと……ごめんね」

  なんとかその後も丸く収まったが……。
  
  「それじゃ雪くん?さっきのクレープの件忘れてないわよね?」

  ふっ……何だかんだで気を使い合っているのかな。

  「もちろん」

  好きなのを奢ってやろう!

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