時の異能者

茶影さん

3話

奥様...か。俺らのことをわかってくれているからなのかなんなのかは知らないけどなかなかというかかなりお世話になりっぱなしだ。その代わりあのおっさんは娘離れが出来ていないためか知らないけど過保護気味なんだよな。それを抑えさせているあの人もあの人だけどな...

そんなことを考えていると着いたみたいだ。歩いている間、亜美はずっと下を向いていた。やっぱそうだよな気まずいよな。俺はもう家に連絡してあるし許可ももらってるから怖くはないんだけどな。

執事さんがドアを開ける。そして中に入るように催促される。俺が先でいいのか?亜美は俺の後ろに隠れちゃったし...執事さんの方をチラッと見ると面白がるような顔をされた。はいはい、俺から入りますよ

「どうも、おじゃまします。...お久しぶりです。まいさん」

やっぱ美人だなとかおもいながらとりあえずの挨拶をする。その後に気まずそうに亜美が

「......ただいま」

そんな声出すなよ俺も気まずいんだよ

「とりあえず、おかえり、亜美」

恐れていたその声は予想とは違う柔らかい声だった

「そして、いらっしゃい、かいくん。ずいぶん大きくなったね」

そりゃそうだ、前に会ったのは二年前だしな、そして、その言い方辞めていただけませんかね?

「立ち話もなんだしとりあえず入って」

「はい」

そして俺と亜美は舞さんについていった。通されたのは客間では無く舞さんの部屋だった

舞さんの部屋に入りどうしたらいいのか困っていたら

「その辺のソファにでもかけて」

と言われるがままにしたがった冷や汗が止まらない。ははっ

舞さんもソファに腰掛けるとさっそく

「とりあえず聞かせてもらおうかな?今日のことについてと、どこまで進んだかを」

そんなウキウキした声出さないで下さいよ

「あ、そうそう。旦那は縛っといたから問題ないわ」

軽いトーンでえげつない事いうな...

「それはありがとうございます。んじゃ今日のことについて話させてもらいますね」

それから俺は今日あったことについて話している間、亜美はやっぱ下を向いていた顔を若干赤くしていたのは何故だ?

それで俺の知っていることについては話終わった。その間、向いにあるソファで静かに話を聞いていた舞さんは

「なるほどね...それで今さらなんだけどご家族の方に連絡は?」

おいおい、言ったやん。...最後らへん聞いてなかったろ...

「大丈夫ですよ、ちゃんと遅くなるとは連絡してありますし」

そう言うなり

「そうかそうか、じゃ今度はどこまでいったかについて話してもらおうかな?」

まったくこの人はこの話が本題だろ・・・

「どこまでって言っても頭撫でるとか手をつなぐぐらいまでですけど...」

「なんだ、まだそんなとこまでしか進んでいないのか...」

なんでそんなにがっかりそうなんだよ...

「がっかりそうに見える?」

見破られてんのかよ

「そうですね。口調からしてそうなのかなと思いはしましたけども」

「あはは、そんなわけないじゃん、あら素が出てきちゃいました。失礼しました」

もうさっきからキャラ崩壊してますけどね

「それは別にいいのよ、どこまででも進んでもらってもね?たしか、次の日曜日、家に遊びに来るのよのね?その時にでもやっちゃえばいいのよ」

「ハハハ、考えものですね」

どこまでルーズなんだよこの人は...つーかそんなことしたらおっさんからなにか言われると思うんだけどもな...そしてここまで一言も喋らないな亜美は...


今何時だ?スマホを見る。時刻は8時07分  そろそろお暇しないとな

「舞さん、そろそろ俺帰ります。今日はなんか申し訳ないです。」

ソファから立ち上がって俺はそういった。すると...

「そう、もう帰っちゃうの...いっそこのままこの娘の部屋で一夜...とか思っていたんだけどもね」

「それをするにはまだ早いですよ、それにするなら土曜の夜からの方がいいでしょ?」

軽い冗談も含みながらなのか分からないけどとりあえずこんなんでいいだろ...いや、そんな顔で俺の方を見ないでよ亜美さん。俺も恥ずかしいんだから

そんな見つめあってる俺らを見て...

「はいはい、わかったわよ。もうおなかいっぱいよ」

呆れたように手をひらひらさせて苦笑する舞さん

「素でてますよ。舞さん、じゃ帰りますね」

「わかった。引きとめておく理由も無いしね。でも後で亜美からも話は聞かせてもらうわよ。いいわね?亜美?」

嫌そうな顔するなよわからなくはないけども...

「そうね、とりあえず玄関まで送るわ」

「ありがとうございます」

部屋から出て玄関に着いた。それまでほとんど会話は無かった。

「それではお邪魔しました。じゃあな亜美」

「また遊びに来ていいのよ?」

「では、日曜日に遊びに来ますよ」

「そう、じゃあね」

「はい、ではまた」

そうして俺は倉崎家から出た。帰りももちろん執事さんが案内してくれた。門までついて執事さんにお礼をいって俺は家に向かって歩き始めた。歩いて3分くらいたったところでスマホが鳴った。

健か...あっちも終わったのか、電話にでるか

「健か?どうした?」

「わかってると思うけどね、んとね9時にあの公園これる?」

「ああ、いけるぜ。」

「じゃぁ9時に」

そう言って電話はきれた

んじゃ向うかね...

8時56分少しコンビニに寄って行ったから少し遅れ気味に公園についた

健はっと......あそこかな

「きたぞ、健」

夜で街灯がほとんどないところに健はいた

「それで?話ってのは?」

「ああ、海音か、実はな俺、、優と別れたいとおもうんだ。」

いきなりそんな話かそれを俺に話してどうするんだって話だよ

「いきなりだな、束縛でも激しくなってきたのか?」

「まぁ、今日みたいなことが起っちゃうとどうしてもね。信じることがね...」

「たしかにな、でもお前それに関して知っていたろ?あいつらがそういう人たちだって」

何とも言えない顔をして言葉を濁らせている。なんかあったなこりゃ

「それか、お前に新しく好きな人が出来たとかか?」

ふざけたようにそう言うと

「いや、そういうことじゃない。だからといって嫌いになったわけではないんだ。ただいったん距離を離したくなった。でも中学の間にもう一回告白しようとも考えてはいるんだよね」

「余計意味がわからないんだが、」

そう言うとニコッと笑い、声を出そうとした時、俺の脳裏に昨日みた夢にそっくりだと思ってしまった

「どうした?海音なんかあったか?」

そう、そうだよ夢に決まってるって。なにを勘違いしてんだ俺は

「いや、なんでもない」

「んでどうしたらいいかな?」

「...しらねーよ、生憎こっちは別れ話すらでないから」

つーか友人にする話でもない気がするけどな、正直、別れ話の相談役になるとも思っていなかった。

「そうだよな、お前らラブラブだもんな...だからクラスの奴から嫌われている要因でもあるんだけどな」

まじかよ、そんなことで俺は嫌われているのか...ショックだ

「だけど、お前に話せてよかったと思う。これで決意も固まったよ」

落ち込んだような困ったような顔から少し決意の色が見えた気がした。

「そうか、んじゃお前飯おごれよ、安いのでいいから」

「なんで俺が...」

「こんな時間に呼び出して俺がまだ飯を食べていないからだ」

「そのコンビニの袋はなんだよ...」

「これは飲み物だ、食いものじゃないからな」

そう言うと健は笑い始めた、変なこと言ったかな

「くくくくく、わかったよ奢ってやるよ。今日の分のお礼だ」

まったく面白そうに笑いやがって...なんか久しぶりにこいつの笑い顔を見たきがした。後言っておかなきゃ

「おい、気付いていると思うけどお前、素が出てるぞ」

「わかっているよ、知ってるんだろ?俺が素を出すのお前だけって」

「なんとなくは気が付いていたけどな、俺以外の奴に俺って使わないからな」

こういうときだけこいつの親友でよかったと思う、素の時、性格がいつもと違うからな

「ということは優にも俺って使わないんだよな、今日はあれだったけど」

今日のことを思い出しながらそう言う

「今日のことはちょっと驚いたけどあの言い方じゃ何回も俺らの会話を聞いていることになるしな」

悔しそうにでも少し嬉しそうに言っていた。

「さて、何食べに行く?」

「ラーメンでいいんじゃないか?」

たいていこういう流れになるとラーメンがでてくる

「わかった、じゃ行こう」

そうして公園を後にした時刻は9時20分を過ぎていた



その後ラーメンを食べ帰路についた。そして家に着いたのは10時を過ぎていた

「ただいま」

「おかえり、おにい」

「おかえりなさい」

家では親父を除いた母親と妹が出迎えてくれた。親父はまだ仕事かもしれない

「風呂入って寝るわ」

「わかったよ。あ、そうだ、あんた日曜日になんか用事あるかい?」

「ん?あるけど」

「そうかい、わかった」

急にどうしたんだ?まぁいいけど今日はいろんなことがありすぎて疲れた早く寝よ

0時25分おれは寝た。そしてまた同じ夢を見た今度はもっと鮮明に...

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