異彩の瞳と銃創造者

創伽夢勾

月日の流れ

 レンは時々家に帰りつつも、ほとんどの暮らしは師匠であるユニの家で、過ごすようになっていた。
 家に帰っているときはレレーナとは剣を交えたり、買い物したり。ニーナとは主にお勉強やお話をしていた。
 あれから日もたち、ユニの修行は日に日に厳しさを増していった。

「こらっ、レン! 眼を使うなといった意味を理解してる?」

 師匠の声と共にエアリアは鎌をブンブンと振り回しながらレンへと迫っていく。
 俺は師匠から主に戦闘技術、武器の設計、魔法技術だ。俺的には武器設計を重点的にやりたかったのだが、戦闘がメインとなっていた。
 戦闘訓練がメインとなる中で対戦相手は必要だ。だが、俺と師匠では話にもならないので、対戦相手はだいたいエアリアだ。たまにルドラが参加してくる程度である。

「ほらほら、よそ見してちゃだめだよ、レン君。負けちゃうよ?」
「ちっ、絶対負かしてやる」

 あの後、ルドラとエアリアも俺のことをレンと呼ぶようになった。エアリアは君付けで、ルドラは呼び捨てで。
 エアリアは勝負事があるとすぐに俺にかけを申し込んでくる。勝ったら言うこと聞いてだの。私が負けたら言うこと聞いてあげるだの。そんな感じの賭け事だ。ただし相手の嫌がることはしないという条件付きで。
 ちなみにこのかけを始めて、俺はエアリアに一度も勝ったことがない。エアリアに勝ったのは眼を使った、あの模擬戦だけだ。
 ちなみに、エアリアが俺にお願いしてくることは主に二つ。料理を教えてor匂いを嗅がせてという物だ。料理は分かるが、なぜ匂いなのか。本人に聞いたところ、いい匂いで、どこか懐かしいんだそうで、俺としても可愛い女の子が寄ってくることが嬉しくないわけがないので、了承している。

「はい今日も私の勝ち」

 エアリアの鎌が、レンの首元に突き付けられていた。
 今日も負けた。でもいつか絶対に勝つ。そして俺はあのケモミミとしっぽをもふると誓おう。

 ルドラは俺たちがこうして模擬戦をしている間、師匠と錬金術や武器づくり、薬の勉強などをしている。
 戦闘面では、後衛型で支援をメインとした戦い方がしたいらしい。ただ、うちの師匠がそんなことを許すわけがなく、近接の戦闘もやらされていたりする。
 三人共通しての修行内容は魔力制御ぐらいだろう。
 辛い修行を三人で、楽しみながら、でもまじめに取り組み、気づけば月日は流れていた。


❖  ❖  ❖


 あれから三年という月日が流れた。
 二年前にレレーナが王都の学園に通うため、家を出た。何か行事ごとがあったり、長期休みになると帰ってくるが、いろいろと楽しそうで、忙しそうだ。
 そして一年前にはニーナが適性の儀を受けた。俺の時みたいな問題は起きず、普通に終わった。

『ニーナ・レイ・フォールン

 魔法適性:
 火:×水:×風:×土:×
 闇:〇光:〇氷:×雷:×
 無:念動魔法
   付与魔法

 才能適正

 魔法の才能
 魔導書の才能
 指揮の才能
 計算の才能
 料理の才能
 観察の才能
 束縛の才能』

 属性が二属性しかなかったものの、無属性魔法は二つ、片方は俺も持つ付与魔法。もう片方は念動魔法。
 念動魔法は物を浮かせ、自由の動かすことが出来る魔法だ。操る数・重さは使用する魔力に依存し、多くの数を操る場合はそれなりの頭脳が必要だ。そして何より、数を操るのも、大きいものを持つのにも、魔力がいる。扱いは単純かもしれないが、才能がいる。そんな魔法だ。
 才能では武器種の才能はなかったが、魔導書の才能があった。魔導書とは、魔法を発動するのを補助したり、消費魔力を削減したり、属性特化できる道具だ。杖も補助武器ではあるが、リーチのある鈍器として使えたりするため、魔導書とはまた違う。魔導書は杖よりもまりうょく効率がいい点で優秀だったりする。
 そして何より問題は最後の二つだ。
 観察の才能。これは姉であるレレーナも所持していた才能だ。二人が家にいるとき、よく視線を感じていたのは気のせいだと思いたい。
 そして、束縛の才能。俺的にはこれが怖い。
 束縛は相手を拘束し、身動きを取れない状況にするという物だ。そんな才能を持っているニーナ。適性の書かれている紙を見たときは、親である、アルムとシウナも思わず苦笑いしていた。
 一回、部屋で勉強していた時に、鍵を閉められた時の恐怖を、俺はまだ忘れていない。

 三年という月日で、俺とルドラとエアリアは十歳を迎えた。
 十歳という年はレンにとっての一つの運命の分かれ道だ。
 これまで、きつい修行に耐え、この三年間を過ごしてきた。
 ここで、レンが生き残って帰ってきた場合の、眼の能力が気になるという師匠の申し出により、俺の学園への入学は更に三年後、アルマでの試験になった。
 ルドラは俺とは違い、今年からの入学になる。
 そして、ルドラは自分の入学に伴い、俺に一つプレゼントをくれた。
 それは一本の片手用直剣だった。黒く細い刀身、だがその件は頑丈にできていた。
 今回の作ったものは師匠の技術をかりて、二人で作ったものだという。今では俺の腰の後ろで、シウナの作ったベルトに刺さっている。

 命名は師匠で、この剣の名はリベリオン。

 どうしてこの名をつけたのか、問いただしてみたくなったが、それはあえてしなかった。
 ルドラは剣を俺に渡したのち、王都へと向かった。ちなみにエアリアは俺と一緒にアルマから通うそうだ。


 レンはある場所へ向け歩いていた。

 「まぁ、緊張せずに行こうか」

 腰にルドラの剣、手には例の本を持ち、森の中へ進んでいった。



「異彩の瞳と銃創造者」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く