異彩の瞳と銃創造者
料理
目を覚まし、目を開けると視界には見慣れぬ天井が移った。それだけで今ここがどこだか判断することはできない。ただし、それでもわかることは、ここが自分の部屋ではないことだけだ。
そのまま、何があったのか、意識を失う前のことを思い出す。
「あぁ、あの後俺は倒れたのか……」
ようやく、思い出し、まだ意識がはっきりしていない中とりあえず起き上がろうとしたその時、体が動かしにくいことに気が付く。
右腕が上がらない。だが手首は動かせる。そしてそれを確認しようと、手を動かした。
ふにふに
レンの右手に柔らかい感触が伝わる。不思議なその感覚に飲まれ、レンはそのやわらかいものを触っていると、寝ているレンの右側から、小さな声が聞こえた。よく耳を澄ませると、人の寝息が聞こえてくる。
そこでようやく意識が覚醒し、しっかりと目を開け、首を右に傾けるとそこには、レンの腕に抱きつくような形でルドラが寝ていた。
そして、腕が動かせないこと、手だけが動き、触れるこの柔らかい感触。レンは気づいてしまった。この感触はルドラのお腹だと。しかもルドラの着ている服がめくれているせいか、手に伝わる感触は生だ。
「七歳の女の子はこんなにも柔らかいのか」
だが、そこでレンは首を振り、邪念を払う。精神年齢二十七歳が七歳の女の子の体に欲情してどうする!
そのまま首を振っていた時にレンは、さらなる違和感に気付いた。左側にも何かいると。
振っていた首を止め、ゆっくりと首を左に向けると、レンの視界にピンク色の髪の毛が映る。そしてそれだけで、今隣で寝ているのが誰だかわかってしまう。
エアリアはレンの左手を太ももで挟んでいた。腕はルドラと同じよう抱きつくような形で。ただし、ルドラより大きい胸が、レンの左腕にしっかりと当っていた。しかし、右手と違い、左手には柔らかい感触が伝わってこない。左手を動かしても、その感覚が伝わってこない。
「はぅ」
左の耳に、エアリアの声が聞こえる。この感じからして左手は動いている。
そこで、レンは思い出した。模擬戦で、エアリアの鎌を左手で受け止めたことを。重力魔法で軽くしていたとしても、衝撃はかなりのものだった。これは左手が痺れている可能性が高そうだ。
この時、レンの頭の中には拭いきれなかった邪念が暴れまわっていた。
時間がわからない現状。二人を無理やり起こすのも、迷惑だし、何よりそれをする気力も度胸もなかった。
決して右手と左腕の柔らかい感触を味わいたいなんて思ってないんだから!
そんなレンの気持ちをよそに、ニコニコしている人物がいた。その人物とはもちろん、ユニ・マター・ニエンテだ。
なぜニコニコしているか、それはレンの可能性・危険性。それと知識に興味が湧き、本気で修行しようとしているからである。
「それに、思考加速の魔眼があるからって、あの適応力と判断力はどうも子供に見えない。いい、すごくいい。鍛えがいが、ありそう」
ユニは椅子に座りながら、レンを見ていた。レンが女の子二人に挟まれている様子を。
「で、いつまでレーヴェンはそこでそうやっているつもり?」
ギクッ
レンは、そこにユニがいることすら知らなかった。ドアが開いた音はしなかった。でもユニの声は、部屋の中から聞こえ、当の本人は目の前の椅子に座っているのだ。これは……
「ユニさん? 一体いつからそこに?」
「ずっと、レーヴェンが起きてから、ニヤニヤし始めるまで全部見てた。それと、これから私のことは師匠と呼ぶこと。いい?」
レンはユニの言葉にダメージを受けてから、自分のことをレンと呼ぶことを条件にそれを了承した。
レンは、どうにかこうにか二人の間を抜け、顔を洗い、リビングと呼べる場所へ訪れた。
そしてレンが見たのは、女三人が、調理器具を持つだけ持って、作業が全く進んでいない光景だった。
「何やってるの?」
「ここにいる誰も料理が出来ない。道具とかはあるけど」
ユニは包丁を右手に、首傾げ、わからないと言ったポーズを取っていた。そのまま、横の二人に目を向けるが、その二人も俺と目を合わせると、勢い良く首を振った。
「師匠とか今まで、ここでどうやってご飯食べてたの」
「買ってきてた。転移魔法で」
「怠けるなよ……」
レンはそう言いながら、ユニの家にある料理に使えそうな材料を探す。やはり、というか、料理のできない師匠の家に材料などあるわけもなく、弟子が師匠をパシルという、謎な状況が起こりつつ、何とか材料をそろえた。
幸いと言っていいのか、一人暮らしをしていたレンは、料理の経験が少しはある。
材料をそろえ、料理のできないルドラたちから調理器具を奪い、少しの経験と才能を頼って、出来るだけ簡単な料理を作っていく。日本にはない素材もたまにあるが、以外に日本であるようなものもある。名前は違ったりするけど。
「え? レン料理できたの?」
「流石、私の弟子」
ルドラが驚き、なぜかユニが誇らしげだ。レンはそれを無視しながら、作業を進めていく。すると、いつの間にか横にエアリアが来ていた。
「何作ってるの?」
クンクンと、しながら料理しているのを見ていた。どうやら、料理に興味があるみたいだ。でも師匠があれだから教わろうにも、出来なかった。とかそんなところだろう。
「今作っているのは、オムライスだよ」
オムライスは、日本で生まれた米飯料理の一つ。ケチャップで味付けしたチキンライスを、卵で包むだけの簡単な料理だ。
料理経験が少ない俺でも、これぐらいなら手軽に作れる。この世界で、料理なんてしていなかったが、これからは少しぐらい勉強してみようかな?
「というわけで、昼食はオムライスです」
テーブルの上にはレンの分を含み、四枚の皿の上にオムライスが乗っていた。三人は、レンとオムライスを見比べ、匂いにやられたのか、レンに早く食べたいと目で訴えてくる。
「まぁ、味は保証しませんがとりあえず食べましょうか」
レンはれを合わせ、”いただきます”と言ってから、スプーンを手に取った。
「レン。それはなんだ?」
師匠は、レンの行動が疑問になったようだ。ただ、それとは別に、ユニがレンと呼んだことにルドラとエアリアが反応していた。ただそれに気づいたのは、ユニだけだったが。
「これは簡単に言うと、ご飯を食べる前にする動作です。感謝を込めるイメージです」
「なるほど」
そう言うと、三人は手を合わせ、声をそろえて。
「「「いただきます」」」
それを合図に、三人はスプーンを持ち、レンのオムライスを食べ始めた。レンはそれを見てから、自分の分のオムライスに手を付けた。
結論から言うと、とても好評だった。師匠からお代わりをねだられるぐらいに。
それからレンは、ここでの料理担当と位置づけになった。
「しようがないかな。まぁ、やるって決めたならちゃんとやってみますかね」
そう言いながら、レンは何気に乗り気で、料理をすることに決めた。
そのまま、何があったのか、意識を失う前のことを思い出す。
「あぁ、あの後俺は倒れたのか……」
ようやく、思い出し、まだ意識がはっきりしていない中とりあえず起き上がろうとしたその時、体が動かしにくいことに気が付く。
右腕が上がらない。だが手首は動かせる。そしてそれを確認しようと、手を動かした。
ふにふに
レンの右手に柔らかい感触が伝わる。不思議なその感覚に飲まれ、レンはそのやわらかいものを触っていると、寝ているレンの右側から、小さな声が聞こえた。よく耳を澄ませると、人の寝息が聞こえてくる。
そこでようやく意識が覚醒し、しっかりと目を開け、首を右に傾けるとそこには、レンの腕に抱きつくような形でルドラが寝ていた。
そして、腕が動かせないこと、手だけが動き、触れるこの柔らかい感触。レンは気づいてしまった。この感触はルドラのお腹だと。しかもルドラの着ている服がめくれているせいか、手に伝わる感触は生だ。
「七歳の女の子はこんなにも柔らかいのか」
だが、そこでレンは首を振り、邪念を払う。精神年齢二十七歳が七歳の女の子の体に欲情してどうする!
そのまま首を振っていた時にレンは、さらなる違和感に気付いた。左側にも何かいると。
振っていた首を止め、ゆっくりと首を左に向けると、レンの視界にピンク色の髪の毛が映る。そしてそれだけで、今隣で寝ているのが誰だかわかってしまう。
エアリアはレンの左手を太ももで挟んでいた。腕はルドラと同じよう抱きつくような形で。ただし、ルドラより大きい胸が、レンの左腕にしっかりと当っていた。しかし、右手と違い、左手には柔らかい感触が伝わってこない。左手を動かしても、その感覚が伝わってこない。
「はぅ」
左の耳に、エアリアの声が聞こえる。この感じからして左手は動いている。
そこで、レンは思い出した。模擬戦で、エアリアの鎌を左手で受け止めたことを。重力魔法で軽くしていたとしても、衝撃はかなりのものだった。これは左手が痺れている可能性が高そうだ。
この時、レンの頭の中には拭いきれなかった邪念が暴れまわっていた。
時間がわからない現状。二人を無理やり起こすのも、迷惑だし、何よりそれをする気力も度胸もなかった。
決して右手と左腕の柔らかい感触を味わいたいなんて思ってないんだから!
そんなレンの気持ちをよそに、ニコニコしている人物がいた。その人物とはもちろん、ユニ・マター・ニエンテだ。
なぜニコニコしているか、それはレンの可能性・危険性。それと知識に興味が湧き、本気で修行しようとしているからである。
「それに、思考加速の魔眼があるからって、あの適応力と判断力はどうも子供に見えない。いい、すごくいい。鍛えがいが、ありそう」
ユニは椅子に座りながら、レンを見ていた。レンが女の子二人に挟まれている様子を。
「で、いつまでレーヴェンはそこでそうやっているつもり?」
ギクッ
レンは、そこにユニがいることすら知らなかった。ドアが開いた音はしなかった。でもユニの声は、部屋の中から聞こえ、当の本人は目の前の椅子に座っているのだ。これは……
「ユニさん? 一体いつからそこに?」
「ずっと、レーヴェンが起きてから、ニヤニヤし始めるまで全部見てた。それと、これから私のことは師匠と呼ぶこと。いい?」
レンはユニの言葉にダメージを受けてから、自分のことをレンと呼ぶことを条件にそれを了承した。
レンは、どうにかこうにか二人の間を抜け、顔を洗い、リビングと呼べる場所へ訪れた。
そしてレンが見たのは、女三人が、調理器具を持つだけ持って、作業が全く進んでいない光景だった。
「何やってるの?」
「ここにいる誰も料理が出来ない。道具とかはあるけど」
ユニは包丁を右手に、首傾げ、わからないと言ったポーズを取っていた。そのまま、横の二人に目を向けるが、その二人も俺と目を合わせると、勢い良く首を振った。
「師匠とか今まで、ここでどうやってご飯食べてたの」
「買ってきてた。転移魔法で」
「怠けるなよ……」
レンはそう言いながら、ユニの家にある料理に使えそうな材料を探す。やはり、というか、料理のできない師匠の家に材料などあるわけもなく、弟子が師匠をパシルという、謎な状況が起こりつつ、何とか材料をそろえた。
幸いと言っていいのか、一人暮らしをしていたレンは、料理の経験が少しはある。
材料をそろえ、料理のできないルドラたちから調理器具を奪い、少しの経験と才能を頼って、出来るだけ簡単な料理を作っていく。日本にはない素材もたまにあるが、以外に日本であるようなものもある。名前は違ったりするけど。
「え? レン料理できたの?」
「流石、私の弟子」
ルドラが驚き、なぜかユニが誇らしげだ。レンはそれを無視しながら、作業を進めていく。すると、いつの間にか横にエアリアが来ていた。
「何作ってるの?」
クンクンと、しながら料理しているのを見ていた。どうやら、料理に興味があるみたいだ。でも師匠があれだから教わろうにも、出来なかった。とかそんなところだろう。
「今作っているのは、オムライスだよ」
オムライスは、日本で生まれた米飯料理の一つ。ケチャップで味付けしたチキンライスを、卵で包むだけの簡単な料理だ。
料理経験が少ない俺でも、これぐらいなら手軽に作れる。この世界で、料理なんてしていなかったが、これからは少しぐらい勉強してみようかな?
「というわけで、昼食はオムライスです」
テーブルの上にはレンの分を含み、四枚の皿の上にオムライスが乗っていた。三人は、レンとオムライスを見比べ、匂いにやられたのか、レンに早く食べたいと目で訴えてくる。
「まぁ、味は保証しませんがとりあえず食べましょうか」
レンはれを合わせ、”いただきます”と言ってから、スプーンを手に取った。
「レン。それはなんだ?」
師匠は、レンの行動が疑問になったようだ。ただ、それとは別に、ユニがレンと呼んだことにルドラとエアリアが反応していた。ただそれに気づいたのは、ユニだけだったが。
「これは簡単に言うと、ご飯を食べる前にする動作です。感謝を込めるイメージです」
「なるほど」
そう言うと、三人は手を合わせ、声をそろえて。
「「「いただきます」」」
それを合図に、三人はスプーンを持ち、レンのオムライスを食べ始めた。レンはそれを見てから、自分の分のオムライスに手を付けた。
結論から言うと、とても好評だった。師匠からお代わりをねだられるぐらいに。
それからレンは、ここでの料理担当と位置づけになった。
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