異彩の瞳と銃創造者
レーヴェンVSエアリア
レンは庭の中心に立っている。対するのはピンク髪を風になびかせ、人にはない狐耳と尻尾を揺らしている少女。エアリア。
エアリアは手に身の丈より大きい鎌を持っている。明らかにエアリアは体全体に魔力を帯びており、鎌をブンブンと振り回す。
「準備はいいか?」
家の近くから、ユニの声が聞こえる。
レンは手を挙げ、準備完了の合図を送る。対面している彼女も時を同じくして、腕を上げる。
遠くで、声が聞こえにくいはずのユニの声がこっちまではっきし聞こえるのは、何らかの魔法で、こちらまで飛ばしていると思われる。考えられる属性は風魔法。頭に直接聞こえているわけでもないので、無属性魔法などは考えにくい。
「それでは、レーヴェンvsエアリアの模擬試合を行う。始め!」
ユニの開始の合図を聞いて始めに動いたのはエアリアだ。一気にレンへと距離を詰め、鎌を横へと大きく振る。
レンはそれに対し、物質想像魔法で剣を生成。左手に持った剣で、鎌を受ける。ただ、両手で鎌を振るっているエアリアに対し、レンは左手でしか剣を持っていない。お互い魔力で体を強化しているため、必然的にレンが押し負け、後方へと吹き飛ばされる。
レンは押し負ける事を覚悟で、左手一本で防御した。そのうちに右手でしていた事は、もちろん。コルトパイソンの生成だ。
こうなることがわかっていたレンは、すぐに空中で態勢を立て直し、左手の剣を離して、コルトパイソンの引き金を二回連続で引き絞る。
銃弾はまっすぐ、エアリアの元へ向かう。エアリアは突然の出来事に驚きはしたものの、鎌でどうにか銃弾を防ぐ。
その間にレンは地面に無事着地、開いた左手で、ルーンの文字を書く。書いた文字はエワズ。自分自身の速度を弄る魔法だ。
そのまま、速度を上げレンはエアリアに迫る。
その時、レンの足は不安定な地面により、速度が落ちる。レンが感じたのは地面の揺れ。つまり地震だ。
その地震の原因。もとい震源地はレンの目の前、エアリアの足元だ。
地面を揺らすだけなら、土魔法でも出来る。でもこの範囲で、きっと、師匠やルドラたちのところまで届いていると考えると、少し難しい。別の魔法と考えたほうがよさそうだ。
「レーヴェン、強いね君。私も結構頑張って修行してきたんだけどなぁ。これじゃあ手加減してる方が失礼だよね」
エアリアの雰囲気が一気に変わる。さっきまでの穏やかそうなイメージとは真逆。冷たい瞳でレンを見据える。
次の瞬間さっきまでより明らかに早くレンへと距離を詰める。
レンは短縮呪文を紡ぎ、目の前に分厚い盾を出現させる。エアリアはそれを見て、盾を超えるように飛び上がる。そして、盾を飛び越えた先に待っていたのは、コルトパイソンを構えたレンだった。
「なんで!?」
待ち構えていたレンに驚きながらも飛んでくる銃弾を避ける。だが、避けた先の着地地点にはレンが物質創造魔法により作り出した爆弾。いわゆる手榴弾が転がっていた。
「えっなに!?」
エアリアが言葉を言い切る前に手榴弾は爆発。もちろん魔力を覆っているエアリアに底までのダメージは見込めない。
「あはは。レーヴェンはおもちゃのビックリ箱みたいだね。つい、力使っちゃった」
爆発で土煙が上がり、見えなかったエアリアの姿が見えるようになっていた。その姿は形こそ前のエアリアのままだが、圧倒的に違うものが。それは銀色の長い髪だった。そしてその周りには紫色のオーラと呼べそうなそれがあった。
「おい。リア!」
「お母さん。ごめん私このままやりたい。胸の高まりが、このどうしようもない感情が止まらないんだ。ねぇ、レーヴェン受け止めてね」
そう言うと、エアリアは、体勢を地面すれすれまで、下げる。そのまま、まるで砲弾の様に、こちらへと向かってくる。その速度は、普通の人の目は捉えられず、ルドラではきっと、エアリアの姿すら捉えられないだろう。レンでも、姿がぶれて見えるぐらいだ。
ただ、そこでレンの瞳に再び痛みが走った両眼に同時に。
瞬きした次の瞬間。レンの視界内は時がゆっくりと進む。そして、感覚的にどこに何を当てれば軌道がそれ、どこに行くかが分かる。
レンは頭の中でシュミレーションを組み立て、それを実行した。
『クリエイト』『エンチャント』『ライトフィール』
そして、次の瞬間銃声と何か金属同士がぶつかる音。それと、地面に倒されるエアリアの姿があった。左手でエアリアの鎌、右手でエアリアの首元を掴み、地面に柔道の様に倒した形だ。
レンがしたことはこうだ。コルトパイソンを生成し、銃弾に触れた物を軽くする重力魔法を付与、鎌に当てて、軌道をずらし、右手の銃を空中へ置くように捨てた。そして鎌を左手で掴み、体勢を崩したエアリアごと地面にたたき伏せた。高速で向かうエアリアが衝撃を受け、体勢を崩すのは仕方のないことだ。それでも、レンのしたことはこの年の子供が出来るような技術ではなかった。いくら瞳の恩恵を受けていても……。
「こりゃ、驚いた。あの状態のリアに勝っちゃうなんて……」
「やったぞ。これで、俺も……」
瞳の色は元に戻り、レンは目の痛みと魔力を使った疲労から、そのまま地面に倒れる。勝ったはずのレンも倒れ、地面にレンとエアリアが意識を失い倒れている。
ルドラはすぐにレンのもとに向かい、ユニもエアリアの元へ向かう。
「これは相手が悪かったね。あの子の方が努力してきた証拠だね。まぁリアも良くやってるよ」
ユニはエアリアの頭を撫でながら、意識のない二人に勝利者の名を、レーヴェンの名を告げた。
エアリアは手に身の丈より大きい鎌を持っている。明らかにエアリアは体全体に魔力を帯びており、鎌をブンブンと振り回す。
「準備はいいか?」
家の近くから、ユニの声が聞こえる。
レンは手を挙げ、準備完了の合図を送る。対面している彼女も時を同じくして、腕を上げる。
遠くで、声が聞こえにくいはずのユニの声がこっちまではっきし聞こえるのは、何らかの魔法で、こちらまで飛ばしていると思われる。考えられる属性は風魔法。頭に直接聞こえているわけでもないので、無属性魔法などは考えにくい。
「それでは、レーヴェンvsエアリアの模擬試合を行う。始め!」
ユニの開始の合図を聞いて始めに動いたのはエアリアだ。一気にレンへと距離を詰め、鎌を横へと大きく振る。
レンはそれに対し、物質想像魔法で剣を生成。左手に持った剣で、鎌を受ける。ただ、両手で鎌を振るっているエアリアに対し、レンは左手でしか剣を持っていない。お互い魔力で体を強化しているため、必然的にレンが押し負け、後方へと吹き飛ばされる。
レンは押し負ける事を覚悟で、左手一本で防御した。そのうちに右手でしていた事は、もちろん。コルトパイソンの生成だ。
こうなることがわかっていたレンは、すぐに空中で態勢を立て直し、左手の剣を離して、コルトパイソンの引き金を二回連続で引き絞る。
銃弾はまっすぐ、エアリアの元へ向かう。エアリアは突然の出来事に驚きはしたものの、鎌でどうにか銃弾を防ぐ。
その間にレンは地面に無事着地、開いた左手で、ルーンの文字を書く。書いた文字はエワズ。自分自身の速度を弄る魔法だ。
そのまま、速度を上げレンはエアリアに迫る。
その時、レンの足は不安定な地面により、速度が落ちる。レンが感じたのは地面の揺れ。つまり地震だ。
その地震の原因。もとい震源地はレンの目の前、エアリアの足元だ。
地面を揺らすだけなら、土魔法でも出来る。でもこの範囲で、きっと、師匠やルドラたちのところまで届いていると考えると、少し難しい。別の魔法と考えたほうがよさそうだ。
「レーヴェン、強いね君。私も結構頑張って修行してきたんだけどなぁ。これじゃあ手加減してる方が失礼だよね」
エアリアの雰囲気が一気に変わる。さっきまでの穏やかそうなイメージとは真逆。冷たい瞳でレンを見据える。
次の瞬間さっきまでより明らかに早くレンへと距離を詰める。
レンは短縮呪文を紡ぎ、目の前に分厚い盾を出現させる。エアリアはそれを見て、盾を超えるように飛び上がる。そして、盾を飛び越えた先に待っていたのは、コルトパイソンを構えたレンだった。
「なんで!?」
待ち構えていたレンに驚きながらも飛んでくる銃弾を避ける。だが、避けた先の着地地点にはレンが物質創造魔法により作り出した爆弾。いわゆる手榴弾が転がっていた。
「えっなに!?」
エアリアが言葉を言い切る前に手榴弾は爆発。もちろん魔力を覆っているエアリアに底までのダメージは見込めない。
「あはは。レーヴェンはおもちゃのビックリ箱みたいだね。つい、力使っちゃった」
爆発で土煙が上がり、見えなかったエアリアの姿が見えるようになっていた。その姿は形こそ前のエアリアのままだが、圧倒的に違うものが。それは銀色の長い髪だった。そしてその周りには紫色のオーラと呼べそうなそれがあった。
「おい。リア!」
「お母さん。ごめん私このままやりたい。胸の高まりが、このどうしようもない感情が止まらないんだ。ねぇ、レーヴェン受け止めてね」
そう言うと、エアリアは、体勢を地面すれすれまで、下げる。そのまま、まるで砲弾の様に、こちらへと向かってくる。その速度は、普通の人の目は捉えられず、ルドラではきっと、エアリアの姿すら捉えられないだろう。レンでも、姿がぶれて見えるぐらいだ。
ただ、そこでレンの瞳に再び痛みが走った両眼に同時に。
瞬きした次の瞬間。レンの視界内は時がゆっくりと進む。そして、感覚的にどこに何を当てれば軌道がそれ、どこに行くかが分かる。
レンは頭の中でシュミレーションを組み立て、それを実行した。
『クリエイト』『エンチャント』『ライトフィール』
そして、次の瞬間銃声と何か金属同士がぶつかる音。それと、地面に倒されるエアリアの姿があった。左手でエアリアの鎌、右手でエアリアの首元を掴み、地面に柔道の様に倒した形だ。
レンがしたことはこうだ。コルトパイソンを生成し、銃弾に触れた物を軽くする重力魔法を付与、鎌に当てて、軌道をずらし、右手の銃を空中へ置くように捨てた。そして鎌を左手で掴み、体勢を崩したエアリアごと地面にたたき伏せた。高速で向かうエアリアが衝撃を受け、体勢を崩すのは仕方のないことだ。それでも、レンのしたことはこの年の子供が出来るような技術ではなかった。いくら瞳の恩恵を受けていても……。
「こりゃ、驚いた。あの状態のリアに勝っちゃうなんて……」
「やったぞ。これで、俺も……」
瞳の色は元に戻り、レンは目の痛みと魔力を使った疲労から、そのまま地面に倒れる。勝ったはずのレンも倒れ、地面にレンとエアリアが意識を失い倒れている。
ルドラはすぐにレンのもとに向かい、ユニもエアリアの元へ向かう。
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