異彩の瞳と銃創造者
黄昏の魔女
「そこの坊やは大丈夫そう?」
ルドラに話しかけるのはレンが倒れるところを受け止めてくれた魔女(仮)さん。旅的なものをしているらしい。ここにはたまたま通りがかったらしい。
「まさか、この森に魔獣が出るなんて、結界が弱まってきたのかな?」
「結界?」
「そうよ。魔獣が、魔に取りつかれた者が、この森に入れないようにする結界。
ここは領主、つまりレンの父親であるアルムが管理している森だ。管理されていてここ数年。この森で魔獣は確認されていない。今回起こったことが異常なのである。
「でもそんな結界誰が……」
「私だけど」
「……え?」
この森が管理され魔獣が出現しなくなってからもう二十年以上は経過している。つまり、その時には、この森全体を覆うほどの結界が張れるほどの人物だったということだ。
「女の歳を数えるのは野暮ってもんだよ」
「すみません」
「おっと、そろそろ坊やが目覚めるみたいね」
魔女の言葉を聞き、ルドラは顔を下に向けた。そこにはレンの顔があった。状況的に言うと、膝枕って状態だ。ルドラは破れた服の上から、レンの上着を着ていた。
魔獣を撃ってから後の記憶がない。俺は気絶していたのか、なんだこの頭に感じる柔らかい感触は。
レンは謎の感触に不思議さを覚えながら、右手を前へと伸ばした。
「ひゃん」
ひゃん? 一体なんだ。それに柔らかい。
レンはその、掌に感じた感触を少し楽しみ、そして目を開けた。目の前には顔を真っ赤にしたルドラの顔があった。そして、ルドラが顔を真っ赤にしている理由は簡単だった。レンが伸ばした手の位置、そこに問題があった。その位置は丁度ルドラの胸の位置、しっかりとそれを揉んでいた。
「わ、悪い」
レンは胸からすぐに手を放し、すぐに起き上がる。すると横から聞いたことのない声の笑い声が聞こえる。
「やるね。坊や。無意識とはいえ、胸を揉むとは、ふふっ」
それを聞いて、さらに顔を赤くするルドラ。よっぽど恥ずかしかったのか、自分を両腕で抱きしめ、レンから距離を取っていた。
「ホントに悪かった。悪気はなかったんだ」
「それぐらいわかってるよ、もう」
「で、この人は?」
レンはさっきから気になっていた、この魔女の格好をしている女性だ。オッドアイで、そして、その腰にある武器は見間違いようがない。レンの世界、日本でよく使われていた刀だった。
「じゃあ、とりあえず自己紹介しようかな。私の名前はユニ。ユニ・マター・ニエンテ、よろしく」
その名前を聞いた瞬間。ルドラが固まった。レンには状況が理解できていなかった。
「まさか、貴方はあの……」
「こんな子供でもやっぱり私のこと知ってるのね。そこの坊やは分かってないみたいだけど」
首を傾げるレンのもとに、ルドラが寄ってくる。そして、耳元でささやいた。
「レーヴェンは聞いたことない? 黄昏の魔女を」
聞いたことはある。王都のスフィア学園を首席で卒業。偉大な才能を持ち、だが彼女の適性を見た者はいない。そんな彼女は王都の宮廷魔導士にはならず、自分の魔法の研究のため、各地を回っている。
だがこれは結構前の話だ。二十年は遡るはずだ。
「まぁ、私の話なんてどうでもいいんだよ。坊や。私は君に質問がしたい」
「ど、どうぞ」
「坊やは、その瞳をどうやって手に入れた?」
瞳? 何のことだ。
レンにはわかっていない。その瞳の正体も危険性も。ただ、レンの後ろで、レン以上にルドラが反応していたのは、ユニにしか見えていなかっただろう。
あたりを見渡すと、もう日も暮れかけており、夜が近い。
「あぁ、これは、まためんどくさいことしてくれたな、あのバカは」
ユニはレンの質問の答えを聞かずに、地面に落ちていた分厚めの本を一冊拾った。それはレンが二回目の適性の儀で、謎のシスターから貰った本だった。
「それは」
「これは私の方で預からせてもらうよ。私からあいつに返すから」
どうやら、ユニとあの謎のシスターは知り合いらしい。やることはやったし、もうあれは俺には必要ない。
すると、ユニは本を異次元の穴? とも呼べそうな場所へと仕舞った。それは間違いなく、無属性魔法である、空間魔法だった。
「そう言えばこっちは名乗ってなかったな。いい加減、坊やって呼ばれるのも癪だしな。名前はレーヴェン。レーヴェン・レイ・フォールン。よろしく。ユニさん?」
「フォールン? ってことはここの領主のところの子か」
どうやら、ユニは父親であるアルムと知り合いらしい。
「私はルドラ。ルドラ・イラ・アルライトです」
「レーヴェンとルドラだな。よし覚えた。とりあえず今日はもう遅い。私が家まで送っていこう」
「あ、ありがとうございます?」
アルムと知り合いであるなら、レンの家を知っていてもおかしくはないが、ルドラの家にはどうやって行くのだろう。そう思ったときにはすでにユニは行動を起こしていた。その行動とは頭を触ることだった。
「よし、これで大丈夫だ」
そう言うと、ユニは掌を何もない場所に向けた。すると、そこには先ほどよりも大きく、人が立ってはいれる程度の異次元の穴が開いていた。
「これはドッドゲート。空間魔法で、イメージした場所とを点でつなぐ。ここを通ればルドラの家の前に着くはずだよ」
「わかりました。ありがとうございます。それからレーヴェン。明日大事な話があるかrそっちの家に行くからね」
言うだけ言って、返事も聞かずにルドラはその穴へと入っていった。ルドラが穴に入ってすぐ、その穴は閉じられた。すると次は俺の番かとレンが待っていると、ユニはレンに寄ってきた、そしてレンの肩を両手で持つと、こう言った。
「レーヴェン。君は呪いを貰っているね。それに今も目に痛みを感じているはずだ」
なんで、それを。そう口にしようとしたレンの視界にはユニの瞳が見えていた。右眼の翡翠色の瞳。それにレンは魅せられていた。
「ふふっ、詳しい話はまた明日そっちに行って説明する。今日はもうお休み」
ユニはそう言うと、レンの額に人差し指を当てた。その瞬間。レンの視界は大きく歪み、そのまま意識を失った。
ルドラに話しかけるのはレンが倒れるところを受け止めてくれた魔女(仮)さん。旅的なものをしているらしい。ここにはたまたま通りがかったらしい。
「まさか、この森に魔獣が出るなんて、結界が弱まってきたのかな?」
「結界?」
「そうよ。魔獣が、魔に取りつかれた者が、この森に入れないようにする結界。
ここは領主、つまりレンの父親であるアルムが管理している森だ。管理されていてここ数年。この森で魔獣は確認されていない。今回起こったことが異常なのである。
「でもそんな結界誰が……」
「私だけど」
「……え?」
この森が管理され魔獣が出現しなくなってからもう二十年以上は経過している。つまり、その時には、この森全体を覆うほどの結界が張れるほどの人物だったということだ。
「女の歳を数えるのは野暮ってもんだよ」
「すみません」
「おっと、そろそろ坊やが目覚めるみたいね」
魔女の言葉を聞き、ルドラは顔を下に向けた。そこにはレンの顔があった。状況的に言うと、膝枕って状態だ。ルドラは破れた服の上から、レンの上着を着ていた。
魔獣を撃ってから後の記憶がない。俺は気絶していたのか、なんだこの頭に感じる柔らかい感触は。
レンは謎の感触に不思議さを覚えながら、右手を前へと伸ばした。
「ひゃん」
ひゃん? 一体なんだ。それに柔らかい。
レンはその、掌に感じた感触を少し楽しみ、そして目を開けた。目の前には顔を真っ赤にしたルドラの顔があった。そして、ルドラが顔を真っ赤にしている理由は簡単だった。レンが伸ばした手の位置、そこに問題があった。その位置は丁度ルドラの胸の位置、しっかりとそれを揉んでいた。
「わ、悪い」
レンは胸からすぐに手を放し、すぐに起き上がる。すると横から聞いたことのない声の笑い声が聞こえる。
「やるね。坊や。無意識とはいえ、胸を揉むとは、ふふっ」
それを聞いて、さらに顔を赤くするルドラ。よっぽど恥ずかしかったのか、自分を両腕で抱きしめ、レンから距離を取っていた。
「ホントに悪かった。悪気はなかったんだ」
「それぐらいわかってるよ、もう」
「で、この人は?」
レンはさっきから気になっていた、この魔女の格好をしている女性だ。オッドアイで、そして、その腰にある武器は見間違いようがない。レンの世界、日本でよく使われていた刀だった。
「じゃあ、とりあえず自己紹介しようかな。私の名前はユニ。ユニ・マター・ニエンテ、よろしく」
その名前を聞いた瞬間。ルドラが固まった。レンには状況が理解できていなかった。
「まさか、貴方はあの……」
「こんな子供でもやっぱり私のこと知ってるのね。そこの坊やは分かってないみたいだけど」
首を傾げるレンのもとに、ルドラが寄ってくる。そして、耳元でささやいた。
「レーヴェンは聞いたことない? 黄昏の魔女を」
聞いたことはある。王都のスフィア学園を首席で卒業。偉大な才能を持ち、だが彼女の適性を見た者はいない。そんな彼女は王都の宮廷魔導士にはならず、自分の魔法の研究のため、各地を回っている。
だがこれは結構前の話だ。二十年は遡るはずだ。
「まぁ、私の話なんてどうでもいいんだよ。坊や。私は君に質問がしたい」
「ど、どうぞ」
「坊やは、その瞳をどうやって手に入れた?」
瞳? 何のことだ。
レンにはわかっていない。その瞳の正体も危険性も。ただ、レンの後ろで、レン以上にルドラが反応していたのは、ユニにしか見えていなかっただろう。
あたりを見渡すと、もう日も暮れかけており、夜が近い。
「あぁ、これは、まためんどくさいことしてくれたな、あのバカは」
ユニはレンの質問の答えを聞かずに、地面に落ちていた分厚めの本を一冊拾った。それはレンが二回目の適性の儀で、謎のシスターから貰った本だった。
「それは」
「これは私の方で預からせてもらうよ。私からあいつに返すから」
どうやら、ユニとあの謎のシスターは知り合いらしい。やることはやったし、もうあれは俺には必要ない。
すると、ユニは本を異次元の穴? とも呼べそうな場所へと仕舞った。それは間違いなく、無属性魔法である、空間魔法だった。
「そう言えばこっちは名乗ってなかったな。いい加減、坊やって呼ばれるのも癪だしな。名前はレーヴェン。レーヴェン・レイ・フォールン。よろしく。ユニさん?」
「フォールン? ってことはここの領主のところの子か」
どうやら、ユニは父親であるアルムと知り合いらしい。
「私はルドラ。ルドラ・イラ・アルライトです」
「レーヴェンとルドラだな。よし覚えた。とりあえず今日はもう遅い。私が家まで送っていこう」
「あ、ありがとうございます?」
アルムと知り合いであるなら、レンの家を知っていてもおかしくはないが、ルドラの家にはどうやって行くのだろう。そう思ったときにはすでにユニは行動を起こしていた。その行動とは頭を触ることだった。
「よし、これで大丈夫だ」
そう言うと、ユニは掌を何もない場所に向けた。すると、そこには先ほどよりも大きく、人が立ってはいれる程度の異次元の穴が開いていた。
「これはドッドゲート。空間魔法で、イメージした場所とを点でつなぐ。ここを通ればルドラの家の前に着くはずだよ」
「わかりました。ありがとうございます。それからレーヴェン。明日大事な話があるかrそっちの家に行くからね」
言うだけ言って、返事も聞かずにルドラはその穴へと入っていった。ルドラが穴に入ってすぐ、その穴は閉じられた。すると次は俺の番かとレンが待っていると、ユニはレンに寄ってきた、そしてレンの肩を両手で持つと、こう言った。
「レーヴェン。君は呪いを貰っているね。それに今も目に痛みを感じているはずだ」
なんで、それを。そう口にしようとしたレンの視界にはユニの瞳が見えていた。右眼の翡翠色の瞳。それにレンは魅せられていた。
「ふふっ、詳しい話はまた明日そっちに行って説明する。今日はもうお休み」
ユニはそう言うと、レンの額に人差し指を当てた。その瞬間。レンの視界は大きく歪み、そのまま意識を失った。
「異彩の瞳と銃創造者」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
-
2.1万
-
7万
-
-
6,571
-
2.9万
-
-
165
-
59
-
-
61
-
22
-
-
1.2万
-
4.7万
-
-
5,013
-
1万
-
-
5,072
-
2.5万
-
-
9,627
-
1.6万
-
-
8,089
-
5.5万
-
-
2,411
-
6,662
-
-
3,135
-
3,383
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
3,521
-
5,226
-
-
9,292
-
2.3万
-
-
6,119
-
2.6万
-
-
1,285
-
1,419
-
-
2,845
-
4,948
-
-
6,614
-
6,954
-
-
3万
-
4.9万
-
-
6,028
-
2.9万
-
-
315
-
800
-
-
65
-
152
-
-
6,161
-
3.1万
-
-
1,856
-
1,560
-
-
3,630
-
9,417
-
-
105
-
364
-
-
11
-
4
-
-
2,605
-
7,282
-
-
2,931
-
4,405
-
-
9,138
-
2.3万
-
-
4,871
-
1.7万
-
-
600
-
220
-
-
2,388
-
9,359
-
-
1,258
-
8,382
-
-
559
-
1,070
-
-
71
-
145
-
-
2,786
-
1万
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.7万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,627
-
1.6万
-
-
9,533
-
1.1万
-
-
9,292
-
2.3万
-
-
9,138
-
2.3万
コメント