異彩の瞳と銃創造者
二回目
結局、書庫の本を漁っても錬金魔法について書かれている物はなかった。ルドラの才能の中にあった鍛冶。それと錬金。趣味は武器などの物づくりと言っていた。
レンの知識と、ルドラの技術を使えば、物質創造魔法を使わずして銃を作れるのではないか? ほかにも改良して新たな武器や防具を開発していけるのではないか? そんな思考がレンの頭の中を駆け巡る。
コンコン
ノックが二回。つまりアイラが来たということだ。この屋敷で務めるメイドなどの中の決まり事で、私室に入る時のノックは基本三回。専属メイドがお付きの部屋に行く時だけノックが二回と決まっているらしい。
レンの専属はアイラだけなので、ノックの回数が二回だったら確定でアイラなのだ。ちなみに家族間のノックは一回だ。
アイラがレンの応答を聞き部屋の中に入ってくる。朝になると、掃除にやってくる。
「おはようございます。レン様。もう少ししたら迎えの馬車が到着しますよ」
「わかったよ」
アイラはてきぱきと掃除を済ませると、自分の準備の為に部屋を出る。レンもさっさと服を着替えて、玄関へと向かう。途中に貝の窓から目線を感じた。それも二つだ。よく探してみると、一つはレレーナ。もう一つはニーナだということが分かった。しかもなぜかどこか不機嫌そうな感じだ。
そこにアイラが登場し、レンを連れて馬車に乗り込んだ。前と同じ時間約四十分かけて、教会へと着いた。中に入ると、前と同じシスターがレンとアイラを出迎えた。
「お久しぶりです。レーヴェン様」
「お久しぶりです。まさか二回目がこんなにすぐできるとは思っていなかったので、ありがとうございます」
「いえいえ、今度は前よりも耐久が高いものを用意しましたが、気を付けてくださいね?」
そう言ってシスターはレンに笑顔を向けた。あれは緊張したからだ、今度は大丈夫。レンは自分にそう言い聞かせた。
手順は前と変わらない。アイラは見学席へ、レンとシスターは祭壇の上に登る。祭壇の中心にあるのは、前の白い球とは違い中心にすでに緑色の光が浮かんでいる。横には前の白い読み取り用の紙ではなく。黒い紙が一枚だけ置いてあった。
「手順は前と変わりません。ただ物が変わっただけです。手を水晶の上に置いて魔力を少し込める。今回は割れないと思うので安心してください。光が収まった後、水晶にそこにある黒い紙を張り付けて、剥がせば白い文字で適性などが書かれるはずです」
「わかりました」
手順を説明し終わるとシスターは祭壇を降りていく。シスターが降りるのを確認して、レンはアイラの方をちらっと見る。ぐっとこぶしを握って状況を見守っているアイラを見て、レンは水晶の上に手を乗せて微量の魔力を流した。
魔力が流れたその水晶は光彩を持って光だす。前と同じく水晶は色とりどりに光る、ただ前よりも魔力を込めていないせいか、光の強さはそこまで強くはなく、目が開けられている程度だ。
そうして、光がだんだんと小さくなってく。よく見ると、中の緑色の光が黒色へと変わっていた。レンは水晶から手を放し、横にある黒い紙を水晶へと張り付ける。黒い紙が少し光ってからその紙を剥がす。そこには文字がかすれたり、抜けたりしていない。全部が見える、レンの才能の適性が書かれていた。
『レーヴェン・レイ・フォールン
魔法適性
火:〇水:〇風:〇土:〇
闇:〇光:〇氷:〇雷:〇
無:重力魔法
付与魔法
物質創造魔法
才能適性
格闘の才能
銃の才能
剣術の才能
槍術の才能
魔法の才能
集中の才能
料理の才能
交渉の才能
情報処理の才能
計算の才能
魔眼の適性
精霊眼の適性』
レンは自分の適性を見て、とりあえず口をぽかんと開けた。アマテラスに教えてもらった才能である、格闘・集中・情報処理・料理の当て規制があるのは分かるが、銃の才能とか絶対アマテラスのサービス的なやつだよなこれ。子の才能を持ってるのは絶対に自分だけだと、そう思えた。
あと一番突っ込みたいのは最後の二つだ。なんだよ、精霊眼の適性と魔眼の適性って。
「これもアマテラスの仕業か?」
「いったいどうしたんですか?」
なかなか降りてこないレンを見かねたのか、シスターがわざわざ上ってきた。レンはしぶしぶシスターに黒い紙を手渡した。
(ふふっ、これは予想以上ですね)
「え? 何か言いました?」
「いいえなにも、レーヴェン様これを」
シスターはどこからか一冊の本を取り出した。
「それ一体どこから……」
「細かい事は気にしてはダメです」
シスターは口元に人差し指を当てる。
「この本は出来るだけ自然が豊かな場所で開いてください。それ以外の場所では開かないように、わかりましたか?」
「シスターさん。これは一体……」
「それは私からのお祝いとでも思ってください。中身は開いてからのお楽しみということで。さぁメイドさんがお待ちですよ?」
なかなか降りてこないレンとシスターが気になったアイラは祭壇の近くまで来ていた。レンはシスターから貰った多少大きめの本を持ってアイラのところに戻ろうと階段を一段降りたその時、後ろから声が聞こえた。
『あなたのこれからを見守らせていただきます。楽しみにしていますね。ふふっ』
レンが慌てて後ろを振り返るが、そこにシスターさんはいなかった。レンの頭の中はパニックに陥った。
「はっ? さっきまで……」
レンの様子がおかしいことに気づいたアイラはすぐにレンの元へと向かった。
「レン様どうされました? ってシスターさんはどこに?」
「わからない」
「その本はなんですか?」
「シスターから貰った。祝いだって」
その後、祭壇から降りて他のシスターに聞いたが、俺の担当をしたというシスターに心覚えがないそうだ。今日二回目の適性の儀をやることすら……。
だが、レンは自分の今持っている黒い紙が自分の適性だということは分かっている。
「はぁ、このことも含めてこの内容を父上に見せなければならないと考えると少し憂鬱だ」
「それは仕方ないですよ……」
レンは帰りの馬車の中でため息をついていた。アイラにはすでに紙の内容を見せている。物質創造魔法については少しだけ説明するつもりだし、付与と重力についてはまだ使った事すらない。話の後、書庫に籠ろうと決めて家に帰る馬車の窓から夕方の街並みを眺めた。
レンの知識と、ルドラの技術を使えば、物質創造魔法を使わずして銃を作れるのではないか? ほかにも改良して新たな武器や防具を開発していけるのではないか? そんな思考がレンの頭の中を駆け巡る。
コンコン
ノックが二回。つまりアイラが来たということだ。この屋敷で務めるメイドなどの中の決まり事で、私室に入る時のノックは基本三回。専属メイドがお付きの部屋に行く時だけノックが二回と決まっているらしい。
レンの専属はアイラだけなので、ノックの回数が二回だったら確定でアイラなのだ。ちなみに家族間のノックは一回だ。
アイラがレンの応答を聞き部屋の中に入ってくる。朝になると、掃除にやってくる。
「おはようございます。レン様。もう少ししたら迎えの馬車が到着しますよ」
「わかったよ」
アイラはてきぱきと掃除を済ませると、自分の準備の為に部屋を出る。レンもさっさと服を着替えて、玄関へと向かう。途中に貝の窓から目線を感じた。それも二つだ。よく探してみると、一つはレレーナ。もう一つはニーナだということが分かった。しかもなぜかどこか不機嫌そうな感じだ。
そこにアイラが登場し、レンを連れて馬車に乗り込んだ。前と同じ時間約四十分かけて、教会へと着いた。中に入ると、前と同じシスターがレンとアイラを出迎えた。
「お久しぶりです。レーヴェン様」
「お久しぶりです。まさか二回目がこんなにすぐできるとは思っていなかったので、ありがとうございます」
「いえいえ、今度は前よりも耐久が高いものを用意しましたが、気を付けてくださいね?」
そう言ってシスターはレンに笑顔を向けた。あれは緊張したからだ、今度は大丈夫。レンは自分にそう言い聞かせた。
手順は前と変わらない。アイラは見学席へ、レンとシスターは祭壇の上に登る。祭壇の中心にあるのは、前の白い球とは違い中心にすでに緑色の光が浮かんでいる。横には前の白い読み取り用の紙ではなく。黒い紙が一枚だけ置いてあった。
「手順は前と変わりません。ただ物が変わっただけです。手を水晶の上に置いて魔力を少し込める。今回は割れないと思うので安心してください。光が収まった後、水晶にそこにある黒い紙を張り付けて、剥がせば白い文字で適性などが書かれるはずです」
「わかりました」
手順を説明し終わるとシスターは祭壇を降りていく。シスターが降りるのを確認して、レンはアイラの方をちらっと見る。ぐっとこぶしを握って状況を見守っているアイラを見て、レンは水晶の上に手を乗せて微量の魔力を流した。
魔力が流れたその水晶は光彩を持って光だす。前と同じく水晶は色とりどりに光る、ただ前よりも魔力を込めていないせいか、光の強さはそこまで強くはなく、目が開けられている程度だ。
そうして、光がだんだんと小さくなってく。よく見ると、中の緑色の光が黒色へと変わっていた。レンは水晶から手を放し、横にある黒い紙を水晶へと張り付ける。黒い紙が少し光ってからその紙を剥がす。そこには文字がかすれたり、抜けたりしていない。全部が見える、レンの才能の適性が書かれていた。
『レーヴェン・レイ・フォールン
魔法適性
火:〇水:〇風:〇土:〇
闇:〇光:〇氷:〇雷:〇
無:重力魔法
付与魔法
物質創造魔法
才能適性
格闘の才能
銃の才能
剣術の才能
槍術の才能
魔法の才能
集中の才能
料理の才能
交渉の才能
情報処理の才能
計算の才能
魔眼の適性
精霊眼の適性』
レンは自分の適性を見て、とりあえず口をぽかんと開けた。アマテラスに教えてもらった才能である、格闘・集中・情報処理・料理の当て規制があるのは分かるが、銃の才能とか絶対アマテラスのサービス的なやつだよなこれ。子の才能を持ってるのは絶対に自分だけだと、そう思えた。
あと一番突っ込みたいのは最後の二つだ。なんだよ、精霊眼の適性と魔眼の適性って。
「これもアマテラスの仕業か?」
「いったいどうしたんですか?」
なかなか降りてこないレンを見かねたのか、シスターがわざわざ上ってきた。レンはしぶしぶシスターに黒い紙を手渡した。
(ふふっ、これは予想以上ですね)
「え? 何か言いました?」
「いいえなにも、レーヴェン様これを」
シスターはどこからか一冊の本を取り出した。
「それ一体どこから……」
「細かい事は気にしてはダメです」
シスターは口元に人差し指を当てる。
「この本は出来るだけ自然が豊かな場所で開いてください。それ以外の場所では開かないように、わかりましたか?」
「シスターさん。これは一体……」
「それは私からのお祝いとでも思ってください。中身は開いてからのお楽しみということで。さぁメイドさんがお待ちですよ?」
なかなか降りてこないレンとシスターが気になったアイラは祭壇の近くまで来ていた。レンはシスターから貰った多少大きめの本を持ってアイラのところに戻ろうと階段を一段降りたその時、後ろから声が聞こえた。
『あなたのこれからを見守らせていただきます。楽しみにしていますね。ふふっ』
レンが慌てて後ろを振り返るが、そこにシスターさんはいなかった。レンの頭の中はパニックに陥った。
「はっ? さっきまで……」
レンの様子がおかしいことに気づいたアイラはすぐにレンの元へと向かった。
「レン様どうされました? ってシスターさんはどこに?」
「わからない」
「その本はなんですか?」
「シスターから貰った。祝いだって」
その後、祭壇から降りて他のシスターに聞いたが、俺の担当をしたというシスターに心覚えがないそうだ。今日二回目の適性の儀をやることすら……。
だが、レンは自分の今持っている黒い紙が自分の適性だということは分かっている。
「はぁ、このことも含めてこの内容を父上に見せなければならないと考えると少し憂鬱だ」
「それは仕方ないですよ……」
レンは帰りの馬車の中でため息をついていた。アイラにはすでに紙の内容を見せている。物質創造魔法については少しだけ説明するつもりだし、付与と重力についてはまだ使った事すらない。話の後、書庫に籠ろうと決めて家に帰る馬車の窓から夕方の街並みを眺めた。
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