異彩の瞳と銃創造者
ルドラ・イラ・アルライト
レンはいつも通り朝の日課を済ませ、本を読み、昼食を済ませてからアイラの見送りを受けて屋敷の外へ出た。向かう先は森。一応本は持っている。
少し、足早に森の中を進んだ。前中の試し撃ちをした場所に着くと、そこにはすでにルドラが待っていた。水色の髪がなびき、ルドラと目があった。
「すまん。待たせたか?」
「いや、僕も今来たところだよ」
レンは木の横に荷物もとい本を置く。そして、懐から黒い紙を取り出す。二回目の適性の儀の結果だ書かれている紙だ。
「それはなんだい?」
「適性の書かれた紙。二枚目っていえばいいか? 受けなおしてきたんだよ」
ルドラはレンの話を聞きながらも、紙の文字に目を走らせる。そして、紙をレンに返すと、ルドラは笑っていた。
「だめだ。これは本当に他人には見せれない紙だね」
「あー父さんにも口止めされたよ」
「じゃあなんで僕には見せてくれたんだい?」
なんでと今言われるとよくわからなかった。信用できそうだから? いや、初対面でそれはない。じゃあルドラの能力に惹かれたから? それも違う。あの時は同時に交換したはずだ。じゃあなんで?
「どうしたんだい? 急に黙ってそんなにぼくを見つめて。ちょっと恥ずかしいんだけど」
そうか。俺は友達が欲しかったのか。一緒何かに没頭できる友達が、仲間が。転生してからは家族に囲まれて過ごしてきた。けど、友達と言える存在はいなかった。転生する前は家族すら……
レンの瞳にはいつの間にか涙がたまっていた。それが瞼の瞬きによって零れ、頬を伝う。それを見たルドラは慌てふためく。
「えっどうしたの。私何かした!?」
「いや、昔のことを思い出しただけだ」
「そ、そう?」
それでも、心配そうにルドラはレンの様子を伺っている。
「よしやるか」
レンは覚悟を決めてルドラの方へと向き直る。だがそのルドラはポカーンとしている。
「何をやるの?」
「え? 見たいんだろ? 謎の武器っていうやつを」
「みっ、見せてくれるの!?」
「だからここに来たんだろ?」
どこかで、意見の相違があったらしい。とりあえず銃という物の説明からはいることにした。この世界にはまだ飛び道具はそこまで発展していない。そんな中、ルドラにとってレンの話はとても興味深いものだった。
「まぁ、実際に見てもらう方が早いよな」
レンは立ち上がると、右手に魔力を集める。手は半開きで、物質のイメージを頭の中で固めていく。そんなレンを横からキラキラした目で見つめるルドラ。
『クリエイト』
レンが言葉を紡ぐと、魔力が光り、レンの掌の中で形を形成していく。やがて、光が収まっていき、レンの手には黒を基調としたリボルバー、コルトパイソンがあった。
横で見ているルドラはリボルバーをいろいろな角度から眺める。理屈やらは説明したが、実際にどうなるのか、それは見てみないと分からないものだ。
「試し打ちするから少し離れてくれ」
ルドラはレンの言うことを素直に聞き、少し離れた位置へと移動する。レンはそれを確認すると、少し遠めの木へと狙いを定めてコルトパイソンを構える。構える握手に左手を添えて、右手の人差し指をトリガーへと掛ける。弾丸はコルトパイソンを作り出すときにすでに込めた状態で生成したため問題はない。魔力で全身を覆い引き金を引いた。
耳に響く銃声と共に弾丸は狙い通り、木へとめり込んだ。ルドラはその様子を見て、手を口に当てて子供のようにはしゃいでいた。
いや、年齢的には子供か。
「そ、その武器は僕でも使えるのかい?」
「使えるけど……」
レンは迫ってくるルドラの勢いに押され、銃を手渡した。それを持ったルドラはまるで、新しいおもちゃを買ってもらった子供のようだった。
「確かこんな感じに……」
ルドラがレンの真似をして銃を構える。魔力を纏い、レンの静止も聞かずに引き金を引こうとした。その時、ルドラの手から銃が消えた。制限時間を超えたのだ。
「だから待てって言ったのに、そもそも勝手に使おうとするなよ。結構危ないんだぞ」
「……ごめん」
しゅんとするルドラに話の話題を変えるように錬金魔法について聞いた。
「レーヴェンは等価交換って知ってる?」
「まぁ、一応」
「じゃあ、話すより見せたほうが早そうだね」
ルドラは腰に差してある短剣を抜くと、近くの気に何かを書き始めた。その書かれていたものは魔法陣だった。
「錬金術は詠唱では発動できない魔法なんだ。だから必然的に発動方法は魔法陣か触媒になる。けど子供の僕に触媒を使うなんて無理だし、こうしていちいち魔方陣を書くってわけ」
アルライト家は遺伝なのかわからないが錬金魔法を受け継いでいる家らしい。親から錬金魔法について学び後は独学だそうだ。他にも錬金魔法を扱うものはいるがだいたいは魔法陣で発動させているらしい。たぶんルドラの腰の鞄にはあらかじめ魔法陣が書いてあるスクロールなどが入っているのだろう。
「じゃあ行くよ。見ててね」
右手を木に掛かれた魔法陣の上へと乗せ、魔力を込める。すると、魔法陣が光りだし、木がだんだんと削れて行き、ルドラの手には木剣があった。他にも石を砂に変えたりなんかも出来たりするらしい。
等価交換とは、簡単に言えば等しい価値を持つ物同士を交換することだ。等価の物を用いて新たなものを錬成する。それが錬金術だ。これの魔法版が錬金魔法という認識でよさそうだ。
「僕は武器や防具が好きだ。まぁ家族の影響って言うのもあるけど、この錬金魔法はそんな僕と相性がいい」
「そうだな。何かを作り出したりするのに持って来いだな」
この後、ルドラに銃の使い方を教えたり、これからのことを話したりして時間を過ごした。
「今度はこんなにこそこそ会う必要もない。家族には言っておくから何かあったら内に来い。いつでも歓迎してやる」
「わかった。それじゃあ、またね。レーヴェン」
「あぁ、またな。ルドラ」
ルドラが帰っていき、その背中が見えなくなった。それを確認してレンはもう一つの用事を済ませることにした。
少し、足早に森の中を進んだ。前中の試し撃ちをした場所に着くと、そこにはすでにルドラが待っていた。水色の髪がなびき、ルドラと目があった。
「すまん。待たせたか?」
「いや、僕も今来たところだよ」
レンは木の横に荷物もとい本を置く。そして、懐から黒い紙を取り出す。二回目の適性の儀の結果だ書かれている紙だ。
「それはなんだい?」
「適性の書かれた紙。二枚目っていえばいいか? 受けなおしてきたんだよ」
ルドラはレンの話を聞きながらも、紙の文字に目を走らせる。そして、紙をレンに返すと、ルドラは笑っていた。
「だめだ。これは本当に他人には見せれない紙だね」
「あー父さんにも口止めされたよ」
「じゃあなんで僕には見せてくれたんだい?」
なんでと今言われるとよくわからなかった。信用できそうだから? いや、初対面でそれはない。じゃあルドラの能力に惹かれたから? それも違う。あの時は同時に交換したはずだ。じゃあなんで?
「どうしたんだい? 急に黙ってそんなにぼくを見つめて。ちょっと恥ずかしいんだけど」
そうか。俺は友達が欲しかったのか。一緒何かに没頭できる友達が、仲間が。転生してからは家族に囲まれて過ごしてきた。けど、友達と言える存在はいなかった。転生する前は家族すら……
レンの瞳にはいつの間にか涙がたまっていた。それが瞼の瞬きによって零れ、頬を伝う。それを見たルドラは慌てふためく。
「えっどうしたの。私何かした!?」
「いや、昔のことを思い出しただけだ」
「そ、そう?」
それでも、心配そうにルドラはレンの様子を伺っている。
「よしやるか」
レンは覚悟を決めてルドラの方へと向き直る。だがそのルドラはポカーンとしている。
「何をやるの?」
「え? 見たいんだろ? 謎の武器っていうやつを」
「みっ、見せてくれるの!?」
「だからここに来たんだろ?」
どこかで、意見の相違があったらしい。とりあえず銃という物の説明からはいることにした。この世界にはまだ飛び道具はそこまで発展していない。そんな中、ルドラにとってレンの話はとても興味深いものだった。
「まぁ、実際に見てもらう方が早いよな」
レンは立ち上がると、右手に魔力を集める。手は半開きで、物質のイメージを頭の中で固めていく。そんなレンを横からキラキラした目で見つめるルドラ。
『クリエイト』
レンが言葉を紡ぐと、魔力が光り、レンの掌の中で形を形成していく。やがて、光が収まっていき、レンの手には黒を基調としたリボルバー、コルトパイソンがあった。
横で見ているルドラはリボルバーをいろいろな角度から眺める。理屈やらは説明したが、実際にどうなるのか、それは見てみないと分からないものだ。
「試し打ちするから少し離れてくれ」
ルドラはレンの言うことを素直に聞き、少し離れた位置へと移動する。レンはそれを確認すると、少し遠めの木へと狙いを定めてコルトパイソンを構える。構える握手に左手を添えて、右手の人差し指をトリガーへと掛ける。弾丸はコルトパイソンを作り出すときにすでに込めた状態で生成したため問題はない。魔力で全身を覆い引き金を引いた。
耳に響く銃声と共に弾丸は狙い通り、木へとめり込んだ。ルドラはその様子を見て、手を口に当てて子供のようにはしゃいでいた。
いや、年齢的には子供か。
「そ、その武器は僕でも使えるのかい?」
「使えるけど……」
レンは迫ってくるルドラの勢いに押され、銃を手渡した。それを持ったルドラはまるで、新しいおもちゃを買ってもらった子供のようだった。
「確かこんな感じに……」
ルドラがレンの真似をして銃を構える。魔力を纏い、レンの静止も聞かずに引き金を引こうとした。その時、ルドラの手から銃が消えた。制限時間を超えたのだ。
「だから待てって言ったのに、そもそも勝手に使おうとするなよ。結構危ないんだぞ」
「……ごめん」
しゅんとするルドラに話の話題を変えるように錬金魔法について聞いた。
「レーヴェンは等価交換って知ってる?」
「まぁ、一応」
「じゃあ、話すより見せたほうが早そうだね」
ルドラは腰に差してある短剣を抜くと、近くの気に何かを書き始めた。その書かれていたものは魔法陣だった。
「錬金術は詠唱では発動できない魔法なんだ。だから必然的に発動方法は魔法陣か触媒になる。けど子供の僕に触媒を使うなんて無理だし、こうしていちいち魔方陣を書くってわけ」
アルライト家は遺伝なのかわからないが錬金魔法を受け継いでいる家らしい。親から錬金魔法について学び後は独学だそうだ。他にも錬金魔法を扱うものはいるがだいたいは魔法陣で発動させているらしい。たぶんルドラの腰の鞄にはあらかじめ魔法陣が書いてあるスクロールなどが入っているのだろう。
「じゃあ行くよ。見ててね」
右手を木に掛かれた魔法陣の上へと乗せ、魔力を込める。すると、魔法陣が光りだし、木がだんだんと削れて行き、ルドラの手には木剣があった。他にも石を砂に変えたりなんかも出来たりするらしい。
等価交換とは、簡単に言えば等しい価値を持つ物同士を交換することだ。等価の物を用いて新たなものを錬成する。それが錬金術だ。これの魔法版が錬金魔法という認識でよさそうだ。
「僕は武器や防具が好きだ。まぁ家族の影響って言うのもあるけど、この錬金魔法はそんな僕と相性がいい」
「そうだな。何かを作り出したりするのに持って来いだな」
この後、ルドラに銃の使い方を教えたり、これからのことを話したりして時間を過ごした。
「今度はこんなにこそこそ会う必要もない。家族には言っておくから何かあったら内に来い。いつでも歓迎してやる」
「わかった。それじゃあ、またね。レーヴェン」
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