異彩の瞳と銃創造者

創伽夢勾

教会へ

 姉であるレレーナには魔法の適性が合り、王都から魔法及び戦闘に関することを学ぶスフィア王立魔技学校から推薦状が届いたそうだ。十歳から通えて、魔法の適性があること、が条件だ。レレーナは優秀だったから推薦状が届いたのであって、平民でも他の種族も受け入れている。そこを卒業すると、王都でも領地に戻ってきても仕事探しには困らないらしい。
 ちなみに兄であるアトモスには魔法の適性はなく商売や営業に関する才能の方が高かったらしい。


❖  ❖  ❖


 あれから二年たちレンもようやく七歳になり適性の儀を受ける日が訪れていた。
 前世の記憶を取り戻し、魔法の勉強や魔力操作の練習。魔力量の増加にも努めてきた。屋敷を抜け出し、時には庭で見つからないように練習するのはとても大変だった。
 ただ物質創造魔法だけは、本にも乗ってないし使い方は分からなかった。

 ようやく、適性の儀が受けれるんだ。
 そんなウキウキの状態でレンは目覚めた。いつもと何ら変わらない。二年もたてば生活にも慣れる。上半身を起こし、あくびしながら部屋を見渡す。するとレンの視界には窓に掛けられたカーテンを開き、その日差しを見に浴びる女性がいた。きれいな紺髪は太陽の光を反射している。
 もちろんその女性とはアイラだ。レンが生まれてからレンの世話などを担当してくれている専属メイドだ。年は離れているがそれでもまだアイラはまだ十二歳だ。この二年間見続けていたが改めて見ても可愛いよな。
 アイラはそんなレンの視線に気づいたのか、くすりと笑いながら声をかけてくる。

「あら、レン様。お目覚めになられたんですね」
「あぁ、おはよ。アイラ」
「なんだか、そわそわしてらっしゃいますね。まぁ、しょうがないですよね。あれだけ楽しみにしてたんですから」

 そんなアイラと挨拶を交わし、身支度を始める。今日は待ちに待った適性の犠だ。アマテラスに適性を貰ったはずだから、そこまで心配はしていない……はずだ。まぁ、試せない物質創造の魔法以外の基本四属性は一通り試したから大丈夫。大丈夫。

「レン。準備は出来てるか?」

 扉をノックされ外から父さんの声が聞こえる。

「はい。今行きます」

 アイラと共に部屋を出る。すでに外にはアルム、シウナ、レレーナの三人がが準備を整へ待っていた。

「お待たせしました」
「気にするな。それより、やっぱりシウナに寄りだな顔は」
「レン様はかっこいいです。将来有望です」

 なぜか、アイラが自慢げに胸を張る。このメイド服やたらと胸の露出大きいんだよな。目のやり場に困る。
 この前「誰だ、こんなデザインにしたのは!」ってアイラに聞いたら『アルム様とシウナ様のご趣味です。作ったのはレレーナ様です」って言われたんだよな。
 なんて親子だ! ありがとう。

「私の弟だもの。かっこよくて当然よ。ねぇレン?」

 いつの間にか後ろに回っていたレレーナに抱きしめられる。この体勢。背中に胸が当たるんだよな。やめていただきたい。お願いだからそんな目で見ないでアイラ。

「さて、時間もあれだしそろそろ向かうか」

 ごほんとせき込みアルムが先を急ぐよう促してくる。ようやくレレーナから解放され、先に馬車へと向かったアルムのあとを追う。レレーナには少しだがブラコンが入っているようだ。この二年間でそれを実感した。

「皆様どうぞお乗りください」

 執事の男性が馬車の扉を開ける。その馬車は大きめで、今いるメンバーは全員乗れるぐらいだ。
 一番奥にアルム、その横にシウナ。そしてその対面席にレンとアイラとレレーナが座る。
 そのあと間もなくして馬車は出発した。

「そう言えば、適性の儀とはどういうものなのですか?」

 魔法の練習やらでこっちのことは一切気にしていなかった。

「こういうものがもらえるのよ。レン」

 レレーナがどこから出したかわからない小さめの白い紙を取り出す。

「適性の儀では、教会にしか置いてない特別な水晶を使ってその適性を図るの。そしてその水晶に触れて光った色の属性適性があったりとかが分かるのね。で、その後、水晶に特別な紙を張り付けると、適性を文字に書き出してくれるってわけ」

 なるほど、そんなシステムなのか。適性の儀って言うのは。
 レンはレレーナが差し出してくるその紙を受け取り内容を読んでみる。

『レレーナ・レイ・フォールン
 魔法適性:
 火:×水:〇風:〇土:〇
 闇:×光:〇氷:〇雷:×
 無:なし

 才能適正

 観察の才能
 対話の才能
 魔法の才能
 細剣の才能
 服飾の才能 』

 というものだった。こんな表示のされ方するんだな。まるでゲームみたいだ。こんなものを見せられては楽しみが跳ね上がってしまう。
 ただそれとは別に観察の才能というものが気になって仕方がない。時々感じる視線は……。まさか……な?
 とりあえず紙はレレーナに返す。

「姉さん。すごいですね。魔法の適性が五つも……。それに魔法と剣の才能も!」
「ふふん。当たり前じゃない」

(やったぁ レン君に褒められたよぉ)
 レレーナは心の中で歓喜していた。もちろんそれは誰にも届かない。

「そうね。レレーナなら王都の城勤めの魔法士とかかしら?」
「才能も今は五つだが、これからどんどん増えていくだろう。スフィア学園から推薦が来るぐらいだからな」
「何言ってるのアルム? この年で五つなら多い方でしょうに。あなたなんて三つだったでしょう」
「わ、私はいいんだよ」

 そんな親子の会話を楽しみんでいると、馬車の窓からシルルー領の街並みが見えてくる。店も多く並んでおり、多くの人で賑わっていた。
 馬車に揺られて約四十分。ようやく目的の教会へとたどり着いた。アルムは先に降り受付へと向かっている。俺たちもそのあとを追うように協会の中へと入った。

「ようこそおいでくださいました。レーヴェン・レイ・フォールン様ですね」
「はい。今日はよろしくお願い致します」
「もう、準備は出来ております。どうぞこちらへ」

 シスターに手招きされ、その後に続く。
 その後を続くレン。そしてそのさらに後ろを歩く。アルム。シウナ。レレーナ。アイラ。
 四人の表情はわくわくしているようだった。

「レンも私と一緒ぐらい貰えるといいわね」
「大丈夫よ。私たちの子供ですもの。レレーナと同じぐらい貰えるわよ」
「そうです。レン様は日ごろから頑張ってらっしゃいますから。大丈夫です」

 レンはみんなからバレない様、こっそりと魔法の練習をしてきた。その過程で基本の四属性を使えることは確認してある。まぁ、転生の時に適正貰ったから、当然っちゃ当然かもしれない。

「レンも隅に置けないな」
「何がですか? 父上」
「女性陣からモテモテではなか」
「あれは、モテるというのではなく心配やら期待の目を向けられているだけですよ。父さん。そもそも、これが好意だとしてもそれは家族だからです」

 そんな百点満点の回答をしたはずのレンに帰って来たのは、父の悲しい溜息だった。
 そして、目的の教会内にある部屋。適性の間と呼ばれる場所に着いた。これで待ちに待った適性の儀を行える。そんな期待を胸いっぱい膨らませ、レンは適性の間に足を踏み入れた。


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