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異彩の瞳と銃創造者

創伽夢勾

適性の儀

 いよいよ適性の犠だ。
 シスターに招かれ、レンは祭壇に上がる。それを、見学席から眺める家族。今壇上に登っているのはレンのみだ。
 シスターはレンを招くだけ招くと、すぐに降りていった。なんせ儀式内容は簡単だ。目の前にある水晶に触れて、水晶が光り終わった後に、横の台に置いてある紙を水晶に当てるだけ。

「それでは儀式を始めてください」

 シスターの声が聞こえレンは水晶の上に手を置いた。
 レンが水晶に手を置いた瞬間。目の前の水晶が色づき光って行く。
 赤・青・緑・黄と順に光って行く。

「私の時は五色だけだったのに」

 レンが触れてから色が変わった回数は8回。レレーナは、口を手で押さえ、シスターも他の家族もこの状況を息を飲んで見守っている。
 そして光の色が白に変わり、光の大きさが増して行く。
 レンの耳にパキパキと奇妙な音が聞こえて来る。その音の大きさは光が増すごとに大きくなって行く。
 そしてついに、レンの触れている水晶玉にひびが入り、一部が砕けた。それと同時にその大量の光にレンは視界を奪われ、レンの頭の中に何かが流れ込んで来た。それは情報と呼べるそれだった。
 情報は主に物質創造魔法についてだった。使い方や制限などについてだ。
 光は消え、意識もはっきりしたレンは、そっとシスターの方を向いた。

「こ、これは、ですがご心配なく、だいぶ前にも一度だけあったこともありますので、気にしないでください」
「え?気にしないでくださいって言われても……」
「元々、適正の義のために用意されたこの水晶は触れた者の魔力を測り、その適性を見るものです。ですから魔力を水晶が吸うんです。で、たまにその人の魔力量が多すぎて水晶が割れるってこともあったようです。ですからフォールン家の方々は喜んではいかがでしょう? 間違いなく、レーヴェン様は優秀なお子様ですよ」

 と、いうことらしい。家族の方は喜んでいいのか、よくわからない状況に未だ混乱していた。
 だが、レンは心の中で、物質創造魔法を使い銃を作ることが出来ると歓喜していた。
 割れているが、当てれる分だけ紙を当てろとシスターに言われ、レンはそれを実行した。
 紙を剥がして見てみると、文字が確かに書かれているが、水晶が触れていない部分などは抜けていたり、かすれて読めなかったりだ。

『レーヴェン・レイ・フォールン

 魔法適性』

 火:〇水:〇風:〇土:〇
 闇:〇光:〇*:〇*:〇
 無:*力魔*
   付与**
   物**造**

 *能*正

 格闘の才能
 *の才能
 剣*の才能
 *術の才能
 魔法の**
 料*の*能
 交渉*才*
 計算の**
 **処**才能
 ***適性
 ****適性』

 と、魔法適性はまだ読めるが、才能の方が結構かすれて手読めないな。最後二つなんて、適正になってるし。とりあえずわかるのは、全属性の適性があることと、才能も多めってことぐらいかな? ちゃんと、転生前に見た才能も見える。
 ちなみに、適性はこれで、決まったわけではなく、今後の成長で、増えたり減ったりする。減ることはまれだが、増えることは意外とあるようだ。
 レンは、紙を一通り読むと、一応シスターに渡した。

「これは、魔法の属性全適正あり……ですか。予想以上です。それに結構読めない部分が多いですね。早くアルム様たちにも店に行かれたはいかがでしょう」

 シスターはレンに紙を返す。すると、アルムからお呼びがかかった。レンは紙を持って急いで家族の元へ向かった。

「レン。結果はどうだった?」
「いろいろな部分がかすれて読めませんが……」

 恐る恐ると言った感じで、レンはアルムに紙を渡した。その紙を見るために、シウナとレレーナがアルムの後ろへと回る。そして、そろって三人が固まった。

「どうでしょうか? 僕のステータスはやはり、どこかおかしいのでしょうか?」

 ようやく固まっていたアルムが動き出す。

「見間違いじゃ……ないな。全属性の適性がある。それに、無属性魔法がかすれて読めないが三つもあるな。これだけ魔法適性のあるステータス初めて見たぞ」
「わ、私よりも才能の数が多いし、読めるだけで、格闘・剣・魔法・交渉・計算の才能があるわね。魔法士としても剣士としても、商人になってもやってはいけそうね。さすがというべきなのかしら? (流石私のレンね!)」

 すると、シウナがアルムの肩を持ち引っ張っていく。秘密の話だろうか? 何やらごそごそとしゃべって戻ってくると、アルムが口を開いた。

「レン。お前は冒険者になりたいといっていたな?」
「はい。父さん」
「冒険者になることを認めてもいい」
「ホントですか!」

 その言葉にレンは食いついた。一応チラっとシウナの方を見るが、その顔は笑顔だ。あんなにも冒険者になることに反対していたシウナが、だ。

「ただし条件がある」
「はい。それはどういうものですか?」
「王都の学園に通うこと。冒険者の登録はその時から許す。ただし、学業を疎かにすることは許さん。きちんと卒業することだ」

 この言葉を聞いて、レンはそれぐらいは当然かな、と諦めをつけていた。そして、それとは別にレレーナは心の中で歓喜していた。
 スフィア王立魔技学園は十歳から十三歳の間に通うシルト。十四歳から十八歳まで通うアルマの二つに分かれている。シルトは座学と実技を半々。アルマは、ほぼ実技メインで、対抗戦やダンジョンに潜ったりするそうだ。レレーナが通うのはシルトで、アルマへはエスカレータ式になっている。ただし県がないわけではないため、落ちる人もいるようだ。それと逆にアルマから入ってくる人も多いらしい。
 この世界では十五歳から成人扱いされる。つまり結婚も十五歳からできる。それに、貴族ともなれば若いころから婚約者が出来ることも珍しくない。

「もちろん。そのステータスは出来る限り隠すこと。厄介ごとを招くからな。それとだ、これから一年。戦闘訓練はレレーナと一緒に行え、レレーナもいいな?」
「はい。問題ないです(やった! これでこれを口実にレンの傍に居られるわ!)」

 ここrこの中で歓喜である。すこし、危機感を感じながらもレンはそれを承諾した。

「あと、適性の儀を終えたことで、お披露目会があるからな、覚えておけよ?」

 あっ、すっかり忘れてた。
 二年前も、レレーナの適性の儀の後にパーティがあった。結構大きめの……。
 それでも、これからはだいたい的に魔法の練習が出来ることを喜ぼう。帰ったら早速試してみようかな。




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コメント

  • がみ

    誤字率高い、面白いから頑張って

    1
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