異彩の瞳と銃創造者

創伽夢勾

目覚め

 意識がだんだんと覚めていく。
 窓から侵入してくる日差しが瞼を刺激する。その眩しさの中、目を開けた。

「どこだ、ここ」

 目に入るのは見知らぬ天井。すごい違和感の中どうにか体を起こす。どうやらここはベッドのようだ。
 ソラは寝ぼけ眼を擦り、今の状況を確認する。ベッドの大きさは自分の使っていたサイズよりはるかに大きい。部屋に置いてあるものは小さな勉強用と思われる机が一つ。茶色い色のクローゼット。カーテンの隙間から朝日が差し込む窓。そしていま座っているベッド。どう考えても自分の部屋ではない。

「これは転生が成功したってことでいいのかな? 夢じゃなかったんだな」

 自分の体を見る。明らかに小さくなっていることが分かる。見た目は五歳。

「そう言えばアマテラスが五歳で記憶を戻すとか言ってたもんな」

 すると、目の前のドアがノックされる。突然のことに驚きながらも「どうぞ」と口に出すことが出来た。

「おはようございます。レーヴェン様」

 紺髪のメイド? がドアを開け、頭を下げてくる。
 一応、記憶を思い出しただけで、五歳になるまでの記憶がなくなったわけではない。必死に見た目と名前の情報を合わせていく。
 そうだ。この子の名前はアイラだ。アイラ・シュワルズシュタイン。で、レーヴェンって言うのは俺のことだから。えーっと、俺の名前はレーヴェン・レイ・フォールン。名前からして貴族っぽかった。ここら辺は今のところリクエスト通りか。

「おはよう。アイラ」

 必死に記憶の整理を始める。そんな中、にこやかにアイラが周りの整理を始めていく。
 五歳の自分のことを必死に思い出す。

「はい。こちらをどうぞ」

 天が考え事をしていると、アイラが木剣を渡してくる。五歳のくせにどうやら日課で、木剣を振っていた様だ。

「あぁ、ありがとう」

 木剣でも、この体だと少し重く感じてしまう。まだそこまで筋肉とかもついていないだろうからな。

「アイラ。鏡ってある?」

 今はとりあえず、自分の容姿を確認したい。

「ありますよ。はい。こちらをどうぞ」

 アイラは机の引き出しから手鏡を取り出し、天へと手渡した。
 渡された手鏡はやはり、高級感があり前世の俺では絶対に買えないぐらいだ。それを両手に持ち、天はその鏡を覗き込んだ。
 鏡の中には黒色の髪で黒い目の少年が映った。これがこの世界での自分だと認識した。
 ブサイクではなく、ほっと息を吐いた。そんな天の様子を見てアイラが笑う。

「大丈夫ですよ。レーヴェン様はお母様似で、将来有望な顔立ちをしてらっしゃいますから」

 アイラが笑顔で声をかけてくれる。そんな言葉に照れながらアイラに手鏡を手渡す。

「ありがとう」

 アイラは鏡を受け取ると、元の引き出しへと鏡を戻した。
 記憶によれば、もう少しで、朝ごはんが出来てしまう。

「じゃあ、行ってくるよ」
「はい、いつもの時間にご飯まで来ますので」

 天はその言葉を聞きながら、部屋の外に出て、いつも剣を振っている中にはへと足を進める。
 すれ違うメイドや執事と挨拶を交わし、その前世とは違う新鮮な感覚に心を躍らせていた。
 キョロキョロと屋敷の中を見渡す。流石貴族の家というだけあって中は広い。少し装飾者は少ない気もするが、特に気にすることもない。
 と、そんなこんなで中庭へとたどり着いた。空からは眩しいほどの日差しが降り注いでいた。その中庭の真ん中で改めて木剣を構える。

「こんなもの良く毎日振ってたな」

 そんなことを思いながらも、木剣を振り上げては力強く振り下ろす。それを繰り返す。たまに横に振ってみたり、下から切り上げてみたり、いろんなことを試しながら日課と呼べるものを楽しんだ。

「おはよう。今日も剣を振ってるのか。レンは努力家だな」

 声を掛けられ後ろを振り向くと、赤髪の兄と呼べるその人が立っていた。名前はアトモス・レイ・フォールン。次にこの家を継ぐ予定の長男だ。そう言えばアマテラスには三男と言ったがどうやらレーヴェン・レイ・フォールンは次男らしい。まぁ自分のことだが。

「こういうのは毎日やらないと力にならないんだよ。兄さん」

 アトモスは頭がよく、だが運動が苦手だった。だからいつも中庭に来ることは無いはずだが。

「そろそろご飯が出来るよ。行こうか」
「はーい」

 レーヴェンはアトモスの後をついて行く。ただ道を思い出すのが面倒なだけだけど。
 食堂に着くと、アトモスとレーヴェン以外のメンツは既に揃っていた。
 直ぐ近くにいたアイラに木剣を渡して、開いてる席に着く。

「元気か? レン」
「はい。いつも通りです」

 一番に声をあげたのは今のレーヴェンの父であるアルム・レイ・フォールン・シルルーだ。名前に一つ多くついているのは領地の名前だ。領主はその地の名前を最後に着けるのだ。
 その横から順に母のシウナ・レイ・フォールン。アトモスを飛ばして、レーヴェンの隣にいるのが長女のレレーナ・レイ。フォールン。俺と歳が二歳は慣れている姉だ。ちなみにレンとアトモスとは七歳も離れている。
 記憶によると、妹のニーナ・レイ・フォールンがいるようだが。病弱で今は部屋にいるみたいだ。確かまだ三歳だった気がする。
 ひとこと言わせてもらう。全員顔立ちがいい。恵まれたと言っていいのかなこれは?
 そんなこんなで、朝食が進む。アイラ達侍女が、次々に料理を運んでくる。レーヴェンは髪の色はアルムと同じ黒色だが顔立ちは母のシウナに似ている。ちなみにレーヴェンとアルム以外は赤髪だ。レーヴェンだけがアルムの黒髪を引き継いだ感じらしい。
 そんな中を家族で、日常の会話を交えながら過ごす。レンは改めて実感していた。転生したんだということを。

「そう言えば、レンは冒険者を目指していたんだったか?」

 野菜を口に運びながらアトモスが尋ねてくる。

「私は冒険者なんて反対よ」

 アトモスの問いにレンが反応する前に母のシウナが反対を口にする。

「まぁ、どちらにしても七歳の適性の儀を見てからじゃないと分からないだろ?」

 適性の儀とは、魔法の適性なども含め自分の才能を確認し、これから先の生きる道を決める大事な行事だ。毎年行われ、七歳になると、教会で開かれる。姉であるレレーナも今年で、七歳。近日中に受けに行くはずだ。
 レンは早々にご飯を食べ終わると、席を立った。

「少し調べものをしたいので、先に失礼しますね」

 そのまま、食堂の外へと出た。レンの後ろにはアイラがいた。アイラはレン専属のメイドということになっている。そのため連の後についていいくのはごく自然なことだ。

「アイラ。書庫の方に案内してくれる?」
「わかりました。こちらです」

 なるなら冒険者だ。だからとりあえずはこの世界の知識と、情報をれに入れなければいけない。

「早く魔法とかも使ってみたいなぁ」

 そんなことを考えながらレンはアイラのあとを追った。




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