Waving Life ~波瀾万丈の日常~
41話 胸躍る学校行事
胸躍る学校行事
1
今日、9月1日は2学期最初の日だ。
学校での授業と同時に、学校祭の準備が始まる日でもある。
学校祭で何をするかは、今日の7時間目。ホームルームの時間に決めるらしい。
俺自身は、何かしたい訳ではない。ただ、この楽しいイベントを心から楽しみにしているだけなのだ。
友達と一緒に回るのもよし、他の学校の生徒と回るもよし、彼女と回るもよし。とにかく楽しみたい一心である。
学校祭で頭がいっぱいになっていた俺は、蘭華の呼びかけに反応出来なかった。
「ちょっと、剣也!」
「あ、あぁ。おはよう」
「どうしたの?」
「まぁね、いろいろ」
「学校祭が楽しみで仕方ないとか?」
「む、何故知っている…。お前、心が読めるのか?」
そう言うと、彼女はため息をつく。
「だろうと思った。剣也昔から、イベント事好きだもんね〜。この前の夏祭りもそうだし…」
「そりゃあ、イベントは楽しむためにあるんだから当たり前だろ?じゃあ、蘭華は楽しみじゃないのか?」
「まぁ、私も期待はしてるよ」
「期待?」
俺が質問すると、急に蘭華は顔を赤らめた。
どうしたのだろうか?
「い、いやぁ〜。今のはなかったことに…」
「お、おい蘭華!待てよ!」
蘭華は慌てて、学校へと走り出した。
何のために待ち合わせしているのだろう…。
ここで諦めて1人になって歩いてたら、なんか喧嘩したみたいに思われるじゃねぇか…。
仕方なく、俺は彼女を追いかけることにした。
「ちょっ、待て〜!」
さっきの期待とは、一体何を意味していたのだろうか?
2
『勉強を頑張って、いい成績を…』
1時間目は始業式。
何故こんな面倒くさいことをしなくてはならないのか…。
立っているだけなどつまらない…。
毎度恒例の校長の有難い言葉は右から左へと受け流した。
2時間目からは通常授業。
『夏休みの間で、感覚が鈍った〜』などと言っている声もチラホラ聞こえてくる。
夏休みに遊びまくって、勉強しなかった連中だろう。
その点、俺は勉強を頑張っていたため特に困ることなくいつも通り授業を受けていた。
授業の合間合間には、生徒間で思い出話が聞こえてくる。
『どこどこに旅行に行ったよ!』とか、『親戚の家に行ったよ!』とか、『この前は海に行ってきたよ!』とか夏休みの思い出を共有している。
もし夏休みに会っていないとすれば約1ヶ月間会話をしていないということになるのだから、久しぶりの会話は一段と楽しく感じられるだろう。
そんな、他の生徒を適当に観察して6時間目まで時間を潰した。
7時間目。
待ちに待ったホームルーム。
遂に、楽しみなイベントの1歩目を踏み出せる。
今日は、することを決める。
学級会長の西島 洋介は堂々と、教卓の前に立つ。
彼には、この姿がとても似合っていた。
「それでは、ホームルーム始めます。1ヶ月後に迫った学校祭のことについて軽く説明したあとに、このクラスで何をするかを決めたいと思います。では、説明から入ります…」
西島の説明は、約15分間続いた。
全てを語ると長くなるので、俺が簡単にまとめてみる。
今年の学校祭のテーマは『1年に1度の最高傑作を』。
1年に1度のイベントを最高のものにしようという意味が込められている。そのままだけど…。
この後いろいろ言ってたけど省略。
で、肝心なのはその省略のあと。
毎年、学校祭は1年は模擬店。2年はステージ発表。3年は夕方祭りの運営に決まっているらしい。
そのためこの年は、模擬店をすることになる。
クラスの反応は、「やったー!ステージ発表は恥ずかしかったからラッキー!」とか、「えぇ〜!劇がしたかったのに…」など賛否両論の声が上がったがそこは流石学級長。
一言、
「それぞれ思いはあるだろうが、お互いに協力しあって最高の学校祭にしよう」
と、述べただけで一気に団結力が深まった。
そして、今。模擬店を何にしようか議論がなされている最中である。
「焼きそば!」
「アイス!」
「りんご飴!」
など、生徒から出てくる案を書記が黒板に書き写している。
俺的には、どれになろうと構わない。
なぜなら楽しみはそこではなくて、誰かと一緒に回ることだからだ。
「チョコバナナ!」
と言ったのは、半弥である。
きっとまた淫らなことでも考えているに違いない。
それを察知した副委員長、白川 舞美は一瞬でその案を廃案にした。
「却下」
と、冷ややかな目で不気味に笑いながら一言言っただけで半弥の口は塞がった。
その目は、先輩や絵里の怖い時とよく似た恐ろしい目だった。
その後出た案を多数決で決めることになりその結果、焼きそばをすることになった。
殆どの生徒が納得のいった表情を見せる中、1人不満を持った生徒がいる。
もちろん、チョコバナナを廃案にされた半弥だ。
「もちろん、メイド服でやるんだよな?」
『却下』
と白川、それと白川と仲がいい絵里に一瞬で撃沈されていた。
これに懲りた半弥は、
「俺の学校祭は、たった今終わった…」
といった感じですごく落ち込んでいるようだった。
後で慰めておいてやるか…。
こうして、俺たち1年1組のイベントは焼きそばの模擬店になった。
1
今日、9月1日は2学期最初の日だ。
学校での授業と同時に、学校祭の準備が始まる日でもある。
学校祭で何をするかは、今日の7時間目。ホームルームの時間に決めるらしい。
俺自身は、何かしたい訳ではない。ただ、この楽しいイベントを心から楽しみにしているだけなのだ。
友達と一緒に回るのもよし、他の学校の生徒と回るもよし、彼女と回るもよし。とにかく楽しみたい一心である。
学校祭で頭がいっぱいになっていた俺は、蘭華の呼びかけに反応出来なかった。
「ちょっと、剣也!」
「あ、あぁ。おはよう」
「どうしたの?」
「まぁね、いろいろ」
「学校祭が楽しみで仕方ないとか?」
「む、何故知っている…。お前、心が読めるのか?」
そう言うと、彼女はため息をつく。
「だろうと思った。剣也昔から、イベント事好きだもんね〜。この前の夏祭りもそうだし…」
「そりゃあ、イベントは楽しむためにあるんだから当たり前だろ?じゃあ、蘭華は楽しみじゃないのか?」
「まぁ、私も期待はしてるよ」
「期待?」
俺が質問すると、急に蘭華は顔を赤らめた。
どうしたのだろうか?
「い、いやぁ〜。今のはなかったことに…」
「お、おい蘭華!待てよ!」
蘭華は慌てて、学校へと走り出した。
何のために待ち合わせしているのだろう…。
ここで諦めて1人になって歩いてたら、なんか喧嘩したみたいに思われるじゃねぇか…。
仕方なく、俺は彼女を追いかけることにした。
「ちょっ、待て〜!」
さっきの期待とは、一体何を意味していたのだろうか?
2
『勉強を頑張って、いい成績を…』
1時間目は始業式。
何故こんな面倒くさいことをしなくてはならないのか…。
立っているだけなどつまらない…。
毎度恒例の校長の有難い言葉は右から左へと受け流した。
2時間目からは通常授業。
『夏休みの間で、感覚が鈍った〜』などと言っている声もチラホラ聞こえてくる。
夏休みに遊びまくって、勉強しなかった連中だろう。
その点、俺は勉強を頑張っていたため特に困ることなくいつも通り授業を受けていた。
授業の合間合間には、生徒間で思い出話が聞こえてくる。
『どこどこに旅行に行ったよ!』とか、『親戚の家に行ったよ!』とか、『この前は海に行ってきたよ!』とか夏休みの思い出を共有している。
もし夏休みに会っていないとすれば約1ヶ月間会話をしていないということになるのだから、久しぶりの会話は一段と楽しく感じられるだろう。
そんな、他の生徒を適当に観察して6時間目まで時間を潰した。
7時間目。
待ちに待ったホームルーム。
遂に、楽しみなイベントの1歩目を踏み出せる。
今日は、することを決める。
学級会長の西島 洋介は堂々と、教卓の前に立つ。
彼には、この姿がとても似合っていた。
「それでは、ホームルーム始めます。1ヶ月後に迫った学校祭のことについて軽く説明したあとに、このクラスで何をするかを決めたいと思います。では、説明から入ります…」
西島の説明は、約15分間続いた。
全てを語ると長くなるので、俺が簡単にまとめてみる。
今年の学校祭のテーマは『1年に1度の最高傑作を』。
1年に1度のイベントを最高のものにしようという意味が込められている。そのままだけど…。
この後いろいろ言ってたけど省略。
で、肝心なのはその省略のあと。
毎年、学校祭は1年は模擬店。2年はステージ発表。3年は夕方祭りの運営に決まっているらしい。
そのためこの年は、模擬店をすることになる。
クラスの反応は、「やったー!ステージ発表は恥ずかしかったからラッキー!」とか、「えぇ〜!劇がしたかったのに…」など賛否両論の声が上がったがそこは流石学級長。
一言、
「それぞれ思いはあるだろうが、お互いに協力しあって最高の学校祭にしよう」
と、述べただけで一気に団結力が深まった。
そして、今。模擬店を何にしようか議論がなされている最中である。
「焼きそば!」
「アイス!」
「りんご飴!」
など、生徒から出てくる案を書記が黒板に書き写している。
俺的には、どれになろうと構わない。
なぜなら楽しみはそこではなくて、誰かと一緒に回ることだからだ。
「チョコバナナ!」
と言ったのは、半弥である。
きっとまた淫らなことでも考えているに違いない。
それを察知した副委員長、白川 舞美は一瞬でその案を廃案にした。
「却下」
と、冷ややかな目で不気味に笑いながら一言言っただけで半弥の口は塞がった。
その目は、先輩や絵里の怖い時とよく似た恐ろしい目だった。
その後出た案を多数決で決めることになりその結果、焼きそばをすることになった。
殆どの生徒が納得のいった表情を見せる中、1人不満を持った生徒がいる。
もちろん、チョコバナナを廃案にされた半弥だ。
「もちろん、メイド服でやるんだよな?」
『却下』
と白川、それと白川と仲がいい絵里に一瞬で撃沈されていた。
これに懲りた半弥は、
「俺の学校祭は、たった今終わった…」
といった感じですごく落ち込んでいるようだった。
後で慰めておいてやるか…。
こうして、俺たち1年1組のイベントは焼きそばの模擬店になった。
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