Re:legend
576:獣神化
「さて、まずはこの子をなんとかせんといけないでありんすなぁ…」
 コリンさんはそう呟きながら自身の周囲に3つの球体を創り出した。そして、それらをソラミちゃん目掛けて放つ。3つの球体はソラミちゃんに直撃してソラミちゃんから3つのものを奪い取った。
 「ふむ。視覚に嗅覚、聴覚を奪ってもまだ挑んでくるでありんすか、やっぱり血の狂乱状態の相手だと感覚を奪うくらいじゃダメでありんすなぁ」
 コリンさんはそう呟きながらもソラミちゃんの攻撃を全て捌いていた。
 「仕方ない…すこし強引に止めるでありんすよ」
 そう言いながらコリンさんはソラミちゃんに一撃、拳を撃ち込んだ。一発攻撃を受けただけでソラミちゃんはふらついた。その隙に次から次へと攻撃を撃ち込んだ。これで終わりと言うかのようにコリンさんが強力な一撃を撃ち込むとソラミちゃんは衝撃で宙を舞った。
 だが、ソラミちゃんは止まらない。血の剣を創り出してコリンさん目掛けて軽く振るった。すると、血の剣から血の斬撃が飛び出してコリンさんに迫る。だが、コリンさんは尻尾を軽く何回か振ってソラミちゃんの血の斬撃を、尻尾を振った衝撃だけで打ち消した。
 それを見たソラミちゃんはコリンさんと戦うのをやめて倒れているニコルちゃんに標的を再び定めた。今のソラミちゃんが求めているもの…それは血だけだった。
 「させないでありんすよ」
 コリンさんは獣化を発動した。いつものコリンさんの獣化とは違いとても神々しく光に包まれた巨大な狐が現れた。獣化したコリンさんは自分の尻尾でニコルちゃんを抱き上げて、尻尾で包み込んだ。
 「獣神化するのは久しぶりでありんすなぁ、あ、守るついでに回復もしとくでありんす」
 コリンさんはそう呟きながら尻尾に魔力を流した。すると、コリンさんの尻尾に包まれているニコルちゃんの体から傷が消えていった。
 「さて、時間もないし終わりにせんといけないでありんすな」
 コリンさんはそう呟きながらソラミちゃんの方を見る。そしてソラミちゃん目掛けて巨大な雄叫びをあげるとソラミちゃんは倒れたのだった。
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