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りゅう

563:混沌と純血











お互い無言のまま時は過ぎる。互いの剣と剣がぶつかり合い互いの剣を弾く。

「ふう、強いね…こうなるなら下手な合成はするべきじゃなかったな…」

エリザベータは後悔したように呟き2本目の闇の剣を作り両手に構える。そして、『純血』の力を発動させた。
エリザベータは『純血』の力で周囲に飛び散っていたヴァルキリーや堕天使の血を操り自身の剣にたっぷりと纏わせる。
そして余った分を自身の周りに彷徨わせる。

それを見たパラスアテナは光と闇が混ざった剣を消滅させて純粋な光で作った剣と純粋な闇で作った剣を1本ずつ構える。
そしてイージスの盾を4つ作り出して自身の周りを彷徨わせた。

互いが2本の剣をぶつけ合う。剣と剣がぶつかるたびに剣のスピードは増して互いを傷つけあった。

エリザベータが先にパラスアテナに大きな傷を負わせるのに成功し、好機とみたエリザベータは自身の周りを浮遊させていた血を剣の形に変えてパラスアテナを襲う。

パラスアテナはそれらを全てイージスの盾で弾きエリザベータにカウンターを決める。エリザベータに攻撃する時にはパラスアテナの傷は消滅していた。

「回復用の光か……」

エリザベータはパラスアテナの剣を一瞬睨みながら呟く。気づくとエリザベータの片手は吹き飛び無くなっていた。
エリザベータは即座に闇で自身の片手を形作り闇の剣を構えさせる。

その闇の腕を目掛けパラスアテナは強力な光を撃ち込んだ。強力な光を浴びたエリザベータの闇の腕は消滅する。

その隙にパラスアテナは間合いを詰めて2本の剣でエリザベータに斬りかかる。エリザベータは瞬時に血の剣を向けるがイージスの盾に阻まれる。

パラスアテナの2本の剣による連撃はエリザベータを斬り裂いた。
あちこち傷だらけになったエリザベータは地面に落ちて敗北を味わう。

パラスアテナはエリザベータの真上からゆっくりと舞い降りてエリザベータを見下ろす。

「これで終わりです」

パラスアテナはエリザベータにトドメを刺そうと剣を振り上げる。

「それはどうかな…私はこんなところで終わらない……」

パラスアテナが剣を振り下ろした瞬間、エリザベータは周りの血でドームを作り自分を覆う。パラスアテナがドームを破壊した時には既にエリザベータはその場からいなくなっていた。

「逃げられた……」

パラスアテナはそう呟きながらミカエラの元に向かう。そしてミカエラを抱えて最後の力を振り絞って転移魔法を発動した。













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