Re:legend

りゅう

561:光と闇の混沌









パラスアテナはイメージする。どうすれば、ルシフェルに勝てかを…

今まで、パラスアテナが魔法使いを生業とする者と戦った経験は皆無と言っていい、ヴァルキリーは基本、剣や槍をメインで戦い魔法はあまり鍛えない者が多い、故に魔法使いはヴァルキリーの村では稀な存在だった。

故に歴代ヴァルキリーで最強のルシフェル相手に全く対抗策が思いつかなかった。間合いさえ詰めることができればこっちの勝ち、それはおそらく向こうもわかっているだろう。だからそう簡単には距離を詰めさせてくれない。

現在、パラスアテナには3つの選択肢がある。1つは持久戦、距離を詰めるふりをして相手に魔法を連発させて魔力が尽きるのを待つ。だが、それはあまり得策ではない。理由は2つ、1つはミカエラが戦っているから、もしミカエラが負けた場合『純血』とも戦わないといけなくなって圧倒的に不利になる。2つ目の理由は相手が死人だということだ。死人であり魔法で蘇っているルシフェルに魔力の底があるかどうか…

2つ目の選択肢は強引に突っ込んで接近戦に持ち込む。これは論外だろう。かなり危険だ。

3つ目の選択肢はこちらも魔法で戦いを挑むか…魔法使いであるルシフェルに魔法での戦いで勝てるわけがない。

3つとも選択肢としてかなりギリギリのものだ。だが、これ以外にまともな選択肢なんてない。

ならば、かなり危険な賭けをするしかない。
パラスアテナは覚悟を決めて光と闇の槍を構えた。

「光は何よりも速く。闇は何よりも強く」

2つの相反する力、闇を矛先に、光を持ち手に集めて槍を全力でルシフェルに向けて放つ。

パラスアテナが放った槍は後方の光で光速でルシフェルのもとへ到達、そして何よりも強い闇の力でルシフェルの体を砕いた。
勝利の余韻に浸る余裕はない。早くミカエラのもとへ助太刀に向かおうと思った瞬間、ミカエラがパラスアテナの横を凄まじい勢いで通り過ぎて地面に落下した。











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