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りゅう

544:光の王












「ゆめみちゃん、ここで大人しくしてて…」
「………はい」

僕はゆめみちゃんを抱きしめてから翼を羽ばたかせミカエラの前に移動する。

「………光の王……さすがリュウ様と言わせていただきましょう…覚醒状態をまともに使えないにもかかわらず光の王の力を発動させるとは」
「ミカエラ様、危険です」
「お下がりください」

ミカエラが従えていたヴァルキリーたちがミカエラの前に立ち塞がる。

「離れなさい!全員今すぐに門の中へ…『夢海』を除くリュウ様のお仲間も中へ運んで傷があったら手当をするように」

ミカエラがそう言うとヴァルキリーたちはミカエラの言葉通り行動する。ゆめみちゃんはヴァルキリーがみんなの元にやって来るのを見てみんなを守ろうとする。

「ゆめみちゃん、大丈夫。ミカエラはみんなを傷つけるつもりはない。あとみんなにかけた魔法を解除してあげて」
「……わかりました」

ゆめみちゃんはみんなにかけた魔法を解除しみんなを夢の世界から目覚めさせる。

「リュウ、何なのその格好?」
「光の王…さすがリュウ様です」

夢から覚めたみんなが僕にいろいろ言うが今はそれに答えている余裕はない。

「みんなは先に門の中に入っていて、僕はあとからゆめみちゃんとミカエラと一緒に行くから」

僕がそう言うとみんなは黙って僕に従いヴァルキリーたちと門をくぐった。

「僕が勝ったらゆめみちゃんも一緒に門をくぐらせてもらうぞ」
「私が勝ったら『夢海』は始末します」

僕とミカエラはお互いに剣を抜き翼を羽ばたかせ宙を舞う。

「破壊の光」

僕は光の力をエリュシオンに纏わせる。ミカエラも光の力を剣に纏わせた。
僕の剣とミカエラの剣がぶつかり合いミカエラの剣は跡形もなく消滅した。

「阻害の光」

僕の操る光がミカエラを覆う。阻害の光はミカエラの視覚を奪った後脳に作用し五感を奪う。

「この程度…」

五感を奪った後もミカエラの動きは全く鈍ることはなかった。

「僕の気配を感じているのか…第六感ってやつかな?ならこれでどうだ」

僕は光の力を使い光の分身を作り出す。光の分身は大量の魔力、僕の気配を完全に再現していた。

「っ…だったら全部潰す。死なない程度に調整しますからお許しください」

ミカエラは空高く飛び上がり僕目掛けて全力の光を放つ。

先程から僕にはおかしな感覚があった。今なら全ての光を操れる自信がある。と…

「消えろ」

僕がそう呟くとミカエラの放つ光は完全に消滅した。

「強い…ですね…さすが光の王……私の負けです」

負けを認めたミカエラにかけた魔法を解いた後、僕はゆめみちゃんの元に向かった。












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