Re:legend
524:純血
「強すぎる……なんなんだお前は……」
動かなくなった3人の魔女の亡骸を信じられないといった表情で見つめながら敵はその場で崩れ落ちる。
「僕の勝ちだな…死んだ人たちを道具のように使った報い…しっかりと受けてもらうぞ」
僕はエリュシオンを敵へ向けて呟く。
「やれやれ、情けないな…それでも『死霊』の力を与えられた戦士なのか…アルドベリクよ…」
「『純血』のエリザベータか…何故ここに…」
突如敵の横に現れた黒い傘を差し黒いゴスロリの服に身を包んだ少女に敵…アルドベリクが尋ねる。
「何故って、あなたの帰りが遅いからに決まってるでしょう。あなたがやられていた場合『死霊』の力を回収しなければならないし…」
「本当に理由はそれだけか?」
「いいえ、少しあの子に興味があったの…ダンピールの女の子にね」
ゴスロリの少女エリザベータがソラミちゃんを指差しながら言う。
「誰かわかんないけど敵ってことだけは確かだよね?悪いけどソラミちゃんは渡さないよ、大人しく帰って貰えるかな…」
エリザベータが放つオーラはアルドベリクとは全く異なるものだった。ベトベトと僕の体にまとわりつく気味の悪いオーラ…オーラだけでわかる。エリザベータは強い…
「あら、渡せなんて言ってないわよ。勝手に奪っていくからお気になさらず」
いつの間にかソラミちゃんを囲う風の籠の真横に移動したエリザベータはあっさりと僕の魔法を破壊しソラミちゃんに手を伸ばす。
「そう言われてはいそうですか。って渡すと思うか?」
僕は瞬時にテレポートで移動しエリザベータの腕を掴む。
「ふふ、やっぱりあなた強いわね。あぁ、あなたの血をいただきたいわ…でも、今日のところは見逃してあげる。アルドベリク、帰るわよ」
エリザベータはあっさりと僕の腕を振りほどきアルドベリクの元へ向かう。
「なんだと…まだ、ここを陥落できていないのだぞ…」
「王のご命令よ」
「………わかった」
エリザベータの言葉を聞きアルドベリクはあっさりと引き下がった。
「逃すと思うか?」
「悪いけど勝手に帰らせてもらうわ」
エリザベータは僕にそう答えアルドベリクと共に消えた。
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