Re:legend

りゅう

498:修練場にて














「ここが修練場でございます。さっそく試してみますか?」

「私がやりたい」

エリカが真っ先に手をあげる。他にやりたい人がいないみたいなのでまずはエリカが入ることになった。

「では、中へどうぞ…中に入ったら己が超えなければならない存在が現れます。見事倒すことができれば己の限界を超える1歩となるでしょう」

「わかったわ」

エリカはそう言いながら修練場へ足を踏み入れる。

「暗いわね…」

エリカは真っ黒な空間をまっすぐに進む。そしてしばらく歩くと前がだんだんと明るくなって来た。

「ここは……」

エリカがやってきたのはただ広いだけの空間、広い土地以外何もない場所、入口や出口すら存在しない空間だった。

「………お姉ちゃん?」

エリカの前に突如ハルカが現れた。現れたハルカはエリカに向かって襲いかかる。

「超えなければならない相手…か……面白い、お姉ちゃん、覚悟してよね」

エリカはそう言いながら神器を装備してハルカの偽物と対峙する。

ハルカの偽物も弓の神器を取り出して構える。そして、一気に魔力を増大させる。

「覚醒状態にもなれるんだ。完全にお姉ちゃんを再現してるわね…本当に面白いわ…お姉ちゃんを超えてもっと強くなる。お姉ちゃんみたいにあいつと並んで一緒に戦うために」

エリカが強くなりたい動機、それは僕とハルカとの実力差だった。自分だけ置いてかれているという感覚がエリカを動かした。先の魔神王との戦いで僕やハルカの横にいられなかったことに対する悔しさがエリカをここに引き寄せた。

「絶対に強くなる。いつまでも足手まといなんて絶対に嫌、強くなってリュウやお姉ちゃんと一緒に戦ってやる!」

エリカはそう言いながらハルカの偽物に向かって行く。
















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