Re:legend

りゅう

458:雷鳴















「イズミ、イズミ、居ますか?」

外は雨にもかかわらず傘を差さずにびしょびしょの状態で屋敷に入って来たスイ様が私を呼ぶ。

「スイ様ですか?こんな時間にどうしたのですか?」

すでに時刻は0時を回っていた。なのにすごく慌てた様子で息も荒いスイ様に私は水とタオルを差し出して尋ねる。

「アクアがいなくなったのです。もしかしたらここに来ているのかと思って……」

「アクアちゃんが?どうして…」

「その様子からしてアクアはここには来ていないのですね…わかりました。とりあえず屋敷に戻ってアクアが戻ってないか確認してみます」

「じゃあ、私はアクアちゃんを探します。もし屋敷にアクアちゃんがいたら上空目掛けて魔法を撃ってください」

「わかりました。では一旦別れましょう」

「私も手伝いますよ〜スイさん、困ってるみたいですし」

突然現れたサラちゃんがスイ様に言う。スイ様は少し驚いてすぐにサラちゃんにアクア捜索の協力を頼んだ。

「で、探すって言ってもどこを探すの?」

走りながらサラちゃんが私に尋ねる。

「私とアクアちゃんがよく一緒に遊んでた場所…2箇所あるから1箇所は任せてもいい?」

「わかった。で、場所は?」

「ここから東に数百メートル先にある古い神社…もしそこにいなかったらそこから北に数百メートル進んだ場所にある川を目指して…私はそこに向かうから…」

「わかった。じゃあ、また後で…」

サラちゃんはそう言いながら東に向かう。私も急いで川に向かった。

私がサラちゃんと別れてから数分後…私がいつもアクアちゃんと遊んでいた川の近くに雷鳴が降り注いだ。

「アクアちゃん…大変…急がないと…」

もし川にアクアちゃんがいたら…と、考えると私は焦らずにはいられなかった…














「Re:legend」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く