Re:legend
455:旅立ち
「あなたから話があると言うのは珍しいですね。どうしたのですか?」
スイ様はイズミちゃんに尋ねた。
「しばらくここから離れたいと思いまして…」
「理由を聞いても?」
「はい。先日、スイ様と話し合った結果、次の代の水の魔女にはアクアがなることになりましたよね?ですが本人はその気じゃないようで…アクアが水の魔女になるまで私はここを離れようと思います…」
「それはアクアを妬ましく思って言っているわけではないですよね?」
少し考えてからスイ様がイズミちゃんに尋ねる。イズミちゃんはスイ様の問いに即答する。
「はい。アクアが水の魔女となった時、私はここに戻りアクアの補佐をしたいと考えてます」
「そうですか…わかりました。ですがここから離れると言いましたがどこか行く宛でも?」
「いえ…今のところ特には…」
「ならば少し離れた場所にある私の所有する屋敷を使いなさい。あそこなら狩ができるので食べ物に困ることもないでしょう。アクアが水の魔女となった時、使い魔を送ってあげるから…それと、もし戻って来たくなったらいつでも戻って来ていいんですからね…」
スイ様は寂しそうにイズミちゃんに言いながら屋敷の鍵をイズミちゃんに渡す。
「ありがとうございます。ですが私はアクアが水の魔女になるまでは絶対に戻りません。スイ様、アクアのことをよろしくお願いします」
「ええ、わかりました。もう、行くのですか?」
スイ様はイズミちゃんの横に置いてある荷物を見つめて言う。
「はい。早い方がいいかと思いまして…では、失礼します」
「気をつけて行くのですよ」
スイ様は屋敷の門までイズミちゃんを見送った。翌朝、私はイズミちゃんがいなくなったとスイ様から知らされる。
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