Re:legend

りゅう

451:思いを拳に












「さて、それじゃあ久しぶりにお守りをしてやるとしよう…いつでもかかって来い」

ウィズは余裕そうな表情でハーレクインに言う。ウィズの言葉を聞いたハーレクインは怒りに我を忘れてウィズに襲いかかる。

「ふう…昔、教えただろう。戦闘において感情を表に出すな…と、たしかに敵を倒したいという感情は大事だ。だが、それでいつも通りの戦いができないようじゃ意味がない…感情は心の内に秘めろ…」

ウィズはハーレクインの攻撃を全て躱しながらハーレクインに言う。

「偉そうなことばかり言うんじゃねえ!」

「やれやれ、全く成長していないな…つまらん、とりあえず戦いを終わらせるとしよう…」

ウィズはハーレクインの攻撃を躱しながら手のひらの上に魔法で小さな球体を作り出す。そしてハーレクインの攻撃を躱した直後にハーレクインの脇腹に球体を打ち込んだ。

「これで詰みだ。傲慢なる球」

ハーレクインの脇腹から球体はハーレクインの体に入って行く。そして球体が完全に見えなくなった時、決着がついた。

「結構あっけない幕引きだったな…もう少し楽しみたかったがエリカたちが気がかりだ…さっさとこれを始末して後を追わないとな…」

ウィズは一人呟く。ウィズのすぐ側にはウィズの魔法で金縛りのような状態になり動けなくなったハーレクインがいた。

「ハーレクインよ、攻撃の筋は昔より良くなっていた。だが、いくら闇の力を得たとはいえお前は接近戦に向かない。魔法を使い遠距離から戦っていればお前が勝ってもおかしくなかった。お前の敗因は私の挑発にまんまと乗り自分の苦手分野で戦ってしまったことだ。あの世でちゃんと後悔するといい…」

ウィズはそう言いながら拳にありったけの力を集める。昔から縁のある後輩に別れを告げるために…そして、ハルカが大切に思う人のために…さらに、先程までここでハーレクインと戦っていた少女のために……様々な感情を拳に集め力にした。

「これで終わりにしよう…」

ウィズはハーレクインの前に立ちそう呟いた。そして全力の拳を放つ。















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