Re:legend
448:離脱
「こうして君と戦うことになるのも久しぶりだね。さて、昔大罪の中で一番弱かった君がどこまで強くなったか見せてもらおうか…」
「お姉…ちゃん?何を……」
ハルカの中にウィズが入っているのを知らないエリカがハルカを見て呟く。
「エリカ、アミちゃんを連れてリュウの元に向かえ、あと、そこにいるユリちゃんとヒナちゃんも一緒に連れてってくれ…なるべくはやくリュウと合流してくれ…一応アミちゃんに治癒魔法をかけたがアミちゃんは今、精神的にもまずい…リュウとレグルスならなんとかできるはずだ。急いでくれ」
ウィズは小さな球体を作り球体を軽く放り投げる。闇の壁に小さな球体が当たると闇の壁は消滅した。
「お姉ちゃん…私も……」
「はやく行け!君がいても邪魔になるだけだ…」
「くっ…」
エリカはアミちゃんを担いでヒナちゃん、ユリちゃんと合流してその場を立ち去った。
「さて、これで気兼ねなく戦えるな…まあ、戦いになるのかすら怪しいがな…一方的な虐殺にならないようにしてくれよ。今、私は仲間を傷つけられてめちゃくちゃ機嫌が悪いんだ……」
ウィズはハルカの体から殺気を放ちハーレクインを睨みつける。
「ウィズ…かつて最強の魔法使いと恐れられていたからといって調子に乗るなよ…私がお前に虐殺される?逆だ、私がお前を虐殺してやる」
「上等だかかってくるといい…」
ウィズは余裕そうな表情でハーレクインに言うが、ウィズはこれっぽっちも油断していなかった。全てはハーレクインを怒らせ、ハーレクインの動きを単調にさせるためのパフォーマンスに過ぎない。昔とは違い闇の力を得たハーレクインはウィズにとって警戒すべき敵であった。かつて攻撃の手段を持たなかった者が最強の魔族、魔神王から闇の力を分けてもらい攻撃の手段を得たとなれば誰でも警戒してしまうだろう。
ウィズはシャンエリゼをしっかりと背中にくくりつけて両手を空ける。
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