Re:legend
413:友人として
「やあ、お待たせ、ごめんね。結構時間かかっちゃった」
ウィズがそう言いながらハルカの前に現れた。結構時間がかかったとウィズは言ったが実際は3分程度しか経っていない。
「強すぎる……」
「そうかな?一応私も女の子なんだし強すぎるとか言われるとちょっとショックなんだけど…」
「あっ、ごめんなさい…」
ハルカが慌てて少し機嫌を悪くしていたウィズに謝る。
「別に気にしなくていいよ。私が強いのは事実だしね。君も頑張れば私くらい強くなれるよ。君にはそれくらいの素質はある」
「そうかな…」
ウィズの言葉を聞きハルカは下を向いた。ウィズの戦いを見てハルカはとても自分では到達できない領域だと思ったばかりだった。ウィズの言葉を聞きハルカはとても複雑な思いを抱いていた。
「もっと自信を持ちなよ…君は私が認めた数少ない人間なんだから…それに…守りたい人がいる人は必ず強くなれる。君には守りたい人がいるんだろう?」
「私が…守りたい人……リュウさん…エリカ…それに私の大切な仲間…」
「君には守りたい人がたくさんいる。守りたい人の数だけ君は強くなれる。ただ1人で全てを抱え込むのはよくないと思うよ。君が彼や妹を守りたいみたいに彼や妹も君を守りたいと思ってる。人を頼るのも1つの強さだよ。まあ、頼りすぎちゃダメだけどね…」
「ウィズ…私、リュウさんやエリカやみんなを守りたい。だからもし、私や仲間達だけでどうしようもならなくなったらまた力を貸してくれる?」
「君が望むなら私はいつでも力を貸そう。ただ、代償があるのを忘れないで、君がここから出た瞬間、今回の代償は支払われる。代償が軽いものであることを祈ってるよ」
「ありがとう。ウィズ…」
「さて、そろそろ戻る時間だよ。最後にいくつか教えておくことがある。さっき君の体を借りて外に出た時に気づいたんだけど、新たに2人…いや、3人だったか…魔女が復活してる。それも厄介なことに既に闇の力を取り込んでるみたいだね。魔神王の陣営がこれ以上強くなったら君達に勝ち目はなくなる。それをしっかり覚えておくといい…」
「わかった。ありがとう。ウィズ…」
「数少ない私の友人のためだ。じゃあ、また会おう。いつでも来ていいからね。心の中で私を呼べばいつでも話せるようにしておこう。じゃあね、ハルカ…」
ウィズは少し寂しそうにハルカを見送った。
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