Re:legend

りゅう

411:『傲慢』の契約












「次に会うのはかなり先だと思ってたけど…喜んでいいかわからないけどこんなにはやく再会できて嬉しいよ」

「ウィズ…お願い、力を貸して…私じゃあいつは倒せない……」

ハルカが目の前にいるウィズに頭を下げて頼む。

「私としては君と彼、2人の力ってやつをもう少し見たかったけどそんなこと言ってる場合じゃないね…わかった。力を貸そう」

「ウィズ…ありがとう」

「ただ、私の力を使うということはそれなりの代償が必要になるけど大丈夫?」

「今のリュウさんみたいな状態になるってことですか?」

「『強欲』の代償を受けると彼みたいになるけど『傲慢』の代償は違うものだ……できれば君にあまり私の力を使わせたくない……」

「その代償は何か教えてもらえますか?」

「ああ、もちろん。君には私の力を使った場合の代償を聞く権利がある。私の代償、それは君の中にある大切な記憶を失うことだ。私の力を長く使えば使うほど記憶は失われていく。君の中にあるどの大切な記憶が失われるかは私にもわからない…ただ、大体どんな記憶が失われるかは予想がつく。おそらく君の場合、彼と過ごした記憶…や妹と過ごした記憶…仲間と過ごした記憶…下手したら彼や妹、仲間に関わる全ての記憶を失うかもしれない……」

「記憶……リュウさんやエリカ…みんなと過ごした記憶が……」

「ちなみに消えた記憶が二度と戻ることはないと思う。それでも君は私の力を使おうとするか?」

ウィズの力の代償を聞きハルカは悩んだ。僕やエリカやみんなと過ごした記憶はハルカにとって他の何よりも大切な記憶だった。

「私がやらないと…みんなを守るためにも…リュウさんがゆっくり休めるように影から支えるためにも…私の今までで私達のこれからを守れるなら今までの記憶くらい安い物です」

「そうか、君は強い子だよ…わかった。力を貸そう。なるべくはやく終わらせよう。君が払う代償が少なくて済むようにするよ…」

「お願いします」

「じゃあ、契約だ。私は『憂鬱』イザベラの討伐、もしくは捕縛、最悪でもイザベラを追い返す。その代わり君は私に君の体を預け代償を払ってもらう。それでいいかな?」

「はい。大丈夫です。ごめんなさい…私の戦いに巻き込んでしまい…」

「大丈夫だよ。私も久しぶりに戦いたかったからね。ここで見てるといい、魔族最強の魔法使いと恐れられた『傲慢』の戦い方を…」

「わかりました。よろしくお願いします」

「ああ、すぐに戻って来るよ。少しだけ待ってて…」

ウィズはハルカにそう言い残してその場から消えた。














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