Re:legend

りゅう

406:出来ることを










「お姉ちゃんだけリュウの横で寝るなんてずるいよ…」

「ごめんね。エリカ、エリカも添い寝したら?リュウさんも喜んでくれるよ」

「そんなことできるわけないでしょ…恥ずかしい…」

エリカが顔を真っ赤にしてハルカに言う。たしかにエリカに添い寝してもらえたら嬉しいよ。嬉しいけどちょっと恥ずかしいかな……

「それよりお姉ちゃん、どこに行くの?」

「王城に行ってロンさんと少し話しをしてくる。エリカは家にいて」

「わかった。気をつけてね……」

エリカに見送られながらハルカは家を出てピュレット王城に向かう。




「なるほど、この前の一件はエルフラウに封印されている『全能』が狙いだったと…」

「はい。ですからすぐにエルフラウの守りを強化してください。敵がエルフラウに攻めて来たらすぐに連絡を取れるようにもしといてください」

「わかりました。すぐにディーンの部隊とソニア殿の部隊をエルフラウに向かわせます。連絡の方はスマホがあれば大丈夫だとは思いますがもしものために連絡用の魔導具を数個手配しておきます」

「はい。よろしくお願いします」

「とこれでリュウ様のご様態は?」

「あと数ヶ月寝てれば治るみたいです」

「数ヶ月ですか…起きたらしばらくは城で寝ていた間に溜まった仕事をしてもらうことになりそうですな…」

ロンさんが笑いながらハルカに言う。ちょ、笑い事じゃないですよそれ…数日は城にカンヅメさせられそうだな……

「じゃあ私はこれで失礼します」

「わざわざありがとうございました。もし、エルフラウに敵が来た場合頼りにさせていただくことになるかもしれませんが協力お願いします」

「もちろん私達で力になれることならなんだってしますよ。じゃあ、あまり遅くなるといけないので失礼します」

ハルカはロンさんにそう言い城を出て家に帰った。

「リュウさんが起きるまで私がしっかりしないと…リュウさんみたいに全部は出来ないかもしれないけど今の私にできることを精一杯やろう……」

ハルカは帰り道にそう呟きながら僕が安心して休めるように自分が頑張ろうという決意を固めてくれた。僕はありがたく思ったが、無理はしすぎないようにと祈った。ハルカは頑張りすぎちゃうところがあるからな…心配だけど他のみんなもいるから大丈夫だろう…
























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