Re:legend

りゅう

400:『強欲』なる者











「久しぶりだな…まさか魔女ごときにやられるとは思ってなかったぜ…」

僕が眼を覚ますと僕は以前『強欲』の魔族レグルスと出会った場所にいた。

「お前は……」

「それにしてもまさか氷があそこまで強くなっているとはな…」

レグルスが一人でボソボソとなにか呟いている。

「そうだ…こんなことしてる場合じゃ……急がないと」

僕は急いで氷の魔女フロストを倒しに行こうとしたがここから出る方法がわからなかった。

「なあ、ここから出るにはどうすればいいんだ?」

僕は横にいるレグルスに尋ねる。

「あっ?しばらく出れねえぞ…お前は自分の体に負荷をかけ過ぎた。その代償だ」

「え?」

「お前、あれだけの力をなんの代償もなしに使えると思ったのか、自惚れるな。お前にはまだあの力を代償なしに扱えるだけの力はまだねえよ。もっとちゃんと体を鍛えることだな。まあ、しばらくしたら自然と体に戻れるよ。それまで待て」

「そんな……」

「まあ、でもお前にこのまま死なれても困るしな…契約だ。俺様も久しぶりに外で暴れたくなった。だからお前の体を貸せ、そしたら氷の魔女を倒してついでにお前の体を家まで届けてやるどうだ悪くない取引だろう?」

たしかに悪くない取引だがレグルスか何か企んでいるような気がしてならなかった。

「何を企んでる?あまりにも僕に利益がありすぎる」

「何も企んでねえぜ。ただ久しぶりに外で暴れたくなっただけだ。それに貴様に死なれても困るしな…」

レグルスが僕に言う。僕には何も出来ることがない今、僕に選択肢はなかった。

「わかった。頼む」

「よし、契約成立だ。お前は体を氷の魔女を倒し家に帰るまで俺様に提供する。それでいいか?」

「ああ、頼む」

僕がそういうとレグルスが嬉しそうに消えた。おそらく僕の体に入ったのだろう。

「よう。久しぶりだな氷の魔女」

「なっ、まさか…」

僕の体を持ち上げていた氷の魔女フロストが慌てて僕の体を放り出す。













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