Re:legend

りゅう

384:『強欲』の魔族












「ここは……」

僕が目を覚ますと僕は真っ黒な空間の中にいた。たしか昨晩、僕はいつも通り自分の部屋のベッドで眠りに着いたはずだ……

「やっと来たか……てことは気様はここに入ることができるだけの力を手にしたのか……」

突然周りが真っ白になり僕の前に狂暴そうな1体の魔族が現れた。僕は慌てて戦闘態勢に入り魔族から少し距離をとる。

「まあ、そう警戒するな……相棒……」

「相棒……だと……生憎だが僕は魔族と仲良くなった覚えはないぞ……」

「仲良くなった覚えはない……か……酷いこと言うなぁ……いつも協力してやってる俺様に対してそんなこと言うなよ……」

いつも協力してる?何言ってるんだこの魔族は……僕は魔族なんかの力を借りたことはないし魔族と仲良くなった覚えはない。

「まあ、貴様がわからんのも無理はない……俺様はレグルス、『強欲』の魔族レグルスだ。覚えておけ」

「『強欲』の魔族……だと……」

「ああ、これで分かっただろ、いつも協力してやってるってことの意味が……」

「ああ、分かったよ。でもなんでお前が僕の前に出てこれるんだ?」

「俺様が貴様の前に現れたんじゃねえよ。貴様が俺様の前に現れたんだよ」

「僕が……お前の前に……」

「ああ、貴様が俺様のもとに来れるだけの力をつけたってことだ。まあ、何があったかは知らねえがな。それより、外の様子が知りたいちょっと記憶を覗かしてもらうぞ」

『強欲』の魔族がそういった瞬間、一瞬僕の意識が遠のく。

「へえ、外はいろいろ面白そうなことになってるな……」

「お前…今、何をした?」

「ああ、貴様の記憶を覗かしてもらったそれより『色欲』と『憂鬱』が目覚めたか……まあこれくらいなら何とかなるだろ……」

僕の記憶を勝手に覗いた強欲の魔族が一人でぼそぼそつぶやく。

「おっ、もう時間みたいだな、一つだけ忠告しておこう。『虚無』だけは目覚めさせるな……あいつが目覚めたら貴様に勝ち目はない…じゃあ、また機会があればまた会おう」

「ちょっと待て、『虚無』ってなんだ?お前は味方なのか?」

「さあな、まあ、敵ではない…じゃあ、またな…」

レグルスの別れの言葉を聞き僕が目を開くと目の前にはいつも僕が見ている天井があった。














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