Re:legend

りゅう

356:遊びの時間








「ふう〜いい湯だった〜」

温泉にゆっくりと浸かり疲れを癒した僕は旅館の大広間に向かう。せっかくファルファさんが貸し切りにしてくれたので今日はここに泊まっていくことにした。

温泉に浸かっていた時にとなりの女風呂からいろいろとやばい話が聞こえて来たが聞かなかったことにしよう…うん。そうしよう……

「リュウさん、リュウさん、卓球しましょう!卓球!」

まさかあの会話を聞かれていたとは思ってもいないアミちゃんがサラちゃんを連れて僕を卓球に誘いに来る。

「じゃあちょっとだけやろうかな…」

僕はゆっくりと立ち上がりアミちゃんたちの後に続く。

「リュウさんはシェイクとペンどっちのラケットを使いますか?」

アミちゃんが2種類のラケットを取り出して僕に尋ねる。

「どっちでも大丈夫だよ」

昔卓球部だった頃、いろんなことに手を出していたため気づいたらシェイクとペン両方が使えるようになっていた。

「サラちゃんはどっちにする?」

アミちゃんがサラちゃんに尋ねるがサラちゃんは卓球をしたことがないみたいなのでどう答えればいいのかわからないみたいだった。

「とりあえず僕とアミちゃんでやってサラちゃんは見学って形にすればいいんじゃないかな?大体のルールがわかったら一緒にやればいいし…」

「うん。そうする…」

サラちゃんはそう言い近くのソファーに腰掛ける。

「あっ、そういえばサラちゃんにこれを渡してなかった」

僕はそう言いながらバンクカードから一台のスマホを取り出す。

「はい。サラちゃんのスマホ…使い方は…」

「知ってる…アミちゃんが使ってるのを見て覚えたから…」

「そっか、まあ、わかんないことがあったら聞いてね」

サラちゃんはさっそく受け取ったスマホで卓球について調べていた。

「じゃあリュウさんやりましょうか…私、結構強いですけど手加減はしませんよ…」

「僕も結構強いと思うから遠慮なくかかっておいで」

僕はラケットを構えてアミちゃんに言う。アミちゃんがその場でピン球を高く上げてサーブを放つ。

かなり速いサーブだが回転が全くかかっていない。僕は全力でドライブをかけてアミちゃんのコートに返す。

アミちゃんのラケットにピン球が当たるとピン球が浮いた。僕のコートにふわりと着地したピン球を僕は全力でスマッシュする。

「リュウさん、強いですね…」

いきなり1点取られて少し悔しそうなアミちゃんが僕に言う。

アミちゃんが再びサーブの構えをする。先程とは違う構えだった。












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