Re:legend

りゅう

331:目覚め








目がさめるといつも見ている天井の下にいた。

「ようやく起きたみたいね…大丈夫?」
「リュウさん、大丈夫ですか?」
「リュウ、大丈夫?」

起き上がろうとしていた僕にハルカとエリカが抱きついてくる。その後ろではメグがニヤニヤとこちらを見つめていた。

「うん…もう大丈夫みたい…他のみんなはどうなった?」

「………………フランとニコルちゃんは命に危険はありませんがいつ目覚めるかわからない状態です。騎士団団員にも死人はいません」

ハルカが僕の質問に答えてくれる。

「アミちゃん…は…」

「………………………」

「くっ………」

「待ちなさい!」

部屋から飛び出して行こうとした僕をメグが止める。

「どこに行く気?」

「砂の魔女サラのいるところに決まってるだろ!アミちゃんを助けないと…」

「ダメよ…砂の魔女には手を出しちゃダメ!あなたが強いのは知ってる。あなたが風の魔女を倒したことだってわかってる。それでもダメ…あいつは次元が違う」

メグが慌てた様子で僕に言う。

「リュウさん、私が感じた魔力だけでも砂の魔女がかなりの強敵だとわかりました…たぶん今のリュウさんが行っても…」

「勝てないって言うのか…でも、アミちゃんをほっておくわけにはいかない、ハルカ、ごめん…」

僕はそう言いながら部屋から出ようとする。

「リュウさん、待ちなさい」

ソフィラさんが僕の前に立ち塞がる。

「ソフィラさんも僕を止めるんですか…」

「ええ、アミちゃんのためにもあなたを止めます」

「アミちゃんのため?アミちゃんのことを考えてるなら今すぐにでもアミちゃんをたすけに…」

「何言ってるんですか?あなたは一度サラさんに敗北したんですよ。敗北したあなたを助けるためにアミちゃんはサラさんについて行った。今、あなたがサラさんの元に行ってもまた敗北するのが目に見えてます。アミちゃんはあなたが負けるのを望んでませんよ。今は耐えなさい、傷を治して力をつけなさい。サラさんのところに行くのはそれからです。大丈夫、サラさんはアミちゃんを傷つけるような人じゃありませんから…」

ソフィラさんの言葉を聞き、僕はもっと強くなることを決意する。

「リュウ、あんた1人で背負っちゃダメだからね」
「私達もアミちゃんを助けるために一緒に戦いますから」

ハルカとエリカが僕に言う。僕はとりあえずフランとニコルちゃんの様子を見に行くことにした。













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