Re:legend

りゅう

312:信じてます








「アミちゃん、入っていいかな?」

僕はアミちゃんの部屋をノックして尋ねる。

「いいですよ…」

アミちゃんが部屋の中から弱々しい声で僕に言う。アミちゃんの返事を聞き僕はアミちゃんの部屋の扉を開ける。僕が部屋の中に入るとベッドの布団の中でうずくまっていたアミちゃんが布団の外に出る。

「行くんですか?」

アミちゃんが立ち上がりながら僕に尋ねる。

「うん…ごめん。アミちゃんが僕達のことを心配してくれるのは嬉しい。だけど僕は戦う。これ以上魔女や魔族に好き勝手させないために」

「リュウさんは強いですね…」

「そんなことないよ。僕だって本音を言えば戦いたくない。だけどアミちゃんやみんなを魔族や魔女から守るために僕は戦う」

「リュウさん…ごめんなさい…わたし、弱くて…」

アミちゃんが泣きながら僕に言う。

「大丈夫、アミちゃんは僕が守る。だからここで待っててくれ、必ず風の魔女ウィルモアを倒すから」

「信じてます…」

そう言いながらアミちゃんが僕に抱きつく。僕はアミちゃんをそっと抱きしめる。

「2人で何やってるんですか?ずるいです!」

僕とアミちゃんが驚いてアミちゃんの部屋の扉の近くを見るとニコルちゃんが立っていた。

その後ニコルちゃんにも抱きつかれた。

「じゃあアミちゃん、行ってくるね」
「行ってきます!」

「気をつけてくださいね。私、リュウさんのことを信じてますから」

僕とニコルちゃんの言葉を聞いたアミちゃんが僕達を見送ってくれた。




「さあ、みんな準備はできたか?」

僕はピュレット王城の前に立つ騎士団のみんなに尋ねる。みんなやる気はあるようだ。

「じゃあ早速行くぞ!」

僕はそう言いながらラスと共にドリフトをその場にいた全員に使用した。




「リュウさん…みんな…頑張ってください…」

アミちゃんは部屋の中でそう呟いた。















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