304:同化

空高く飛んだソニアさんを追いかけてコヨミちゃんもジャンプして一気に飛び上がる。

「てやぁ」

コヨミちゃんがドラゴン目掛けて回し蹴りを放つ。コヨミちゃんの攻撃は見事直撃した。

「くっ…」

コヨミちゃんが空中で自身の足を抑える。

「いけませんよ、敵に隙を見せては…」

ソニアさんがコヨミちゃん目掛けて容赦なく槍を振る。コヨミちゃんは空中で1回転し、なんとかソニアさんの攻撃を躱して地面に落ちていく。

「あの装甲をなんとかしないと…」

コヨミちゃんがソニアさんが乗っているドラゴンを見ながら呟く。

「獣化」

コヨミちゃんが獣化を発動させ半獣化状態になる。

「獣化ですか、その歳ですごいですね…」

空中からコヨミちゃんを見下ろしているソニアさんが呟く。

獣化したコヨミちゃんが思いっきり飛び上がるとコヨミちゃんは一緒でソニアさんより高い位置にいた。ソニアさんが慌ててドラゴンにブレスを撃たせるがコヨミちゃんは空中で再びジャンプし、回避した。

コヨミちゃんが空気を蹴りソニアさんに迫る。

「私の勝ちです」

コヨミちゃんがそう言いながらソニアさんに一発打ち込もうとした瞬間

「同化」

ソニアさんがそう呟いた瞬間、ソニアさんとドラゴンが1つになる。噂には聞いたことがある。ソニアさん達竜人族に伝わる奥義の1つのようだ。

「ふう。これを使ったのは久しぶりですね」

ほっぺにドラゴンにような紋章を浮かべ竜のような爪と羽を生やしたソニアさんがそう言う。

コヨミちゃんが再びソニアさんに迫る。ソニアさんは羽を羽ばたかせ火の玉を放ちながら飛び上がる。

コヨミちゃんは火の玉を腕で弾きながらソニアさんとの距離を詰めていく。

ソニアさんがコヨミちゃん目掛けてブレスを放つ。コヨミちゃんはそれを回避するために上に飛ぶ。

すると、コヨミちゃんが上に飛ぶのを読んでいたソニアさんがコヨミちゃんにかかと落としを打ち込んだ。

「気絶…ですね…勝者…ソニアさん」

倒れこむコヨミちゃんを見てソラミちゃんが言う。