Re:legend

りゅう

299:最後の力







「きた!みんな!止めるぞ!」

こっちに飛んでくる火の魔法と氷の魔法と風の魔法を受け止めるべくみんなが防御魔法に力を注ぎ込むが次々と破壊されていく。

「破壊されたらすぐに貼り直せ、まだ次々と飛んでくるぞ!出来るだけ早く貼り直すんだ」

魔法が飛んできてから数秒、みんなの防御魔法はほとんど破壊されたがまだ一度も破壊されていない防御魔法を扱うヒューマニア国王がみんなに言う。あの人の防御魔法かなりすごいな…

他にもファルファさんの精霊を使った防御魔法やハルカの『傲慢』の魔法、アミちゃんの『憤怒』の魔法、エリスさんとユリウスさんとラスの結界、ユリちゃんとエリカ、エイリーンの古代防御魔法、ソラミちゃんの血の盾などはまだ一度も破壊されていなかった。

もし、みんなの防御魔法が破壊されてもある程度は僕が使った精霊神の加護が防いでくれる。

「みんな、精霊神の加護に向けて魔力を送ってくれ!」

僕の指示に従い防御魔法を使えない人達が僕の精霊神の加護に魔力を送ってくれる。みんなのおかげで精霊神の加護はかなり強化されていく。

「リュウさん、このままだと…」

フェアリーが心配そうな顔をして近づいてくる。

「ああ、かなりまずいな…」

ぶっちゃけこのままだとあと数分間しか保たないだろう…それに気づいたフェアリーが急いで寝ているエルのもとに向かう。

「エル、エル、起きて!」

フェアリーに体を揺らされてエルは目覚める。

「エルちゃん、この魔法の攻撃があとどれくらい続くかわかる?」

フェアリーがエルに尋ねる。

「うーん3人の魔女の残り魔力から考えるとあと5分が限界かな、ちなみにこの防御方法だとあと3分しかもたないよ」

「2分、それくらいならなんとか…」

エルの言葉を聞きフェアリーが呟く。

「フェアリー、何かいいアイデアがあるのか?」

「はい。ただこれが成功するかしないかはリュウさん次第です。みんなの魔力が尽きて残りが精霊神の加護だけになった瞬間、今私たちからリュウさんに送ってる力を更に上げます。リュウさんが2分間この力に耐えきることができればみんなは助かります」

「わかった。それしか方法がないし、頼んだ」

「わかりました」

フェアリーが返事をする。




3分後、エルの予告通りほとんどの人の魔力が尽きた。

「リュウさん、いきます!」

フェアリーが僕にさらなる力をくれる。

「くっ…」

思ったよりも体力を持ってかれている。2分保つかどうかわからない…

「やばいかも…」

残り30秒くらいで僕は倒れそうになった。

「リュウさん、頑張ってください」

声が聞こえた瞬間、僕の体力が元に戻る。
気づくと僕の周りにハルカ、エリカ、フラン、ニコルちゃん、アミちゃんがいた。

みんな今にも倒れそうだった。

「エリカの魔法で私たちの体力を全部リュウさんに渡しました。あとは頼みます」

ハルカがそう言いながらその場に横たわる。

「私の体力を分けてあげたんだからちゃんとみんなを守りなさいよ」
「リュウさん、信じてます」
「あとは任せました」
「リュウさん、頑張ってください」

みんなも次々と倒れていく。

「ふう、そうだった、僕はこの子達を守らないといけないんだった。安心して寝ててくれ、みんなは僕が守ってみせる」

僕はそう言いながら最後の力を振り絞った。









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