Re:legend

りゅう

295:防戦準備








「とりあえずこれで大丈夫かな?」

僕は北と南の分断壁の上に立ち分断壁の近くにいるたくさんの人達を見下ろす。

「リュウさん、確認しましたけど大陸北側には4人の魔女と魔族、魔獣以外はいません」

エルが魔法を使い大陸の北側にいないことを確認し僕に報告する。

「わかった。お疲れ様、少し休んでるといい」

「そうさせてもらいます」

エルはそう言いながら僕の肩に乗っかり眠ってしまった。やはり大陸北側全域に魔法を発動させるのはかなり疲れたようだ。ゆっくり寝かせてあげよう。僕はエルを僕の上着の上に置いた。

「さて、じゃあやりますか」

僕はそう言いながら数歩歩く。僕は大陸北側から避難させた人達全員から見られる場所に移動した。大陸北側から避難してきた人には見覚えのある人達が結構いた。ソニアさんやファルファさん達他国の国王様や各国騎士団団長などだ。あとは大陸北側に住んでいた人達もここにいる。

「えーみなさん聞いてください」

僕は全員に聞こえるように言う。そして全員に聞こえていることを確認し、大体の事情を説明した。

「嘘だ…」
「魔女が4人も…1人は味方らしいが1人で3人を倒せるわけが…」
「この大陸はお終いだ…」

などと絶望したかのような声がかなり聞こえてきた。

「皆の者!諦めるでない!」

全員が声の主の方を見る。声の主はヒューマニア国王様だった。

「今、我々を守るために戦ってくれている者がおる。なのに我々だけ諦めるわけにはいかないだろう!皆顔を上げよ!必ず助かる道はある!」

ヒューマニア国王が全員に言い放った。

「ヒューマニア国王の言う通りだ。皆、諦めるな!」

ソニアさんが力強く言う。 

「ここには各国の精鋭が揃ってます。我々全員の力を合わせれば必ず大丈夫です」

ファルファさんが優しくそう言うとその場にいた人達は希望を抱いた。助かるかもしれないという希望を…

「みなさん、僕達に協力してください。防御魔法を使える人はすぐに分断壁の上に上がってきてください」

僕の言葉を聞き1人また1人と少しずつ防御壁の上に上がり始めた。数十分後には分断壁のあちこちに僕がドリフトで分断壁各地に人を送ることができた。

分断壁の上にいる人達が一斉に防御魔法を発動させる。

「次に遠距離系の魔法が使える人は魔法を放つ準備をしてください」

僕の言葉を聞き全員が魔法の準備を始める。僕は遠距離系の魔法が使える人を分断壁の前に設置した。できればこの分断壁まで攻撃が届いてこないことを祈りたい。









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