Re:legend

りゅう

287:獣化の限界







「仕方ありません、最近覚えた技を試させてもらいます」

コヨミちゃんがバリドスにそう言い放ち構え直す。

「試す?何をだ?」

「あなたの鉄壁とやら、私の修行にちょうど良さそうなので修行相手になって貰おうと…」

「修行?そんなことしなくてもどうせ殺されるんだから大人しく殺されたらどうだ?」

「弱い犬ほどよく吠える。私が忠誠を誓ったご主人様が言ってましたよ」

そういえばこの前スマホでアニメを見てる時コヨミちゃんが近くに控えてたな…

「私のことが弱いと?」

「ええ…」

「心外ですね…そうだ、なら1分間時間をあげましょう。その間私は魔法を使う以外の行動をしません。好きなだけ攻撃をしてきなさい」

「随分と気前がいいですね」

「実力の差を見せつけるためのパフォーマンスですよ」

バリドスがコヨミちゃんを侮るような目で見る。

「後悔しないようにしてくださいね」

「ご心配ありがとうございます。あなたこそ自爆のようなマネはやめてくださいね。私の鉄壁を破れなくて大怪我をされてはつまらないですから」

「無駄な心配をありがとう」

そう言いながらコヨミちゃんは全身に力を貯める。

「獣化…75%」

コヨミちゃんが完全な獣化に更に近づく今までは半獣化だったようだから50%で戦っていたということか…つまり単純な計算でコヨミちゃんの戦闘能力は先程の1.5倍になったということだ。

「獣人流武術、八卦八極拳」

コヨミちゃんがバリドスに一発打ち込む。コヨミちゃんの一撃でバリドスの魔法が破壊される。二発目、バリドスに直撃した。その後、三発目、四発目、五発目をバリドスはノーガードでくらった。そして右手の六発目、左手の七発目、尻尾での八発目を同時にくらいバリドスの意識が吹き飛ぶ。

「ふう、やっぱ75%まであげると疲れがすごいですね…」

コヨミちゃんが近くの岩にもたれかかる。

「当分、動けそうにないです…」

コヨミちゃんが一人で呟き、岩の上で休息をとることにした。










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