Re:legend

りゅう

285:蹂躙







さて、先程トンチンカントリオを倒したヒナちゃんとソラミちゃんが移動した先で見た光景、それは…

「助け…て…グハッ」
「あんなのに勝てるわけ…」
「トンチンカン様がやられたみたいだぞ…」

などと絶望している魔族達と仲間たちが戦っている…もとい、仲間たちが魔族を蹂躙している場面だった。

今現在、ヒナちゃんとソラミちゃんは村の近くの高台にいる。ここからなら魔族達の動きなどがよくわかるからだ。

そこで見た光景、それは村の南側、みんながこの村に侵入した場所の近くでイナズマに乗ったユリちゃんが次々と魔族を討伐していく場面。

その他にも各地の状況がよくわかる。

まず村の中心部、もっとも魔族の数が多い場所では…

「とりあえず魔法を放て!」
「1匹ずつ落として仕留めるぞ!」
「羽だ!羽を狙え!」

などとはるか上空にいる3匹のドラゴン目掛けて魔族達が必死に魔法を放ち続けていた。

『やれやれ、うるさいやつらだ』

『スカーレッドよ、無駄口を叩いでないでさっさと敵を片付けるぞ』

グランブルーがブレスを止めてスカーレッドに言う。

『はいはい。わかりましたよ。ファイアブレス』
『ウォーターブレス』
『緑龍のはばたき』

スカーレッド、グランブルー、エメラルドの上空からの攻撃により次々と魔族が倒れていく。

「あそこは大丈夫そうですね」

「そう…ね…」

あまりに無慈悲な蹂躙をヒナちゃんとソラミちゃんは苦笑いをしながら見ていた。

ほかの戦場も酷いものだった。 




村の北西ではエイリーンが戦っていた。

次々とやってくる魔族達を氷の魔女フロストの力の一部を憑依したエイリーンが次々と魔法で凍らしていく。

すでに村の北西は完全に氷漬けになっていた。氷から抜け出そうと頑張る魔族達は皮が剥がれたりしてかなりやばい状態になっている。そんな魔族達もエイリーンは容赦なく凍らせていった。




南東の戦場ではコリンさんが戦っている。

ヒナちゃんとソラミちゃんが高台から戦いの様子を確認していた頃は普通に魔族達を1人ずつ倒していたのだが…

「獣化」

コリンさんのこの一言が魔族達をさらに絶望させた。巨大な狐の姿になったコリンさんが巨大な尻尾で魔族達をいっぺんに薙ぎ払う。

「闇夜の誘い」

コリンさんの獣化魔法が魔族達を襲う。獣化魔法により次々と倒れていく魔族達に次々とコリンさんがとどめを刺す。





「もう私たちの出番はなさそうですね…」

戦局をみたヒナちゃんがソラミちゃんに言う。

「そう…だね…」

数十分後にはこの村で全ての戦いが終わった。








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