Re:legend
276:ラスの戦い
さて、時は少し前、僕がみんなを各地に送り届けた後まで戻る。
『目的地への到着を確認。制圧に移ります』
ラスが全機に指示を出す。全部で11機の機械族を送り込んだナラハ村ではラスを中心に魔族の制圧をするように言っておいた。
『各機散開して敵の殲滅に向かう』
『一時停止を要求』
ラスの指示を聞き、テトラがいう。
『戦闘前に全機に新たな武器コマンドの配布を行う』
ペンタが言うとラスは納得したようで全機に新たな武器コマンドを受け取るように言う。テトラとペンタが全機に新たな武器コマンドを配る。
『『さあ、各機散開して新たな武器コマンドの試運転をしに行くのです!』』
テトラとペンタがニヤニヤしながら全機に言う。
ラスが全機に散開するように指示を出すと11機の機械族はそれぞれ別の場所に飛び立っていく。
ラスが村の中心近くの建物のすぐ側で着地する。
『そこにいる方、早く出てきなさい』
「なんだーバレてたか、つまんないな〜」
ラスの言葉を聞き小さな男の子の魔族がラスの前に現れる。
『悪意剥き出しの強い魔力があればだれでも気づく』
「ははは、まあそうだろうね」
男の子の魔族がその場で笑う。その笑いは貴様を殺すことなど容易いとでも言うかのようだった。
『戦闘開始準備、武器コマンド03展開』
ラスがそう呟くとラスの周りに10個ほどの球体が浮かぶ。
「へえ、やっぱり機械族だったか…こんなレア種族の生き残りとやれるなんてラッキー」
魔族の男の子はすごく嬉しそうにしていた。が、ラスとの戦いが始まるとすぐに劣勢になる。
戦い開始直後、ラスが出した10個に球体が魔族の男の子を襲う。ラスは機械族の優れた計算能力を使い10個の球体を次々とぶつけ合いピンボールのような感じで球体を操作していた。ラスには球体がどこからどこへ飛んでいくのが手に取るようにわかるが、魔族の男の子は球体の動きについていくだけで精一杯のようだった。
『発動:エクスプロージョン』
動き回る球体の囲いから抜け出せない魔族の男の子にラスが容赦なく魔法を打ち込む。ラスが魔法を打ち込んだ場所から半径数十メートルの場所は荒野と化していた。
『一番厄介そうな魔族撃破完了、殲滅戦に入る』
テトラとペンタが用意した新たな武器コマンドを使うまでもなくこの村のリーダーとのけりがついてしまったので後でテトラとペンタにどうして新しい武器コマンドを試さなかったとラスは問い詰められるだろうなぁ…
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