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りゅう

257:剣鬼と透花







僕と女の子2人が対峙し真ん中をコインが舞う。
コインが地面に落ちる直前、僕は『剣鬼』の魔法を発動させる。女の子が何かを察したのか剣を持つ手が強くなる。

コインが地面に落ちる。

瞬間、刹那にして僕と女の子の剣が交わる。女の子は『透花』の力をめいっぱい使い攻撃を仕掛けてきたが僕の『剣鬼』の魔法の前ではまったく意味を持たなかった。

僕の剣が女の子に当たりそうになるが女の子がなんとか回避した。

「はあはあ、やっぱりかなり強いですね…魔法は使わないんですか?」

女の子が息を荒げながら僕に尋ねる。

「いや、僕が魔法使うとたぶん勝負にならないから…」

「へー、じゃあ私が勝ったら魔法ありでやってください」

「あぁ、いいよ…」

まあ正確には現在『剣鬼』の魔法を使っているのだが黙っておこう。

「じゃあ、私、本気でいくから」

女の子は僕にそう言いながら剣を構え直す。剣を片手で持ち、僕の方にまっすぐ向ける。そして剣を顔の横に持っていき、空いてる手は僕に向ける。まるで僕に狙いを定めるかのように…

刹那、一瞬にして女の子が僕の目の前に現れた。
女の子が僕に向けて剣を突き出してくる。

だがそれも『剣鬼』の前では恐るるに足りないと思っていたが次々と突きを放つ女の子の動きが少しずつ早くなっているような気がする。実際、かなり早くなっていた。徐々に『剣鬼』の力に近づいてきてついには互角という場所まで到達した。

女の子の突きを僕が剣で受け止めた。その瞬間、僕の剣が折れた………

「え?」

僕は驚きのあまり間抜けな声を出してしまった。女の子も突然の出来事に驚き、その場で少しフリーズしていた。

「やばっ」

僕は慌てて女の子から距離を取る。

「悪いけど魔法を使わせてもらうよ」

「えぇ、ご自由に」

女の子は嬉しそうに微笑む。

「テレポート」

僕は一瞬で女の子の後ろに移動し、女の子の剣を蹴り飛ばす。そのまま女の子の目の前に拳を突きつける。

「参りました、私の負けです」

女の子が負けを認め僕の勝ちとなった…やっぱり魔法使ったら勝負にならなかったな…







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