Re:legend
188:解決
「ファルピッテはいますか?」
騎士団の訓練所に入りファルファさんが大声で叫ぶ。
「どうかしましたか?」
ファルファさんの呼びかけに応じてファルピッテが僕達の前に現れる。
「お久しぶりですね…ファルピッテさん」
「ほう…どうやって見つけたのでしょうか?」
「つまりあなたが主犯ということであってるのですね?」
「はい。あってますよファルファ様…」
「そうですか…残念です…」
ファルファさんはそういいながら自身の契約精霊を呼び出す。
「今はファルファ様達と戦おうとは思いませんね…失礼ですが撤退させていただきます」
「逃げられると思ってるのですか?」
ファルファさんがそういい終わる頃にはファルピッテは僕達に包囲されていた。
「そういえばファルファ様にも教えていませんでしたね…私の魔法『時空』を…」
「『時空』?」
「えぇ、詳細は話す訳にはいかないのでこれで失礼します…あっ、ピュレット国王様、あなたが戻るまでにピュレットは制圧させていただきますね」
「なんだと?できるもんならやってみろ」
「では…」
ファルピッテは魔法を発動させ穴のようなものを作り出す。
ファルピッテがその穴をくぐると穴は消えてファルピッテはその場からいなくなった。
「エル、ファルピッテは今どこにいる?」
僕はエルに魔力を流しながら問う。
「今、ピュレットの家にいるみたいです。近くにエリカさんの反応もあります」
エルが魔法を発動させて答える。
「みんな、急いで家に戻るぞ」
「あの、私も連れてってもらえませんか?」
ファルファさんが僕達に言う。
「わかりました。転移魔法を使うので動かないでください」
「わかりました」
僕はファルファさんとその場にいたエルフラウ騎士団の団員達と仲間のみんなとエリカから借りた馬車にドリフトを使い家に帰る。
「ここは?」
王城の前で馬車の番をしてもらっていた2人が不思議そうな顔をするが僕達は急いでエリカのもとに向かった。
「あんた…ファルピッテとか言ったっけ?なんでここにいるの?」
急に現れたファルピッテにエリカが問う。
「何ってピュレットをいただきに来たのですよ…おい、シェリーもたもたしてないでさっさとピュレット国王に変身しろ」
ファルピッテが『色欲』の女に指示をだす。
「わかってますよ…あれ…?」
「残念だったな…」
僕はテレポートでファルピッテの後ろに移動する。
「エンチャント:『禁魔』」
僕はファルピッテに触れ、エンチャントで『禁魔』の効果を付与する。
これでファルピッテは魔法が使えなくなった。
「何故、お前達がここに?」
「転移魔法で移動してきたから」
「なんだと…」
ファルピッテが完全に計算外とでもいいたそうな顔をしていた。
「まあ、いい…精霊よ敵を倒せ」
ファルピッテが自身の契約精霊に指示を出す。
「フェアリー頼む」
「はい、精霊神の名の下に命じます。ファルピッテとそなた達の契約を無効化させます」
フェアリーがそういうとファルピッテが付けていた2つの指輪にはめ込まれていた石が2つとも割れて精霊との契約が完全に無効化された。
「嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…嘘だ…こんな現実…嘘に決まっている」
「アホか…」
エリカがそういいながらファルピッテの腹に拳を打ち込む。
ファルピッテへ一撃で気絶していた。
その後『色欲』も捕らえられた。
「さすがリュウだね、この短時間で解決するなんて」
白が僕のもとに現れる。
白は2人から魔導書を取り上げ、僕に渡す。
「コピーしなよ『強欲』らしくさ…」
「ああ、ありがとう」
僕は2つの魔導書の魔法をコピーして白に魔導書を返す。
「『     』の名の下に汝らから『時空』と『色欲』の称号を剥奪する。」
白がそういうと2つの魔導書が真っ白になった。
その後僕達はファルファさん達をエルフラウまで送り届けファルピッテ達をピュレットの牢獄にぶち込んだ。
今頃2人は詳しい事情聴取をされているだろう。
「お姉ちゃん」
「エリカ…心配かけてごめんね…」
「たまにはお姉ちゃんに心配かけられるのも悪くないかも」
「そんなこと言って泣きまくってたくせに」
「リュウ、余計なこと言うな…」
「はい…」
エリカの本気の眼差しを受け僕は黙り込んだ。
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