Re:legend

りゅう

168:新たな契約





作戦開始から3時間後…

フランとミレイユさんの小隊は船に乗り、ビワ村に向かっていた。

「フラン様、あともう少しでビワ村に到着します。」

「わかりました。私とミレイユさんと小隊メンバーの半分で魔族討伐を行います。それ以外の方はビワ村にいる人々の救助と安全確保を」

「了解です」

ミレイユさんが返事をした瞬間…
巨大な音とともに船がゆらつく。

「小隊メンバーに告ぐ。今すぐ現状を確認し報告せよ」

ミレイユさんの指示を聞き、1人の小隊員が前に出る。

「報告します。現在水中から魔族による攻撃を受けております。」

「ミレイユさんはこのまま船で進んでください。私は水中の魔族を撃退します」

「え?ですが…」

「ポチャとしゃちほこがいるから大丈夫です。あなたたちは村に行きなさい」

そういいながはフランは契約精霊のポチャとパートナー魔獣のしゃちほこを呼び出し湖に飛び込む。

ポチャの魔法により水中でもフランは呼吸ができ、ある程度自由に動ける。
フランはしゃちほこにまたがり水中の魔族目掛けて槍を構える。

「フラン様が敵を引き付けてる間にビワ村に上陸します。急いで上陸準備を」

ミレイユさんの指示に従い兵士たちが慌てて上陸準備をする。

「間も無く上陸します」

ミレイユさんに報告しに来た兵士がそう言った直後船が少し揺れて陸と船の間に橋がかかる。

船の見張りに数人を残し、ミレイユさん達は村人の救助に向かった。

「魔族の気配がありませんね…」

ビワ村に上陸したミレイユさんが異変に気づく。

「ミレイユ様、囚われている人間を発見しました。」

ミレイユさんは急いでその場にむかう。
そこに囚われていた人達を解放し、事情を伺うとどうやら湖に船を確認したため魔族は全員で船の迎撃に向かったみたいだ。

普通少しくらい兵を残すだろ!馬鹿なのかここにいた魔族は?





その頃水中では…



次々と迫り来る魔族をフランが全て撃退していた。

「敵の数が多すぎる…」

しゃちほこに乗り敵に囲まれないように立ち回っていたが次々と迫り来る魔族についに囲まれてしまった。

「まずい…」

フランがそう思った瞬間周りにいた魔族に急な水圧がかかりフランを救う。

「今何が?」

『待ちわびたぞ』

フランが謎の声を聞く。

「あなたは?」

『私はこの湖に眠りについていた水を司る大精霊メロウあなたを待っていました。あなたと契約を結ばせていただきたい』

「え?ポチャがいいって言うなら是非お願いしたいんですけど」

フランがポチャの方を見るとポチャが頷く。

「是非私と契約してください。」

『わかりました。私の姿をイメージしていただきたい。そうすれば私はその姿でこの場に顕現できます』

「わかりました」

フランがイメージすると目の前にイメージ通りの大精霊が現れる。メロウは小さめの人魚のような大精霊になった。手のひらにおさまりそうですごく可愛らしい。

「フランさん、これからよろしくお願いします。フランさんにこれを渡しておきますね」

メロウはフランに指輪を渡す。

「その指輪には大量の魔力がストックされています。量にして私が1万年は顕現できるくらいです。その指輪の魔力はフランさんが自由に扱えますので」

「じゃあ、これであなたとポチャをずっと顕現させられるってこと?」

「はい。」

メロウの返事を聞きポチャが少し嬉しそうな動きをする。

「さて、とりあえず周りの邪魔者をたおしますか」

「そうですね、メロウ、ポチャよろしくお願いします」

フランがそういいながら槍を構え直す。






コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品