Re:legend

りゅう

102:第一試験開始

ピュレット騎士団選抜試験当日

「お待ちしておりました。」

僕が王城に入るとロンさんが出迎えてくれた。

「どれくらいの人数集まりましたか?」

「えーと…約600人ほどで…」

「え?」

僕の問いにロンさんが引きつった笑みを浮かべながら答える。
600人って多すぎだろ…

「とりあえず王城前の広場に移動してください。」

ロンさんの後ろに続き王城前の広場に移動する。
王城前の広場にはかなりの人がいた。

「えーではこれよりピュレット騎士団選抜試験を開始いたします。まずはこの国の国王である涼宮竜様より一言いただいたあと第一試験の説明をしていただきます」

ロンさんのどうぞと言う言葉を聞き僕は舞台に上がる。600人の前で話すなんて初めてなのでかなり緊張している。

「えーみなさんごひげんよう」

しまった噛んでしまった。後ろでロンさんや役人の人が必死に笑うのをこらえていた。ロンさん達につられて笑うまいとしていた受験者の方々も笑い始めてしまう。穴があったら入りたい…
僕は顔を真っ赤にしながら話を続ける。

「僕はこの国、ピュレットの国王涼宮竜です。本日はピュレット騎士団選抜試験にお集まりくださりありがとうございます。こんなにたくさんの前で話すのは初めてなのですごく緊張していますがご了承ください」

僕の言葉を聞き必死にこらえていたロンさんが吹き出してしまう。周りの人達もロンさんにつられていた。

「本日の選抜試験是非頑張ってください…続いて試験内容の説明に入りたいと思います。」

「リュウ様少々話すスピードがはやいです。もう少しゆっくりと」

恥ずかしくて早口になっていた僕にロンさんが小声で伝える。
僕はロンさんの言う通り少し話す早さを抑えながら話しだす。

「まず第一試験の内容ですが簡単に言うと皆さんに鬼ごっこをしていただきます。」

僕の言葉を聞き受験者達がざわつく。何故鬼ごっこ?と言う声が聞こえてくる。

「皆さんには鬼役の人達から逃げていただきます。時間は1時間です。」

たったの1時間?などと言った声が聞こえるが気にしない。後で絶対1時間でよかったと思うことになるからだ。

「鬼ごっこの範囲はこのピュレットの街の中とします。街の周りには結界が貼ってあるので絶対でれません。ただし建物の中に入るのは禁止です。鬼に捕まった人は鬼と共にこの広場に戻ってきてください。もし捕まったのに逃走を続けた場合即失格とします。また捕まったら第二試験には進めませんが敗者復活試験のようなものを用意しているので諦めないでください。捕まっても逃走を続けた場合敗者復活試験には参加できません。次に鬼役の方々を紹介します。今回の試験の鬼役は僕とこの国の全国民とします。なお鬼役への攻撃はナシとします。鬼役に攻撃した時点で失格となるので気をつけてください。では、始めます。
第一試験開始‼︎」

僕の掛け声を聞き王城から国民の皆さんが飛び出す。広場の後ろと右側からも国民の皆さんが迫る。今回国民の人達に協力を頼んだらみな引き受けてくれて助かった。ロンさんも気合いを入れて走りだす。

迫ってくる国民をみて受験者達は慌てて国民が来ていない西側の門へ走る。

ちなみに西側の門の目の前には我が家があるので皆さんお気をつけて。
心の中でそう呟き僕も走りだす。

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