銀狼転生記~助けた幼女と異世界放浪~

テケテケさん

003 ~俺、狼(笑)になりました~

『おーい! 起きてー! おにーさーん!!』

 ん? 
 なんだ? 
 頭んなかに直接声が…。
 ま、いっか。もうちょい寝させtzzzzzzzzzz。

『ちょ、ちょっと! おにーさん!? 起きて!』

 ……しゃあねえなぁ。

 俺は渋々、目蓋を持ち上げる。

 ……知らない天井だ。 

 あっ!
 死ぬまでに言いたいフレーズランキング上位のワードをついに使っちまった!


『なに馬鹿なこといってんのさ。はやく起きて!』

 うるせえな。
 ちゃんと起きるわ!
 俺は自身の手を地面について、高校生にしては小柄な体を起こす。

「んっ。しょっと……ん? 洞窟か?」

 そう洞窟だ。

 まるで、この場だけくり貫かれたような丸いドーム型の空間。
 ごつごつとした岩肌、光るキノコに輝く鉱石。
 地面についた手からは、ダイレクトに岩の感触と湿り気を感じる。

『ああ、やっと起きたぁ。お寝坊さんだなぁ』

 また聞こえた。
 これは幻聴か?
 辺りを見渡してみるが、誰もいない。

『ブッブー! 幻聴じゃないよ。 おにーさん!』

 んなっ! 心を読み取りやがった!
 何もんだ!? おまえ!!

『私? 私は”邪神ちゃん”! とぉっても偉い神様だよん』

 ……頭沸いてんのかお前?
 まさかの自称神様だったか。

『あーっ。信じてないなぁ? 信心深い子には”転生の儀”をしてあげようと思ったのに』

 転生の儀?
 なんだそれ?

『転生の儀はね~。神の力を持つ者が手を貸すことによって初めて行える儀式で、対象者の望む姿に生まれ変わらせることもできるんだ!』

 なっ! なんだって!
 じゃあ、俺をかっこいい姿に生まれ変わらせることもできるのか!

『もっちろんできるよ! そんなの「お願いします! 神様!信じます! 信心深き私をかっこいい姿にしてくださいませ!!」……うん、いいよ』

 ありがとうございます!!

『じゃあ今からそっちに行くね』

 はい! ん? ソッチニイク?
 それってどういう?
 その時。

 ポンポン

 肩を叩かれたので振り返る。

 ……紫髪で白ワンピを纏った幼女が宙に浮いていた。

「え! あ、お、お、ぉおおおオバケェエエエエエエええええええ!!??」

 ギャーーー!!
 お化けはマジデムリです!
 スミマセンコロサナイデコロサナイデコロサナイデコロサナイデ……

『ちょちょ!! 私だよ!! かっわいくてプリチーな神様。邪神ちゃんだよ! おにーさん取り乱しすぎだよ!!』

 コロサナイデコロサっ……
 え? あっ! 神様か。
 良かったー
 グスッ。
 で、早く転生さしてください。

『すごい変わり様だね。こっちがびっくりしちゃった。まあいいや、転生させる前に一つ約束してくれる? 私の言うことは聞いてね?』

 はい。いいですよ。
 ですから早く転生の儀を!

ニヤリ>『よしっ! じゃあ始めるね! 目を閉じて姿勢を正して』

 ああ、これでやっと!(なんか今笑わなかった?)
 本物の男になれる!(大丈夫かな?)
 とそこまで考えたとき。
 俺の足下から光の柱が伸び、俺の体を光が包み込むのを感じる。
 体の変化に伴い洞窟内に凄まじい光の奔流が流れ、閉じた瞼の裏が真っ白になる。
 それと同時に身体中に走る痛み。
 ただせさえ低い身長がさらに縮むのを感じる。
 頭や尻に違和感を感じる。
 思わず手を地面につく。

 ───俺、何に転生させられてんの!?



 しばらくして光の奔流が徐々にその勢いを失っていく。

 ───終わったのか?

 おそるおそる目を開けるとそこには……
 鏡に小さくてかわいい子犬が写っていた。

 ほわぁあああああああああああああい!!!???

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