操術解除

「……はぁ…はぁ……もう魔力が…」

支配し破タイラ壊するント我こそがドミネ暴君であるーションは魔力の消費が激しい上に魔法が解けた時の酔いがやばい……今まで無かった光、音、感覚、全てが一気に戻ってくる

「全身が痛ぇ……やるなぁクレールの弟子。普通の戦いだったらこのまま負けてるんだろうが、操られてる俺にはその症状はないみたいだ。いや、実際にはあるけど体は正常に動いてる。出来ればさっさと逃げてくれ」

んな事言われたって動けねぇんだよ……

悪いな…ジャンヌ……最後まで誓いは守れそうにない…

「キラーボイス」

細胞を破壊する音撃。もうメロディドミネートも使えねぇ…ここでリタイアか

「絶対防壁アブソリュートウォール」

音が届くという瞬間に、突如目の前に現れた魔力の障壁。こんな魔法を使える奴なんて1人しか知らない……いいタイミングだ。副団長

「俺の仕事は部屋の防衛だったんすけど……ベリアルさん見捨ててまでやる仕事じゃないっスよね」

この間にどうにか体制を整えねぇ……と？

ベリアルの眼前には倒れたファングとそれに驚いているシェスト

「ははっ！……分かんねぇけど、やったみたいだな。メリル」

こうしてベリアルとファングの戦いは終わった

……
………
…………

「どうやら……なんとかなったみたいですね」

そう呟いた少女は肩で息をしている

「父上は……気絶してるだけみたいですね。早く行かないと…」

先程まで戦っていたキリヤが突然倒れた。恐らく操りの術の解除に成功したのだろう

その少女は身体中に鋭利な刃で薄く切られたような傷があり、そこから赤い鮮血を流している。本来ならば重傷で動くのもままならないほどの出血量だが少女は進む。死神のところへと……

「待っていてください。ジャンヌ殿……今、助太刀に参ります」

キリナ・シラヌイは白の長い廊下を足を引きずりながら剣を杖にして歩く

……
………
…………

「ふぅ……やっと終わったみたいだな」

操られていた大量の敵味方の相手をしていたアスカはアイザックの元に来て声をかける

「やっぱ殺さねぇってのは難しいな。あと少しで殺しちまうところだった……」

そう言うアイザックの視線の先には城の壁に身体中を魔力の枷で固定されたファリテの姿があった

「まさかSランクに勝っちまうとは……しかも条件付きで」

「相性と状況が良かっただけだ。普通にやり合ったら負けてる」

マジでピンチだった。腕一本犠牲にして拘束しか出来なかった……危ねぇ

「とりあえず拘束は解いてやる」

もう魔力も限界だしな

「も、申し訳ございませんでした。本来ならば主力にならねばならない私が……」

「悔しいならこれから役に立て、俺はもう魔力切れで戦えない。お前らはジャンヌのところに行ってやれ……俺も後から、あそこで伸びてるアイギーナと一緒に向かう」

少しでも魔力が回復したら向かうから……待ってろよジャンヌ

……
………
…………

時は少し遡り、王の部屋に残ったジャンヌと死神の戦い

「死神くらい……私1人で十分だ」

「……へぇ、随分と……余裕…じゃないか？」

！………正気を取り戻しつつあるのか？

「待ってろよ……俺の体は絶対に返してもらう…！」

どうやら拮抗してるみたいだ。過去の俺、絶対に勝てよ

「体は止めてやる。心は自分でどうにかしろ」