現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

女体結界

「いらっしゃぁい!私と一緒に遊びましょ?」

「貴方……だれぇ?」

うーん、私はみんなと一緒に城に入ったはずなんだけど当たりは真っ白……城だけに……あひゃひゃ笑えない

「私は完成品No.10!テンちゃんって呼んで」

こんな頭の中お花畑みたいな子に構ってる暇ないんだけどなー

完成品とかNoとか……明らかにロキに造られた神造人間じゃん

「テンちゃん、聞きたいんだけどぉ、ここはどこ?城に入ったと思ったんだけど」

「ここは結界の中だよぉ、貴方達はアイちゃんしか女の子がいないから、女の子しか入れないんだぁ」

こんな奴にアイちゃんなんて呼ばれたくないなぁ……てかジャンヌの性別バレてる?てかクロノスは?精霊って人の性別となんか違うの?

そんでもって結界ねぇ……聖職者御用達の魔法障壁……

こいつを殺して出るしかないか…

「あひゃひゃひゃ!仕方ないから、救済してあげる!」
 
アイギーナのダガーがNo.10に向かって振り下ろされる

……
………
…………

「あっひゃひゃひゃ!これはまずぃい!」

アイギーナは逃げていた………巨大な獣から

「待っでよぉお、あぞびだいのよぉ」

いきなり変身しただけならまだしも、まさか刃が通らないほど硬い皮膚なんて……血がないと化け物用の大技も出来ないし……

「貴方と遊んでる暇なんてないのよぉ!あひゃひゃ!」
 
そもそも血を摂取出来ない敵なんか、サイズ関係なしにキツイ!

「いたっ!」

アイギーナは走った先で見えない何かにぶつかる

「追い付いたぁ!」

マジでやばい!ここ結界の端だ!

「テ……テンちゃん、ちょこっとで良いから血をくれなぁい?そしたら遊んであげるぅ」  

頭の中お花畑なんだし……血を差し出してくる可能性は十分あるはず……

「いやよ、貴方が私と遊ぶのは決まってるから……拒否権はないの」

巨大な獣の剛腕がアイギーナに向かって振り下ろされる

「血がありゃいいのか?」

その声の持ち主はどこからともなく現れた

「ほらよ、こんなもんでいいか?体内から直接取り出すのは難しいからちょっとしかねぇけど」

その人物はアイギーナに向かって手を差し出す。その掌は赤く染まっていた

「誰だが知らないけどぉ、ナイス!」

アイギーナはその掌の血を即座に舐め、分身する

「あっひゃひゃ!反撃開始!」

5人の同じ顔の少女が巨大な獣を囲むような位置に移動すると、5人同時に詠唱を始める

「滾れ、滾れ、血液よ」
「唸れ、唸れ、心臓よ」
「身体を流れ、身体を統べる」
「血管を埋め、血管を広げる」
「血よ、自由へとその染め上げられた手を伸ばせ」

「ブラッドリベリオン!」

獣の体が次第に大きくなっていく…まるで内側から膨張してるかのように、ボコボコと音を立てながら

そしてついに

「ぴぎゃっ!」

獣は弾け、血に濡れた紅い華が咲いた

……
………
…………

「誰だか知らないけど、ありがとう。貴方ぁ、名前はぁ?」

その問いに、その人物は答える

「ディラン王国第二騎士団長、ベリアルだ。よぉく覚えとけ犯罪者…血飛沫姫ブラッドプリンセス

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