特訓開始

俺は思案に暮れていた……

何にかと言うとこの前のアイザック……英雄狩ヒーローハンターと呼ばれてたらしい男との戦闘についてだ

俺はそれなりに強くなったつもりだし、実際相性がめちゃくちゃ良かったとはいえアイザックは圧倒できた

だが、勇者シンヤには手も足も出なかった。あのタイミングでクレイが来なかったら確実に死んでいただろう。死を間近で感じたから、不安になっているのだろうか？

まぁ、そんなわけで俺より強い人たちに修行をつけてもらおうかと俺は考えた

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「ほれ、手加減などはせぬから最初から全力でかかって来なさい」

まずはエリックさんだ。俺の師匠で一番尊敬してるから、修行の相手にはぴったりだ

今回の制約として特異魔法は使わない。と言うか使えないが正しいか……

ちょっと悲しいことだが、俺の特異魔法は生物殺し特化だ。まともに食らって死なないのはソウルドレインとソウルバインドくらいだが、どちらも魔法陣を使うので発動に時間がかかる。ソウルメルトとソウルアーマーは使っていいが最終手段だ。これを使えば1日くらい使い物にならない

「強化魔法120倍」
「強化魔法超硬化」

まずは2つだ。エリックさんにはストップムーヴもハイパーグラビティも反転弱化もレジストされてしまって効果がないだろうから、最低限の魔法で体を強化する

今回は今までと違って杖を装備してる。この世界に来て1年目の誕生日の時にエリックさんがくれたものだ。俺は基本、強化魔法や特異魔法の近接戦を得意とし、杖を持ってると邪魔になってしまう事があったため使用頻度は低かったが、これは相当すごい杖だ

「ボルテクストルネード！」

普段使うよりも格段に威力が

「素晴らしい元素魔法じゃな」

向上してる融合元素魔法を簡単に対処するエリックさんは本当にチートだと思う

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「やっぱり……勝てないかぁ……」

こっちの魔法は全部レジストされるのに、あっちの魔法は徐々にこちらを削るからいずれ負けてしまう

「わしもまだまだ現役じゃ、弟子達に負けてられんわい」

もう70歳近かった気がするんだが……パワフルだなぁ……