現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

恋する勇者とそれ知らぬ魔女

「ありがとうクレール…助かったよ」

クレールが来てくれなかったら本当に危ないところだった。自慢じゃないが、僕はこれでも勇者だ。街に入っていたら民間人はおそらく全員殺してしまっていただろう……

「はー、本当にやばかった。今度飯奢れよ……とりあえず、この事を王様に報告してねぇとな」

王から直接依頼された悪魔退治だが、この依頼は保留される事になるだろう。悪魔の1人が他人の体を奪うとなれば、危険性が非常に高い。他の悪魔……確か被虐と孤独もそういった能力を持っているだろう

「ほら、何ぼけっとしてんだよ。早く行くぞ!」

「あ、あぁ!分かった」

なぜだろう?彼女と視線を合わせられない……

……
………
…………

「それは恋だろ、あのお堅い真面目勇者が恋なんてめちゃくちゃレアだな」

この人はエレクトさん。クレールのお兄さんだ。僕とエレクトさんは昔からの友人で、何か相談事があればいつもエレクトさんに相談している

「茶化さないでくださいエレクトさん。僕は真剣なんです」

「俺だって真剣だよ。お前がいきなりクレールについて話があるって言うからなんだと思ったらただの恋煩いなんてな」

恋……か。恋なんてした事ないから分からないけど、エレクトさんが言うならそうなのか?

「僕は……どうしたらいいのでしょうか?」

「まぁ、飯でも誘えばいいんじゃねぇか?俺も恋愛経験なんてねぇけど2人で出掛けたりすれば自ずと仲良くなるんじゃないか?」

なるほど、助けてもらった時に食事を奢る約束をしたし、それを口実に2人で出掛ければいいのか

「よし、僕やってみます!ありがとうございました!」

「おう、頑張れよ」

とりあえず、クレールのところへ行こう!

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