現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

シェストの受難2

「飛べてる!飛べてるッス!」

ジャンヌさんに魔法を教えてもらってから4日が経過した。ついに俺は飛行魔法を習得することが出来た!まだ安定してるとは言えないし、ジャンヌさんほど自由に移動できるわけじゃないけど空を飛ぶことに成功した!

「お……おめで…とう…」

当のジャンヌさんは魔力切れで飛べなくなったので甲板で揺られている。

「大丈夫ッス!あと少しでアリトン大陸の右端にある貿易国家サリエルに着くッスよ!」

この船に乗ってもう4日目、あと少しでアリトン大陸に着く。アリトン大陸まで来ればディラン王国はすぐそこだ。

「よし!そろそろ飛ぶ!」

相変わらず、魔力の量と回復速度が異常だな……俺が30分も飛び続けられないのに、ジャンヌさんは5時間くらい飛び続ける上、1時間くらいしたらまた飛び始める。嫉妬……してないと言えば嘘になるが、好きな子の才能は自分の事のように嬉しいから俺は気にしてない

……
………
…………

「やっと陸地に着いた!」

ジャンヌさんは本当に嬉しそうだ

「貿易国家サリエルは名前の通り、他の国との貿易が盛んです。探せばディラン王国行きの商隊もいるはずっス。護衛依頼がないか、冒険者ギルドに行きましょう」

「あと少しで帰れるね」

!……そうだ、あと少しでディラン王国に帰る…そしたらジャンヌさんと2人きりの時間なんてもう無いかもしれない……

チャンスは今しかない………

「ジャンヌさん」

覚悟を決めよう

「どうしたの?シェスト君」

「実は俺……ジャンヌさ……」

その時、怒鳴り声が響き渡る

「やっと見つけたぁあ!!」

確か、ジャンヌさんの従者の……

「全くどこに行っていたんだご主人!俺がどれだけ心配したと思ってるんだ!それに、メリルとかクレイを抑えておくのも大変だったんだぞ!」

「ディーノ!なんでここに!?」

「俺とご主人は契約関係にあるから大体の位置は分かるんだよ。本当におおまかだし、離れてると方角くらいしか分からないから探すのに苦労したぜ…」

「えっ……私はディーノの位置分かんないんだけど……」

「人間には分からないからな。契約関係と言っても人外の獣とか魔物にしか分からない」
 
「なにそれ、ずるくない?」

「とにかく帰るぞ!メリルが暴れだしそうなんだよ!」

俺の勇気がぁぁあ!!!

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