現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

竜との出会い

俺は夜の平原を飛んでいた

飛んでみて分かったが、この魔法はあまり燃費が良くない。俺の魔力だからそこそこな時間飛び続けられるが、エリックさんでも3時間くらいが限界なんじゃないだろうか?

あと、酸素的な問題であまり高くは飛べない。せいぜい地上から100mくらいが限界だ。それ以上も飛べない事はないけど、結構苦しい

速度はそこそこ出る。時速50kmは余裕で出てると思うから、歩くよりは速い。強化魔法で筋力を強化して走った方が速い気がするが、それと違って飛行魔法は魔力を結構使う代わりに体力は減らない。あと地上と違ってモンスターが全然いない

便利な魔法を覚えたな

そんな事を考えていると、突如上から声が響く

「なぜ、人族が空を飛んでいる?」

「え?」

上を見るとそこにはドラゴンがいた。ファンタジー感満載なドラゴンが……

「えぇぇえええ!」

……
………
…………

「全く……驚くのはこちらだ。興味本位で声をかけたら、いきなり騒ぎ出すのだから」

「はい……ごめんなさい…」

俺は今ドラゴンさんと一緒に空を飛んでいる。正直に言えば竜にはトラウマしかないから、すごく怖い……

「それにしても素晴らしい。人族にして、魔法で空を飛ぶとは……魔族や竜族の種族特性の応用か?」

「はい、ちょっと色々あってこの大陸に来ちゃって自分の故郷に帰りたくて飛行魔法を覚えました」

そう言うと、ドラゴンさんは考えるような仕草をしてから話し始める

「貴様はどの大陸から来た?」

「アリトン大陸です…」

「あそこは人族が多い大陸だったな。竜巫女……と呼ばれる人族を知らぬか?」

竜巫女?

「……いえ、知りません」

「ふむ、知らぬか。ならばよい」

「竜巫女ってなんですか?」

ドラゴンさんは少し悩んだ末に教えてくれる

「竜巫女というのは、人ながら竜の姿になれる者の事だ。巫女ゆえに当たり前だが女性らしい」

竜になれる……人間?

「私……前に見た事があります…」

「なに?本当か?」

「でも…そいつは男でした」 

あいつが女って事はないだろう……ないよな?

「男か……その者の魔法が偶然にも竜巫女の特徴に似ていたのだろうな」

そうかぁ……

「ドラゴンさんはなんで私に竜巫女さんの事を聞いたんですか?」

「我ら竜族の里には言い伝えがあるのだ。竜巫女はその身に宿る魔力によって姿を人より竜に変え、我らの呪いを断ち切り、竜族に安寧をもたらす……と」

「呪い……ですか?」

「あぁ、呪いだ。竜族はもとよりこの様な怪物ではない。本当は魔族の様な人型をしていた……だがある時から竜族はこの姿でしか産まれなくなった。ゆえに竜族は精霊の預言者エルアが伝えた竜巫女の特徴を元に3000年以上、竜巫女を探し続けている」

 精霊の預言者か……アルラウネに聞いたら何か分かるかな?

「竜巫女の特徴は自身の姿を竜に変えることが出来る事と、身に宿る魔力が常人とは比べものにならない程高いということだ。ゆえに貴様に聞いた」
 
なるほど……魔力なら世界トップクラスだからな。今は女だし

「そろそろ、街に着くな。我は行く、久々に人の子と話せて楽しかったぞ!最後に聞くが…貴様、名をなんという?」

「ジャンヌ・アルデバランです!ドラゴンさんは?」

竜にはトラウマがあるけど、人と話せて楽しいと言うこのドラゴンさんから悪い感じはしない。それになんだかまた会う気がする

「我が名はディルヴァ!また会おう契約者・・・よ!」

契約者?契約者ってなに?

「ちょ、ちょっと!」

「さらばだ!」

もうディルヴァさんは見えない高さまで飛び去っていた









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